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第404回 古きよきもの " 活かす "

2013年1月11日更新

掛川市都市建設部長 内山 宰年

仕事帰りの運転席コミカルな三味線の音とダメおやじを介して忘れかけてた昔を思わせる語りかけが何故かうれしく聞こえた“小沢昭一的こころ”83まで40年も続けていたしゃがれ声の名調子はもう流れてこない
やれ選挙やれロケットだとやっぱりせわしなかった師走も辰年も過ぎて私の干支は5周してしまった

暮れに在所で兄とうちの息子の嫁話を肴に酒を酌み交わしていた
すると何かがフーっと背中を通った紙おむつ一丁の母親だ
一口飲むと兄嫁がズボンとブラウスを両手にお母さん何やってんのと騒々しく追っかけて行った
一週間ほど介護センターに入ってて、昨日戻ったばかりなのだ
子供は風の子 母は寒さも恥ずかしさも忘れてしまってる大正8年生れもうすぐ95

その時兄のそぶりが昔の人ってゆうのは体だけは丈夫だから定期リフレッシュで“あーなんだ”とまるで月に一度の行事でも見てたかのようにあっけらかんとしていたそれが老いた親とのやさしい生活ぶりさえも感じさせてくれてありがたいことだと思ったのだがその有り難さに酒と義兄姉が混ざっていつの間にか嫁話は飛び酒盛りとなって加速しいつもどおり食いちらげ飲みちらけたコタツで横になってしまった

だいぶよばれた次の日帰りは天浜線
列車が来るまで酔い覚ましに太田川の河辺をぐるっと散策
流れの少ない川原を少し進むと一休みに丁度いい石が見つかってゆっくり腰掛けふと見上げると青く澄んだ空をバックに走る列車と鉄橋の構図にしばらくうっとり慕ってしまったあれ
あぁ次のまで1時間待ちか
やっきりしたのでその鉄橋を間近で観てみてやった
架けられてもうかれこれ80年昭和9年鋼鉄製だ
JRの前身国鉄の鐵道省と刻まれた古い橋歴板が打ち込んである

見るからにがっしり・堂々としている

国鉄時代には橋守(ハシモリ)と呼ばれ今風には駐在型メンテナンス屋さんてとこか
そうゆう方が橋のたもとに住んでいてガタン・ゴトン ガタン・ゴトンとリズミカルな音をいつも聞いていてガタン・ゴン ガン・ゴトンと感じるとさっと列車の通った跡を調べたそうだ
天浜線も二俣線時代はそうだったのだろう

暖かな車内ではいつもの連れが窓の景色を眺めながら一方的にしゃべり続けていてそんなことは気にもさせない
今では橋のたもとには居ないにしろ今も橋守は続けられているんだろう

なーんと長く使えるもんだ

ビートルズもボンドも62年デビューもう50
私のビートルは67年製まだ45
11月に車検をモータースに頼んだら4週間掛かった
あれが・これが・こんなだったんで色々取っ替えといた
そりゃーわるかったねそれで調子はどう むりせにゃーイイと思うよと返ってきた
前回まで75になる会長がやってくれてたのだが体調が思わしくないので若社長がやったようだ

会長はいつも言ってた
ちゃんと手を入れてりゃーまだまだイイ車だこれは“職人に任せとけ”といつも自信に満ちた力強い言葉で安心させてくれたのだが
若社長は届けてくれた帰り際にぼそぼそと言った
安くていいのがあるんだけどぼちぼち新しいのどうでス

まだまだこれで・行く

エンジン音は前より軽快 ローギアで引っ張るとシフトがはずれてしまうのは相変わらずだ
大晦日一日中走りまくったとたんに橋の手前で止まってしまった
チューブレスタイヤにチューブを入れてあったけどホイールの状態が良かったと思ったのでチューブは抜いといた“バッチリだぜ”とこの前若社長は言ったばかりなのに左後ろのタイヤがペチャンコだ
モータースに携帯した会長が来てくれるといいのにな
来るまで1時間も待つか

橋の端の柱に橋の名と架けられた年が刻まれている吉・岡・橋
こりゃー年代物だ昭和5年80過ぎ
けっこうあるんだろうなこうゆう古いの 大丈夫かな暮れに中央高速のトンネルで天井が落ちたようだけど
こうゆうこといつも思って橋を渡ることなどないがやっぱちゃんとしてくれてないと大変なことになってしまう

コンクリートはそもそも頑丈なんだ

少し前までは橋を調査してるのを見かけるときっと新しいのにするんじゃないかなと思いこむのが常だったけどそ・れ・だ・け・じゃーない
如何にコンクリートをイイ状態にしておくか
専門家がしっかり調べ職人がちゃーんと手を入れる今大事なことはこれなんだ
しっかり・ちゃんとしたケアで橋を長寿命化する
橋が長く安心して使えるならこれに勝るものはない

来たのはやっぱり若社長たのむよ

寒くてさっきまでぐじぐじしゃべり続けてたいつもの連れは週に1度フラしてる
私と同じで干支が5周しているが腰を振ってる
今更私にどおしろと言うのだ

ハワイの女性は長生きなフラしてるから
ただ今将棋の画面を穴の開くほどよく見てます
健康で頭も冴えててあなたと一緒に・い・た・い・の・よ
ドキっ・・そうだよまだまだ磨きをかけて私も挑む

新年のせっかくの機会だから36年発表日本で流行ったハワイアン“オンザビーチアットバリーバリ”いってみます

バリバリのはまべであったステキなステキなヒト

あまたのヒトのなかでぇもひときはすんだひとみー
(鼻歌交じりで)
ラ・ランラ・ランラランラ・ランラランララ・ランラ・ランラランラ・ランララァン
ラ・ランラ・ランラランラ・ランラランララ・ランラ・ランラランラ・ランララァン
(フラのリズムに乗って)
ひとみのきれいなヒトはいまごろはどこかでぇ
だれかをなやませていぃるそーだよきっとそーおだ
(小沢昭一風に)橋でも・何でも・これからみーんな“長寿命のこころ”だぁ
(みんなで)そーぉだよきーぃっとそーぉだ
ラ・ランラ・ランラランラ・ランララァぁン

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