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第447回 将来の防火・防災を担う人材育成を目指して!

2013年10月18日更新

掛川市南消防署長 大石 和博

寸感ホットページの投稿の出番がやって参りました。初回と言うことで、南消防署での「子どもに対する防火・防災教育」の取り組みについてご紹介します。
南消防署では、火災や災害により発生する被害を最小限に抑え、自らの「生きる力」と災害対応力を養うために、幼少年期からの防火・防災教育を毎年管内の、保育園児・幼稚園児に花火教室や防火教室、小学校4年生に消防署の施設見学を行い、災害時における活動支援教育を展開しております。また、中学生にはキャリア教育(職場体験学習)として、3日間にわたり、消防の業務を経験していただいております。
全国的にも、3.11の東日本大震災を受け、教育現場等を活用した子どもに対する防災教育の重要性が高まっており、発生する災害を最小限に食い止めるためには、行政の災害対応能力の向上に加え、市民一人ひとりが防火・防災の知識や技術の向上と地域の連携が重要になりますが、特に子ども達に対する教育が重要であり、危険に対する予知や回避能力を幼児期から身につけさせるために、子どもの発達段階に合わせた防火・防災教育を行っております。
幼保園児には、防火教室を通じて紙芝居や防火アニメ等により火の怖さを教え、園児みんなで「火遊びをしない良い子になります!」と元気よく防火の誓いをします。
花火教室では、紙芝居を活用して、火事の怖さと花火の遊び方を教えた後、実際に花火に火を着けて体験してもらい、正しい花火の遊び方を学んでもらいます。避難訓練では、先生の言うことを聞いて、口にハンカチをあて屋外に避難し、屋外では消防車を見学したり、ホースに触れたりして、消防の仕事を体験してもらっています。

バケツの横で花火をしながら園児に消防署員が指導している様子
幼稚園児花火教室風景

花火をしている園児に消防署員が指導している様子
幼稚園児花火教室風景

 

小学生には幼児期とは違い災害に関心を持たせ、日ごろからの備えが被害の軽減に繋がることを教え、災害発生時に大人の指示を理解し、行動できるよう学んでもらいます。
4年生の社会科の授業で、消防ではどのように災害から市民を守っているのか、消火、救助、救急、指令、火災予防、防災の各観点から、消防の仕事を紹介し、火災の恐ろしさや、事故の悲惨さを災害活動時に職員が感じた体験などの臨場感あふれる生の声を児童に伝えています。また、実際に隊員が災害現場で使用している、防火衣、ヘルメット、長靴やホースや管槍等の資機材を実際に児童に見せ、触れることにより、写真では伝わらない重さや防火衣に染み付いた火災の匂いを体験してもらい、災害現場がどれほど大変なものなのか、五感で感じてもらいます。
中学生のキャリア教育としては、消防署の実際の業務を経験させ、災害時の迅速な消火や適切な応急手当など、実践的な知識や技能に関心を持たせる取り組みを行っています。
消防の与えられた役割として、今後も将来を担う子供達に対し、災害予防の危機意識の重要性を伝え、火災等の災害予防の普及啓発に全力を挙げて、取り組んでいきます。

オレンジ色のつなぎを着た消防隊員の説明をコの字型に座って聞いている児童らの様子
小学4年生施設見学風景

消防車を見ながら職員の説明を聞いている児童ら
小学4年生施設見学風景

 

消防車と職員を児童が見ている様子
小学4年生施設見学風景

救急車をバックに救急隊員の説明を聞いている児童の様子
小学4年生施設見学風景

 

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