総合トップ記事第386回 北之谷地蔵堂盂蘭盆お祭りとお施餓鬼

第386回 北之谷地蔵堂盂蘭盆お祭りとお施餓鬼

2012年9月21日更新

掛川市商工観光課長 安藤 彰

谷口堂地蔵尊を正面から見た様子

前回ご紹介しました谷口堂地蔵尊(通称:北之谷地蔵堂)につきましては、毎月23日に岩滑1組、2組、3組の住民により西国三十三番のお念仏が唱えられ、月例会が開催されております。その中で、7月の第4土曜日の夕方、盂蘭盆のお地蔵様のお祭りが周辺住民により開催されております。昔は、盂蘭盆にあたる7月23日に開催されておりましたが、勤め人が多くなり参加する人も土曜日の方が都合がよいとのことで、20年ほど前に変更となりました。
今年は、私の2組が当番となりました。当日、当番は朝から幟たて、飾り花の準備、お供え物の準備を行います。まず、地元3組30戸から松明が集められ、夕方になると道端に松明が燃やされます。昔は、とぼりとなる松明が周辺の山にたくさんありましたが、近年松枯れにより少なくなりました。それに伴って、昔は参道から川沿いの県道まで松明を燃やし、道を通る車が景色を楽しんだものでしたが、近年は参道のみとなり寂しいものです。しかし、今でも、参道沿に赤々と灯る松明の明かりに、子供たちははしゃいでいます。

谷口堂地蔵尊での月例会に参加する人々

道端で燃やされる松明の様子

午後6時30分には地元3組全員の女性による西国三十三番のお念仏が唱えられます。その間、男性はお堂の広場に集まり、お酒を飲み交わし世間話の時間となります。午後7時30分からは、盆踊りが始まります。櫓は組みませんが、子供も一緒になって輪になって踊ります。その後、全員参加による恒例のビンゴゲームがお堂の前で開催されます。1等はここ数年扇風機で、日用雑貨中心に商品が用意されており、老若男女100名ほどが数字の発表にわくわくする一時で、午後9時をもってお祭りは終了となります。
次の日曜日、午前6時から当番の組がお施餓鬼を伝える鉦を鳴らしながら、組を廻ります。その鉦は、古くから伝えられた由緒あるもので、組長により大切に保管されております。
施餓鬼棚には、サトイモの葉の上にナスの角切りと赤飯及び桶、位牌が用意され、午前7時に住職によるお経が唱えられ、終了後全員により位牌に水掛をし、お札をもらいお施餓鬼は午前8時に終了となります。
当番が3年に一度廻ってくる盂蘭盆のお祭りとお施餓鬼が、この組での伝統を守る大切な行事となっており、この形を守りながら後世に伝えていきたいと思います。

黄色い浴衣を着て盆踊りを楽しむ人々

サトイモの葉や桶、位牌などが置かれた施餓鬼棚

 

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