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第376回 健康診査で「生活の質」の向上を

2012年7月13日更新

掛川市国保年金課長 清水 眞佐臣

先日、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を示す「健康寿命」(平成22年版)を厚生労働省が初めて算出し、新聞報道されました。全国平均は、男性70.42歳(平成22年の平均寿命79.64歳)、女性73.62歳(同86.39歳)でした。
ちなみに、静岡県平均の「健康寿命」は、男性71.68歳、女性75.32歳と全国平均より1年以上は数値が上回っておりました。
ここで驚いたのは、「平均寿命」との間に男性が9.22年、女性が12.77年、差があることでした。(世界保健機関【WHO】の世界保健統計平成23年版では、日本の平均寿命が83歳であるのに対して、健康寿命は75歳となっており、差し引き8年あるとされています。)
この期間は、医療費や介護費用を多く要する時期となり、健康を基盤とした「生活の質」も低下することとなりますので、2030年にはこの差を4年に縮めようとする運動があるそうです。
そこで、厚生労働省は健康を基盤とした「生活の質」を高めるために、平成20年度より国民健康保険の40歳以上の加入者に、特定健康診査(特定健診)を受けていただき、必要に応じて特定保健指導を行って、生活習慣病に陥る方を減少させることとしました。
予防のための啓発パンフレット【生活習慣病はこのように発症します】の内容を一部記載しますと、
【最初の段階】
注:身体活動・運動不足、注:不適切な食生活(エネルギー・食塩・脂肪の過剰摂取)、注:喫煙、注 過度の飲酒、注:過度のストレス
【次の段階】
注:肥満症(とくに内臓脂肪型肥満)、注:糖尿病、注:高血圧症、注:脂質異常症
【最終段階】
「日常生活における支障」と記載されています。
健康を基盤とする「生活の質を高める」には二つの意味が含まれていると思います。一つは、まだ働き盛りの50歳代などで深刻な病気になると仕事を続けることが難しくなる場合があります。これでは「生活費における支障」になってしまい、生活基盤が崩壊します。もう一つは、健康上の問題で日常生活が制限されることで、好きなこと、好きな食事などが制限されてしまします。
掛川市でも、「健康寿命の延伸」と、健康を基盤とした「生活の質の向上」を図ることにより、「市民だれもが健康で幸せに暮らせるまち」の実現を目指しています。(掛川市健康増進計画「健康かけがわ21」より)
私の場合、生活習慣病の段階は【危ない段階】に突入していますので、いつもかかりつけ医に怒られております。みなさんも1年に一度は「特定健診」などの健康診断を受けて、健康を基盤とした「生活の質」を高めて下さい。

生活習慣病のイメージのイラスト
生活習慣病のイメージ

生活習慣病のイメージ

  • 健康な生活習慣(運動、バランスのとれた食事)
  • 不健康な生活習慣(運動不足、不適切な食生活、過度の飲酒、喫煙)

レベル1

まだ間に合う

  • 不適切な食生活(エネルギー・食塩・脂肪の過剰等)
  • 身体活動・運動不足
  • 喫煙
  • 過度の飲酒
  • 過度のストレス

レベル2

境界領域

  • 肥満
  • 高血糖
  • 高血圧
  • 高脂血

レベル3

メタボリックシンドローム

  • 肥満症(特に内臓脂肪型肥満)
  • 糖尿病
  • 高血圧症
  • 高脂血症

レベル4

  • 虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症等)
  • 脳卒中(脳出血・脳梗塞等)
  • 糖尿病の合併症(失明・人工透析等)

レベル5

生活機能の低下、要介護状態

  • 半身の麻痺
  • 日常生活における支障
  • 認知症

厚生労働省生活習慣病対策室

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