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第400回 長い病院勤務を振り返って(2)

2012年12月14日更新

掛川市立総合病院医事課長 松浦 利和

前回のホットページで19年間の掛川市立総合病院医事課勤務のうち、赴任当初のころの思い出を書かせていただきましたが、病院に勤務経験のある市職員から「懐かしい」との声にお応えして、懲りもせずにPart2にチャレンジしようと思います。
よく病院を舞台にしたテレビドラマが放映され、刑事ドラマと並んで高い視聴率を記録しているようです。
テレビドラマでは、いつ仕事をしているのかと疑問になる医師や同じ患者さんにいつまでも寄り添い、身の上話しに耳を傾ける看護師など、のんびりとした雰囲気に包まれたシーンをよく見かけます。
しかし実際の病院の状況は、寝る時間も惜しんで働く医師や三交代で体調を崩しながらも駆けずり回る看護師など過酷な職場であることは間違いはありません。
全国的に病院に勤務する医師や看護師の過重労働が問題視されており、地域の医療機関との連携や医療事務員による事務補助、その他の医療関係職種とのチーム医療の推進などの負担軽減策が提唱されてはいますが、必須要件ではなく各病院に任されているのが現状です。
不詳、私の妻や子供たちも看護師で幸か不幸か知らないうちに医療一家になってしまいましたが、家族の支えがないと看護師として長く働き続けるのは難しいことを肌身に感じております。
昔、「看護婦の父ちゃんがんばる」という映画がありましたが、まさかその主人公(?)になるとは思いもよりませんでしたが。
そんな過酷な勤務状況で働く医師や看護師に対して、今でも忘れることのできないことがあります。
午前7時頃、一人でタクシーで来院された妊婦さんがタクシー内で出産してしまい、夜勤務の助産師が「臍の緒」をタクシー内で切断したことです。助産師さんが新生児を抱えて院内に入ってきた時は、どこからともなく拍手が起こりました。
これが現実の医療現場なのです。仕事と言う気持ち以上に心に秘めた責任感がないとできない職業です。
平成25年5月には、中東遠地区の中核病院として「中東遠総合医療センター」が開院します。通常の仕事に加えて、新病院のシステムの構築や運用計画の立案など大忙しの毎日です。
私も住民の期待に応える病院を目指して、がんばらなければ。

上空から撮影した建設中の中東遠総合医療センターの写真
建設中の中東遠総合医療センター

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