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第405回 獅子舞での感動

2013年1月18日更新

昨年10月の掛川大祭(おおまつり)と11月の全国獅子舞フェスティバル掛川による獅子舞での感動であります。
特に3年に一度の大祭千秋楽天然寺境内で行う仁藤大獅子(獅子頭約220キログラム長さ25メートルの母衣(ほろ)総勢約200人)の舞い納めであります。この舞いは、昼間のお祭り広場やイベントで舞うのとは比べものにならない醍醐味が噂となり、観衆が毎回多くなり境内に入るのも容易なことではありません。観衆は、午後4時半頃から集まり始め、最後の舞い納め準備のため夕闇迫る境内には入れてもらえず、1時間半以上境内の外側で待ちました。その間、大獅子の歯が外れるように固定したものを取り外し、かがり火が灯されます。獅子頭を持つ人には御神酒が振る舞われ法被を脱ぎ、母衣の中には大勢の人が入り、自町の人が母衣を引っ張ります。大獅子は、かがり火の明かりだけの中、格調高いお囃子(はやし)鎌倉(かまくら)が始まり、拍子木の音でお囃子は徹火(てっか)に切り替わり、勇壮に舞います。獅子頭は、前に突進し、回り、振り返りを繰り返し、大乱舞を繰り広げ、母衣を持つ子どもたちは歓喜を上げながら駆け回り、激しく威勢よく舞います。今回は、40分にも及ぶ大変迫力ある舞いを行い、獅子頭が旗頭に入り、本堂に納められました。獅子の金色の歯は観衆が奪い合い、家の入り口に貼ると魔除けになると言われますが、最近では安全に配慮し本堂近くまで観衆はいけませんので、遠巻きに見て大盛況のうちお開きとなりました。この獅子舞こそ真骨頂を発揮するものと思いますので、是非次回の大祭千秋楽に天然寺にてご覧ください。

夜の千秋楽大獅子の舞い準備の様子
千秋楽大獅子の舞い

次は、11月18日本県での開催が初めての「第15回全国獅子舞フェスティバル掛川」での愛媛県今治市から参加の「高部の獅子舞」であります。
前日は荒れ模様の天気で冷たい雨が降っていましたが、当日は一転して雲ひとつない秋晴れになったものの、時折強い西風が吹く天気となりました。
獅子頭をつけた人が人の肩に乗って舞う「継ぎ獅子(つぎじし)」と呼ばれる獅子舞です。継ぎ獅子は、上へ上へと肩に乗り、最上部で「獅子児(ししこ)」と呼ばれる4歳から小学校低学年までの子供が獅子頭をつけ、手には剣、扇、鈴を持ち舞う、力とバランスが頼りの荒業であります。最初は、獅子頭を着けた獅子児が土台となる大人の肩車の上で舞います。太鼓の音が響く中、大人の肩に乗り両足立ちし、片足に扇をはさみ、前後に片足を動かしたり、肩に乗ったまま袴を片足づつ履く舞いをしたり、大人が胸のところで手を組み、手離したまま大きく円を描いたり、大人の頭部に両足で乗る伝統芸能であります。この動作の舞いが、「三継ぎ」でも行われ、高さは5メートル近くにもなると言われ、土台の大人2人と大人1人の2段と獅子児によるアクロバティックな舞が披露されると、観衆から「すごい」と歓声が上がり、拍手喝采でありました。

土台の大人2人と中段大人2人の3段が肩に乗ってつながり、その上で獅子児が舞う「四継ぎ」演技の写真
全国に名を轟かせた高部の獅子舞

更に、土台の大人2人と中段大人2人の3段が肩に乗ってつながり、その上で獅子児が舞う「四継ぎ」演技が行われ、 一番上の子どもの高さは信号機を越えるほど、折からの強風でぐらっと揺れ、観衆からは悲鳴とこの日一番の拍手が交互に起こっていました。高部獅子舞の魅力は、何といってもその高さにあります。先人たちは「氏神様は天においでになる」という厚い信仰心からその神様に少しでも近づきたいと考え、上へ上へと人柱を伸ばしていったのだろうと言われているそうです。出演した人に聞くと、「掛川城をバックに踊ることができ、感激しました」「すごい観客にもビックリしましたが、いい経験になった」と語っていました。また、見知らぬ同士の観衆からも「○○サーカスよりいいよな」、「なんとすばらしいバランス感覚なのか」と感動話が飛び交い、「これからも、このようなイベントをやって欲しいよな」と言っていました。掛川大祭のお祭り広場のときより多くの観衆がいて、このような感動を与えてくれたイベントは、今まで無かったような気がしました。

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四継ぎ獅子の舞い(強い西風と獅子児)

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四継ぎ獅子の舞い(獅子児と両手広げ)

 

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