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第466回 太陽光発電を考える

2014年2月14日更新

掛川市環境政策課長 榛村 吉宣

家の屋根に太陽光発電のソーラーパネルを設置しているイラスト

異常気象が叫ばれる昨今、その原因とされる温暖化ガス(CO2等)の削減を進めていくには、太陽光発電など再生可能エネルギーの活用は、多くの人が実行出来る有効手段だと思います。市は、平成28年度までに戸建て住宅の2割に太陽光発電の設置を進めることや、太陽光発電などの再生可能エネルギーの割合が稼働停止している浜岡原子力発電所の中部電力管内に占める割合以上になるよう推進しています。
太陽光発電設置の推進策として、住宅への設置では、国・県の補助に加えて市では、1件当たり6万円分の買物券補助を行っています。また、設置した方に安価に安心して屋根に設置出来るように太陽光発電パネルメーカーや市内の施工事業者にご協力をいただいて太陽光発電施設「かけがわモデル」の設置を平成24年度から進めています。

 

現在、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の開始を境に住宅や事業所の屋根、空き地などに太陽光発電の設置が急速に進められ、平成25年度は10キロワット未満の住宅に設置する太陽光発電(発電して家庭で使用した残りの余剰電力を売電)より、10キロワット以上の能力のある太陽光発電(発電した全電力を売電)の普及が進み、大きいものでは1,000キロワット以上のメガソーラーも市内に設置されています。
本年度の4月から11月に市内に設置された太陽光発電能力は、約11,500キロワット(1キロワットあたりの1年間の発電量を1,200キロワットアワー/キロワットと推測すれば13,800千キロワットアワーが発電される。1世帯当たり年間電力使用量を4,800キロワットアワーとすれば約2,900世帯分。)あるそうです。発電能力10キロワット未満で余剰電力を売電する方は1キロワットアワー当たり38円の売電単価、また10キロワット以上で全量売電する方では37.8円が売電単価です。単純には言えませんが、この発電量13,800千キロワットアワーを1キロワットアワー37.8円として試算すれば5億2千万円程になります。

地面の上に太陽光発電のソーラーパネルを設置している写真と、その太陽光発電のエネルギーを資金活用したイメージの街並みのイラスト

仮の話ですが、市民設置の太陽光発電からの発電量が平成24年度の市内使用電力量13億61百万キロワットアワーの1割になったとすれば約1億3千万キロワットアワー。全量売電37.8円で計算すれば49億円です。単純には言えませんが、発電のために海外から石油やガスを買っており、その代金は海外に流れていきます。それが市内で発電されればその分、市外に出て行ったエネルギー資金が地域内に残り地域経済の活性化につながります。子供や孫のために将来に向けて投資をすれば、化石燃料枯渇への対応、地球温暖化防止対策などへの貢献や、将来への地域経済貢献も考えられますので太陽光発電施設の設置を検討していただきたいと思います。
しかし、太陽光発電を設置したくても出来ない人もいます。このために市民ファンドによる太陽光発電設置も実現に向けた検討も進められています。県内でもこの方法で始められた所もありますので市内での実現に期待をしたいと思います。
私の家の屋根にも太陽光発電施設がありますが、そのお陰か家を留守にする時は出来る限りコンセントを抜いて出かけるようになり、創エネルギー(電気を作る)ばかりでなく省エネルギー・節電の効果も大きくあると思っています。
また、省エネリフォームや電化製品の交換により10年、15年の単位でこれに投資したお金はペイできるようです。そうは言ってもなかなか行動につながって行きませんが、厳寒期の中、出来れば早く室温19度以上の快適性を保った自宅で節電をしていきたいと思います。クシュン。