総合トップ記事第467回 障害児学童保育所を訪ねて

第467回 障害児学童保育所を訪ねて

2014年2月21日更新

掛川市福祉課長 石川 安宏

「おかえり!」。下校後の子ども達を指導員らが笑顔で迎える障害児学童保育所の玄関。1月中旬に訪ねた「かざぐるま」でのひとコマです。

心身に障がいのある子どもたちの放課後生活を支え、保護者の介護負担を軽減させるほか、社会参加を促すうえで重要な役割を担っています。
昨年の全国調査によると、障がいのある子を受け入れている学童保育所は、10年前の2.5倍、通っている子どもの数は、約3倍にそれぞれ増加しています。この背景としては、発達障害と診断される子どもの数が増えていることや、経済状況が厳しくなる中で、障がいのある子どもを預けて働きたいと考える母親が増えていることが影響していると言われています。

羽根が4枚あるかざぐるまが雲の上に乗り風を受けて回っているイラスト

こども・親・地域・行政という4枚の羽根が、多くの理解者や支援者の風を受けて力強く回り、福祉の風をまき起こさせたいとの想いで「かざぐるま」(総合福祉センター内)。また、南からの暖かな風を福祉へ送りこみたいとの想いで「みなみかぜ」(大東保健センター内)。現在、社会福祉協議会が運営している市内に2箇所設置されている障害児学童保育所の名称です。
この2施設で1日あたり20名の定員に対して、特別支援学校や特別支援学級に通う小学生から高校生までの児童・生徒ら、100名余の子どもたちが利用契約しているところですが、数字が示すとおり、毎日の利用は叶わない現状にあります。
ここでの保育は、障がいの状況や子どもの個性に応じて、予め決められた担当指導員が、概ね3時間の放課後生活をほぼマンツーマンで対応してくださっています。

 

訪問したこの日は、ほとんどが特別支援学校の中等部、高等部の生徒らで、制服を着替えたあとは、3つのテーブルに分かれてのおやつタイム。指導員から平等に手渡されたお菓子をどうしても余分に欲しがり、説得を受ける自閉症の男子生徒。見知らぬおじさんがそばに居たせいか、うつむいたままのダウン症候群の女子生徒など、行動の状況はさまざま。おやつをいただいた後の思い思いの遊びにも、和やかな時間が流れていました。

毎年、保護者会から市に対して、利用日数の充実が要望されています。現在、希望の丘の一角に新たな施設整備に向けて事務を進めているところですが、少しずつでも充実した福祉サービスを提供していくことが私たちの務めであり、願いでもあります。
「みなみかぜ」で起こした「かざぐるま」が、今度はどんな勢いのある福祉の風になるのか、今からとても楽しみです。

このページと
関連性の高いページ