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第444回 台湾への旅

2013年9月27日更新

掛川市下水整備課長 石山 雅久

「趣味は何ですか?」と聞かれるたびに答えに窮して「旅すること」と、たいして旅行しているわけではないが、適当に答えていた。元来の面倒くさがり屋のため、これといった趣味のない私だが、それでも1年に1回は泊まりでどこかしらに行くようにしている。もっとも女房から「今年の夏休みはどうするの?」とせっつかれ、重い腰をあげ、旅行会社のチラシを見るのだが。若い頃は、宿泊先から見学コースも自分で検討したが、最近はツアー企画頼みとなっている。
以前利用した旅行会社のチラシから、東北の旅が目に留まったが、申し込み直前になって同じ予算で2泊多い台湾の旅に決めた。女房も長い方が家事の手間から解放されて喜ぶだろうと。台湾には十数年前に旅したことはあったが、何となく台湾には親近感を抱いていた。昨今の中国・韓国の反日運動に嫌気がさしていたので、なおのことである。

台湾といえば、東日本大震災の際、いち早く義援金を送ってくれた国(国際的には国として認められていないが)である。人口2,300万人で平均所得約160万円の小さな国で200億円を超える義援金を出してくれたのである。台湾人の約4割が好きな国に日本を挙げているとはいえ、ものすごい金額である。また、半年前のワールドベースボールでの日本対台湾戦を思い出した。延長戦で4対3と日本が辛くも勝利したが、稀に見る好試合であった。しかし試合以上に話題になったのは、日本の応援団が義援金に対する感謝のプラカードを試合中掲げたことと、ゲームセット後に台湾選手がマウンド上で円陣を組み観客にお辞儀をした見事な態度が、日本と台湾双方のメディアにも取り上げられたことである。日台双方がお互いの存在を認め尊重し、日本のファンによる台湾選手への賛辞が好感をもって伝えられたのである。そんなことから、台湾への好印象をますます深めていき、台湾旅行が決まった気がする。台湾に行ったら日本人の一人としてお礼も言わなくちゃいけないと思ったりもした。

台中市役所。白いお城のような建物
台中市役所

市役所の部署を書いた案内板
市役所案内

 

前置きが長くなったが、いよいよ台湾への出発である。8月のある金曜日午後7時40分に静岡空港からのフライトである。静岡空港は我が家から車で約30分の距離で無料駐車場もあり非常に利便性が良い。夜の出発だったので当日は仕事も2時間の休みを取るだけで、予定の集合時間に間に合うことができた。
受付カウンター前で今回のツアー総勢17名が集合となり、簡単な説明を受けた後搭乗手続きを済ませ機内へ。どういう訳か我が夫婦だけが後方の座席で、まわりはほとんどが台湾人のようであった。近くに仲間がいないのは心細かったが、フライト中は何もすることがないのでビールを飲んでずっと寝て過ごし、約3時間20分で台湾入国となった。ところが、機内を降りてすぐにトラブルが発生した。入国審査を受けるのに必要な入国カードが無いのに気づいたのである。機内で配られるはずだったのだが、夫婦で熟睡していたせいか、受け取っていない。困った、どうしようと思案に暮れていたら、ツアーの一人が空港内の入国カード記載所を見つけてくれた。急いで記入しようとしたが、記入内容が分からない箇所がある。あ~どうしよう、英語をしっかり勉強しとけばよかったと悔やんでいたら、またしても現地の係員らしき人が、日本語で親切に記入の仕方を教えてくれた。助かった~、やっとの思いで入国審査を受け、荷物受け取りレーンの場所へいく。ところが、今度は、自分の荷物が出てこず、機内での顔なじみの人もいない。この場所で間違いないはずなのに、どうしたことか。5分、6分待ったが出てこないので、荷物レーンを一周すると自分の荷物が降ろされていたのを発見。やれやれこれで出られると、急いで集合場所へ。すると自分の名前が場内アナウンスされている。あまりにも時間が掛かりすぎたので、現地添乗員が依頼したのだ。幸い放送と同時に集合場所へ行けたので、皆さんにお詫びし合流した。

高雄市内。高台から写真を撮っている。手前に大きな川奥にビルが建つ街がある
高雄市内

波乱の台湾入国となったが、翌日からは心配された天候にも恵まれ順調な旅となった。1日目は、最初の宿泊地桃園を早朝にバスにて出発し、台中・日月潭・高雄などを観光し走行距離約420キロメートルの旅であった。翌日以降は、台東・花蓮・瑞芳・九イ分・台北などを観光してきた。台湾の島は日本の九州とほぼ同じくらいの広さなので、4泊5日あれば多少ハードではあるが、ほぼ一周でき主な観光地を制覇できるようである。
台湾は、食事もそれほど香辛料も強くなく美味しくいただくことができ、気候も日本が猛暑だったせいかそれほどの暑さも感じることなく快適な旅であった。時差も1時間ほどで、治安も悪くなく日本びいきの台湾には、さらに好印象を持つことになった。

 

掛川市を含む中東遠の5市1町の観光協会では、台湾からの誘客活動にも力を入れているようです。台湾との観光交流が盛んになることは、静岡空港の利用促進や掛川市の観光振興にも繋がると思います。ぜひ皆さんも静岡空港を利用しての台湾の旅を経験してみてはいかがでしょうか。金曜日夜の出発で、4泊5日のツアーなら火曜日夕方午後6時40分到着となり、月曜日・火曜日と2日間休みを取得するだけで台湾周遊が可能となります。ちなみにツアー代金は食事代込みのホテルのランクアップ代を含め一人10万円以内でした。

太魯閣峡谷。手前に白い大きな置物奥は山
太魯閣峡谷

忠烈祠で真っ白の制服を着た5人の衛兵とその様子を奥で見学をしている人
忠烈祠

 

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