総合トップ記事第473回 茶草場に今年も春が

第473回 茶草場に今年も春が

2014年4月4日更新

掛川市総務部長 廣畑 雅己

春の季節、昨年「静岡の茶草場農法」で世界農業遺産となった茶草場のシンボル粟ヶ岳。
茶草がきれいに刈られ、一面枯れ草色の茶草場。寒いなぁ、風があるなぁ、などと思っていると、鼻はむずむず、空はかすみ、春になってきました。
茶草場や、ハイキングコースに、春の花や様々な植物がお目見えです。

世界農業遺産となった茶草場のシンボル粟ヶ岳。茶草がきれいに刈られ一面枯れ草色になっている

2月には、赤い芽だけだった絶滅危惧種のフジタイゲキも3月には葉がたくさん出始め、これからグングン成長することでしょう。

絶滅危惧種であるフジタイゲキの赤い芽の写真
2月22日 フジタイゲキの芽

葉がたくさん出始めたフジタイゲキの芽の写真
3月22日 フジタイゲキの芽

 

黄色い花が咲いたフジタイゲキ
5月には、こんな花が咲きます。
2013年5月19日

今の季節、最も春らしいのは、ハルリンドウでしょうか。
昨年、FAOの調査の時に視察したところには1輪も見つからず、私の目では探せないかなと思っていたのですが、有限会社遊然舎太田代表のヒントで見つけました。

青紫色の花のハルリンドウ
3月22日 ハルリンドウ

見つけてみれば、一面の群落でした。とは言っても、「密」ではなく「粗」ですが。
そしてもう一つはショウジョウバカマ。1輪だけ見つけました。
ウィキペディアによると、花が赤いのを中国の伝説上の動物ショウジョウになぞらえ、葉の重なりが袴に似ていることから名付けられたとされます。

紫色の花のショウジョウバカマ
3月22日 ショウジョウバカマ

粟ヶ岳のハイキングコースの森の中では、長距離移動するアサギマダラの幼虫が、キジョランの葉の裏で5センチメートルほどに成長していました。夏には、優雅に舞う姿が見られるでしょう。

葉の裏にくっついているアサギマダラの幼虫
3月15日アサギマダラの幼虫

花に止まっているアサギマダラ
アサギマダラ
2008年8月 長野県車山高原

春の草花に続き、いよいよ新茶のシーズンです。自然の中で営まれる農業では、気候の影響を大きく受けます。今年は遅霜はどうでしょうか。毎年市内のどこかで凍霜害を受けますが、今年は一切被害が無いように願いたいですね。

皆さんも、春のひととき粟ヶ岳ハイキングはいかがですか。

粟ヶ岳から遠くにみえる富士山の写真
3月22日 世界農業遺産の地から世界文化遺産の富士山を望む

このページと
関連性の高いページ