総合トップ記事第375回 「賞味期限」

第375回 「賞味期限」

2012年7月6日更新

掛川市・菊川市衛生施設組合環境資源ギャラリー所長 岩本 克治

前回は、これが最後の掲載と書いたところ、思わぬ反響があって、同僚などから「仕事辞めるの?」とか「退職するのか?」と尋ねられたが、自分の単なる思い違いでありました。今回は、間違いなく最後です。前回と同様、趣味や情熱を持って物事に取り組むことのない自分ですので、また日々の生活の一端を紹介させて頂きます。
近くに、娘夫婦が暮らしている。夫婦には、4歳と1歳になる娘がいるが、夫婦共稼ぎ世帯のため、日中の二人の子供の世話は、私の家内が行っている。
この孫のために我が家の冷蔵庫は、二人が食べたり飲んだりする、おやつ類などが沢山詰まっている。
ある日、「このヨーグルト賞味期限が切れそうだから、爺チャン食べてね」と家内が言う。「少しくらい賞味期限が切れても大丈夫だから、孫に食べさせろ。俺たちの子供のころは、多少古くなった物でも平気に食べたし、どうもなかったぞ」と反論すると「じゃーどうかしたら病院へつれてってねー」ときた「一度にたくさん買ってくるから悪い」というと「買物になかなか出れない、じゃー仕事の帰りに買ってきてよ」と反された。挙句、次に「いいよ、爺チャンはもう賞味期限切れてるんだから食べても大丈夫だよ」・・・・・
私は、来年3月で定年退職となる。確かに賞味期限切れが近づいているのかもしれない。賞味期限とは、食品の安全性や品質保持を保証をする期限だそうです。しかし、野菜や果物に賞味期限の記載されたものを見たことがない、バナナなどは、古くなって表皮が黒くなった物ほど実が熟して美味しいのだが、黒くなったバナナは、見てくれ悪くて店頭に並べられないのだろう。
そこで私は、自分自身に賞味期限が近づいた今、黒くなったバナナのように見てくれが悪くても中身が熟し、優しく、人間らしく生き抜いていこうと決心した次第です。

黒い斑点の出たバナナのイラスト

一句:「黒くても 熟して甘い バナナかな」

 

このページと
関連性の高いページ