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第369回 「大垂滝」と八高山

2012年5月25日更新

掛川市行政課長 平出 行良

今年も、先日、八高山に行ってきました。実は、昨年のこのページで、寒い時期を見計らって、「大垂滝」(地元の人は、「おおたるのたき」と呼んでいます。)の確認と、その氷結した滝を見に出かけてみたいと書きましたが、その確認に行ってきたものです。
最初に、八高山のことにちょっと触れておきます。大井川右岸にあって、赤石山脈の最南端に位置し、標高832メートルと掛川市内で一番高く、原泉地域(泉地区)と旧金谷町(現島田市)との境にある山です。山頂からは、天気がよければ、西側にはエコパ、アクトシティーやその先まで見えますし、東側には富士山や南アルプスの山々、また眼下には大井川や家山の町並みが見え、絶景と言えます。
昨年、久しぶりに八高山に登ったというのも、15年から16年程前、厳冬期に幼い子ども達を連れて行き、八高山近くで撮った氷結した滝の写真を目にしたことがきっかけでした。しかし、登山後、古い写真の滝はどうも地図にある「大垂滝」とは位置もスケールも違うのではないかと思い始めたことから、本物の「大垂滝」、それもしっかり氷結した滝を見てみたいと、今年その確認のために適切な時期に出かけ、そして出来れば見事といわれるその姿をこのページで紹介したいと密かに考えていたのです。
さて、冒頭の書き出しが「先日」では、寒い時期を見計らっていないと気づかれたと思います。1月下旬から2月上旬くらいが適切な時期だと思うわけですが、今年のその時期は、情けない話ですが、インフルエンザに罹り、出かけるに出かけられない状況となってしまったのです。というわけで、お見せする私の写真はありませんが、昨年のこのページを読まれた二人から「氷結した滝を見ましたか。」と尋ねられ、事情をお話すると、それぞれ今年の“見計らった”時期の見ごたえのある写真をいただき、許可を得ましたので紹介します。

1月に大垂滝の真下から氷結を見たようす

2月の大垂滝が氷結したようす

 

左側は、今年の1月最後の日曜日撮影の写真で、我が課の職員から提供されたものですが、滝の真下からの写真で迫力を感じます。そして右側は、2月最初の土曜日撮影の写真で、登山・ハイキング等がご趣味で、数年前に退職された先輩職員から提供いただいたものですが、この写真は新聞にも掲載されました。これらの写真を見るたび、氷結を見たかったなという思いが改めて募ります。
この写真をご覧になり、来年行ってみたいと思われた方のために、ルートを紹介しますが、是非、半日位掛けて、八高山とセットで堪能していただきたいと思います。先に「大垂滝」を訪ね、そのあと八高山へ登るという、今回私が歩いたルートをお話します。

「林道原の平線」の案内図、「掛川のやまっぷ」の画像
掛川のやまっぷ(林道原の平線周辺)

掛川市の最北端、泉地区の住居が途切れるところに「赤目揃橋」(あかめぞればし)という橋がありますが、この橋を渡ってすぐ左側に分かれる道が「林道原の平線」で、この林道をしばらく登って行きます。5キロメートル程行くと、舗装が途切れる三叉路に行き着きますが、そこが「カザンタオ」と言われる場所で、八高山の西北の位置にあたります。舗装の途切れが市境となっており、未舗装の林道をさらに進むと家山方面に続いていますが、「大垂滝」のある馬王平方面に至る、もう一方の林道(やはり未舗装)には鎖の掛かったゲートがあり、ここに車を置いて、滝を目指して歩くことになります。結果的に、滝までの道は、ほとんどが下り勾配の道程で、大した苦労もなく、その日は新緑の景色をのんびり眺めながら歩いても35分位の時間で、目指す「大垂滝」に着きました。「大垂滝」は大垂橋のすぐ横にあり、落差30メートル、幅は10から15メートル位はありそうな、なかなかりっぱな滝ですが、白光川の支流源流部にあるため、普段から水量は少ないようです。この滝の位置は、八高山のちょうど北側(裏側)にあたり、島田市高熊というところの山中になるようです。沢に降りて、下から滝をじっくり眺めてみてください。
さて、「大垂滝」の氷結を鑑賞するだけの目的であれば、このまま今来た道を引き返せば、今度はほとんどが上りの道程とは言え、1時間足らずで車を置いた場所に戻れるでしょう。
しかし、せっかくですので、このまま林道を滝からやはり所要時間35分程度の馬王平を目指していただきたいと思います。この途中、氷結の滝として、長年勘違いをしていたようで、古い写真にあった滝は、「大垂滝」と馬王平の中間あたりに存在し、そのスケールは全く違うものであることを確認しました。
馬王平は八高山の東南側の真下になり、ここから山頂までの距離は道標によれば0.9キロメートルとなっています。ほとんど一直線に登るような道で、ちょっときついですが、是非頑張って登ってください。
白光神社を経由し、山頂で東西の景色を満喫していただいた小休止の後は、八高山の西北側、「天狗の座敷」という道標に従い、熊笹の群生する道を下山していくことになります。道が二つに分かれるところがありますが、家山の道標に従っていただければいいと思います。この道が行き着く先は、車を置いて「大垂滝」を目指して歩き出した林道の三叉路のすぐ近くに出ることになります。私の中ではこれが、「大垂滝」と八高山の両方を楽しむルートとしては、一番歩きやすいルートではないかとお勧めします。また、“氷結”にこだわらず、厳冬期以外の秋などにものんびり歩かれたらと思います。是非、地図を持ってお出かけください。

 

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