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第445回 秋を楽しむ

2013年10月4日更新

掛川市高齢者支援課長 山崎 貞子

紫色の花が3輪咲いている写真

4月から市役所への通勤となった。北側駐車場は樹木に覆われていて、初夏には新緑に目を奪われ、猛暑の頃は蝉の声に包まれ、今はドングリが落ちていて芙蓉の花もきれいに咲いている。鳥も木の葉が散るのと間違えるほど集団で舞い降りるのを見かけるし、糞などからもかなり多くの動物の往来があるのだろうと想像する。おかげで毎朝3分ほどの楽しい時間となっている。

最近の関心事は、もっぱら2025年ころのこと。高齢化率が30パーセントを超え、さらに高齢化が進むとき、どんなふうな社会になるかということ。楽天的に考えれば、日々の連続により10年後20年後がやってくるので対応していけるのではないかと思う。しかし、しっかりシュミレーションして準備しておかなければ間に合わないというのが正しいと思う。実際、家族関係や価値観など、想像をこえた事象に驚くことも多い。予防が大事だと思う。

 

そんな中、終末期医療に携わる傍ら仏教を研究されている医師のお話があるというので出かけてみた。「終活」や「エンディングノート」といった言葉をよく耳にするようになり、皆さんの「最期への関心」はどうかなと思いつつ参加したが、生涯学習センターのホールは大勢の方で埋まっていた。先生のお話からは「病」「老」「死」は避けられないので、そこをしっかり自覚して一日一日を大切に生きなくてはと改めて思った。と同時に、このテーマ、高齢社会のピークを目前にさらに関心が高まるだろうし、自分らしい人生を送るために大切なことだと感じた。

その何日か後、「終活」を試みようとしている方の話を耳にした。「まずはエンディングノートから」取り組んでみようとのこと。
もし関心があるようであればと思い、「最後の迎え方セミナー」の紹介をさせていただいた。このセミナーは東京女子医科大学看護学部健康調査プロジェクト主催で、10月30日午後1時から「たまりーな」で開催されるもの。昨年実施した「最後の迎え方アンケート」結果の報告とともに住職による法話、最期の迎え方に関するミニ講座が予定されている。参加者の感想などぜひ伺ってみたいと思う。

ところで、この「最期の迎え方アンケート」は、「高齢住民はどのように最期を迎えたいのかに関する研究」で、市内老人クラブ会長を通じて、老人クラブに所属する高齢者等550名にアンケートを配布し、462名が回答されている。研究結果が興味深いものであることはもちろんだが、あわせて高齢者の皆さんがこのように協力してくださるということは、たいへんありがたく素晴らしいことだと思う。高齢者と面と向かって死に関することについて話したり回答していただくことには、どこか遠慮がちになってしまうのが常なので、回答率の高さにも驚いた。老人クラブ(シニアクラブ)の皆様のご尽力あってのことだと思う。
研究のまとめでは、抜粋だが「住み慣れた場所で親しい人に囲まれて在宅で最期を送りたいと考えているが、そのことについて家族で話す割合は低い。自宅で最期を送る条件として、自立して食べることができ、必要最低限の医療処置を希望し、ぴんぴんころりと送りたいと考えられている。」「最期を送る場は自宅と考えているが、病状が悪化すると救急車を呼び、点滴などの医療処置を希望していることから、最期の送り方や救急車を呼ぶことの意味について十分に理解されていない」など述べられている。貴重な資料なので、ぜひ多くの方にご覧いただきたいと思う。(引用・参考文献:掛川市健康調査報告書平成24年度、「高齢住民はどのように最期を迎えたいのかに関する研究」東京女子医科大学看護学部 山元由美子他)

真っ赤な彼岸花の写真

私としては、1月に参加した講演会でいただいた資料(終末期の医療行為に関する希望・意思表示「事前要望書」、迷惑をかけないための手続き)を、9か月も温めてきたので、そろそろ、秋の夜長に書き込んでみようかなと思っている。実は、終活がまだでしょうというCMが、あまちゃんのテーマ曲の次くらい頭の中をながれている。そろそろ一段落させ、別の曲にしたいと思う。
また、だいぶ涼しくなってきたので気分も新たに、ラジオ体操、歩数を増やすこと、毎日体重を測ることを続けようと思う。2025年頃に健康で何かしら仕事をして楽しく暮らしている自分を想像すると、やっぱり「今でしょ。」となる。

 

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