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第435回 市立病院跡地に「希望の丘」を整備

2013年8月6日更新

掛川市地域医療推進課長 釜下 道治

掛川市立総合病院は、本年5月1日の中東遠総合医療センターの開院に伴い、4月末をもって閉院し、7月3日の「病院感謝の会」と「解体工事安全祈願祭」の後、施設の解体工事が始まりました。概ね本年度末までには、サロン(人間ドック)棟を除く全ての建物が撤去される予定です。周辺地区をはじめ、市民の皆様には、長い間、市立病院運営に対する温かいご理解とご支援をいただき、誠にありがとうございました。また、しばらくの間、解体工事におけるご迷惑をお掛けすることをお許し願います。
市立病院は、昭和59年4月に現在の杉谷地内に移転して以降、「愛 365日」をキャッチフレーズに、地域の医療ニーズにお応えすべく努めてまいりました。平成25年4月までの29年と1ヶ月の間における、市立病院の延べ患者数は、外来が7,853,774人、入院が4,007,706人となりました。たいへん多くの皆様にご利用いただきましたが、救急医療体制の充実や高度な診療・治療体制など、更なる機能アップを図って、掛川市と袋井市の公立病院の統合による新病院へとその使命が引き継がれました。

かつての市立病院周辺の上空写真
かつての市立病院周辺の様子

さて、市立病院の跡地8ヘクタールには、掛川市の「健康医療日本一のまちづくり」の中核ゾーンとして、医療、保健、福祉、介護、教育に関する各施設を総合的に整備する「希望の丘」プランが実施されます。跡地は、南北、東西の2つの道路によって区切られ、AからEの5つのゾーンに、県や民間により新たな多機能施設群が整備されます。
西側のAゾーンには、県立の(仮称)掛川地区特別支援学校が平成27年4月開校を目指して整備され、掛川、菊川、御前崎の各市から合わせて170~180人ほどの小中高の児童生徒が通学する予定です。
北側のBゾーンには、掛川北病院を運営している医療法人社団・綾和会により、療養型の病院(240床)と介護老人保健施設(100床)が、平成27年4月の開院を目途に整備される予定で、新病院などを退院した後、在宅での療養が困難な方の療養を引き継ぐ後方支援病院の役割を担います。
同病院の東隣のCゾーンには、菊川市にある社会福祉法人・和松会による重症心身障がい児(者)の通所施設が、「希望の丘」内で最も早く平成26年4月に開設し、掛川、菊川、御前崎の各市から合わせて20人程度が通所する予定です。
南側のDゾーンには、福島県二本松市の社会福祉法人・湖星会による特別養護老人ホーム(入所100人、短期入所20人)と、川崎市の社会福祉法人・春献美会による認可保育所(定員120人)が併設され、いずれも平成27年4月の開設を目指します。湖星会と春献美会は、幼老複合施設による相互交流を前提とした公募(プロポーザル)を経て選定されました。
Eゾーンは、旧健康安心サロン(人間ドック)棟を活用し、1階に中部ふくしあ、2階に急患診療室を平成26年度中に開設するほか、旧食堂・売店棟を撤去した後に平地を造成し、掛川市社会福祉協議会による障がい児学童保育施設(定員20人)や交流(ふれあい)広場などの諸施設を整備する予定です。

これらの多様な施設が「希望の丘」の中で活き活きと存在感を発揮し、相互連携をとってより有効に機能するために、「希望の丘整備コンセプト」を策定しました。今後、このコンセプトに沿って整備を展開してまいります。
「市民に開かれ、大学のキャンパスのように美しく」をテーマに、

  1. 幼児、高齢者、障がい者、すべての市民の「いのち」を育む拠点づくり
  2. 8万平方メートルの郷土樹種に基づく森の中に息づく施設づくり
  3. 誰もが相互に尊重し支え合う共生社会を目指すモデルづくり

の3つを基本方針としました。
コンセプトの実現に向け、具体的な整備手法等については、今後、各事業主の方や地元対策委員会の皆さんとの協議などにより検討を重ねていくことになりますが、「希望の丘」整備は、諸施設が開設する平成27年4月までに完成するものではなく、その後、長い期間の継続的な取り組みにより作り上げられていくものです。多くの皆さんの力により、「協働のまちづくり」のモデルとなる整備が進められることを期待しています。

希望の丘の全体計画図
希望の丘整備計画図(コンセプト)

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