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第409回 訪看24時

2013年2月8日更新

掛川市地域医療推進課長 石川 安宏

「医療行為だけじゃなく、家族の心の支えになったり、生活意欲の維持など幅広い役割を担っていてくれたんですね」「患者と人間関係や信頼関係を築いているからできる仕事だと思いました」「今後の人生にとって安心できる話が聞けました」・・・。
本年度開催した、訪問看護ステーション大東所長の岩倉はつ子氏を講師に招いての「住み慣れた地域で暮らせるための訪問看護」と題した地域医療講演会での聴講者の声。
訪問看護は、介護や支援を必要とする方の自宅おいて、かかりつけ医からの指示を受けた訪問看護師などにより行なわれる療養上のお世話や必要な診療補助のことで、まさに近年、クローズアップされている在宅医療の第一線で活躍する大きな戦力です。

国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、2030年の年間死亡者のうち、医療機関でも介護施設でも在宅でもない、いわゆる死に場所がない人は約47万人と推計。医療機関の病床数がこれ以上増加するとは考えられず、介護施設も現状の何倍にも整備されるとは考えづらいとなると、住み慣れた我が家で家族が臨終に付き添う在宅看取りの体制を強化し、この47万人の受け皿が喫緊の課題と言われています。

ところが、こうした将来予測が立てられている一方で、在宅看取りに対応する訪問看護ステーションの事業所数は、全国的にほとんど伸びていないのが現状です。その要因としては、一人で訪問することへの責任や負担の重さ、地味で一人で訪問する孤独さのほか、24時間対応型ステーションになると夜勤があることなどが考えられ、慢性的な訪問看護師不足に繋がってしまっているようです。

しかし、そうした就業環境の中にあっても、「マンツーマンの仕事なので、ダイレクトに反応が返ってきます」「人の心に寄り添え、患者との間にゆったりした時間が流れます」「患者だけでなく、家族とも関われます」「自分がやってきた看護の結果が見えやすく、感謝の言葉に真実味を実感できます」などなど、その魅力は語り尽くせない現役訪問看護師さんたち。

そんなご苦労の背中合わせに存在する「やりがい」に支えられて、日夜奮闘する訪問看護師さんたちに熱いエールを送りながら、南部大東ふくしあに入所している訪問看護ステーション大東の看護師さんたちの一日を追ってみました。

事務所でみんな揃って朝礼の様子
一日のスタートは朝礼から

ベッドに座った在宅患者をケアをする様子
在宅患者へのケア(1日あたり30人前後を分担)

お弁当を広げて和やかなランチタイムの様子
和やかなランチタイム

暗い中車に乗り込む職員の写真
助かります 夜間訪問

ビニール手袋やはさみや血圧計など訪問カバンの中身の写真
訪問カバンの中身は・・・

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