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第531回 「中部ふくしあのオープン」

2015年3月20日更新

掛川市地域医療推進課付参事兼中部地域健康医療支援センター準備室長 戸塚 宏五

この4月1日に、「中部ふくしあ」がオープンします。場所は希望の丘の一角で、旧掛川市立総合病院の健康安心サロン棟の1階部分を改修しました。対象地域は掛川第3、掛川第4、掛川第5、南郷、西南郷、上内田地区となり、6地区の人口は約30,000人です。

正式名称は「掛川市中部地域健康医療支援センター」といい、「ふくしあ」は愛称で主に「ふく(福)」と「しあわせ(幸)」を表します。また、「ふくしあ」は花の名前でもあり、花言葉は「暖かい心」で、上手に育てるには常に暖かい心で接することが大切だと言われています。

さて、この「中部ふくしあ」のオープンにあたり、「ふくしあ」について今一度説明させていただきます。

「ふくしあ」は、住み慣れた地域で最期まで暮らせるように、医療、保健、福祉、介護を多職種連携により総合支援を行う地域拠点です。掛川市内には、これまで平成22年にオープンした「東部ふくしあ」をはじめ、「南部大須賀ふくしあ」「南部大東ふくしあ」「西部ふくしあ」の4か所があり、「中部ふくしあ」は、掛川市最後の5番目となるふくしあです。

「多職種連携による総合支援」というとピンと来ませんね。違った角度から見てみましょう。多少強引に例えさせていただくと「野球、サッカー、テニス、バスケットのプロ選手が、ついたての無いひとつの部屋に集まり、いろんな人からの、あらゆるスポーツに関する相談に応じたり上手になるための支援をしていく。」ような組織と言えるかもしれません。4種類のプロスポーツ選手が一部屋に集まって相談事に乗ってくれることは普通ではあり得ませんよね。自分の専門分野はもちろん、違う分野の相談が来ても大丈夫です。この4種類以外の全く違うスポーツの相談が来ても、決して「専門外だから」と言って相談者を帰すことはありません。一生懸命関係機関等に連絡して、相談者の期待に応えられるようにします。

「ふくしあ」は、スポーツではなく、医療、保健、福祉、介護の面において4つの異なる団体が連携して市民のみなさんのサポートをおこないます。すなわち

  1. 全体のコーディネイトの役割を持つ行政
  2. 高齢者の総合支援をおこなう地域包括支援センター
  3. 地域の育成や見守りネットワークの構築をおこなっている社会福祉協議会
  4. 在宅医療を支える訪問看護ステーション

の4団体です。

これだけの専門職を行政が直営することは困難だと思われます。民間のノウハウと行政の力を合わせて活動していく半官半民の総合力だとも言えます。

多職種連携の効果としてこんな意見が出ています。

  • 様々な生活課題を個人の問題とせず家族の問題としてとらえ、隣り合わせに居る関係機関が情報共有し、連携することで、複雑に絡み合った家族問題の解決に繋げられた。
  • 地域の医療環境を生かし、開業医や薬剤師、救急隊等と連携した対応もできている。

「ふくしあ」の対象者は高齢者中心と思われがちですが、そうではありません。ゼロ歳から高齢者までの全年齢層が支援対象です。高齢者に対する支援はもちろん、引きこもりの若者を就労に結びつける支援や働き盛りへの保健指導などもおこなっています。

「中部ふくしあ」も他のふくしあと同様、地域のみなさんのお役に立てるよう、一生懸命努力いたしますので、どうぞよろしくお願いします。

中部ふくしあの外観写真
中部ふくしあ外観

中部ふくしあ内装写真、ついたての無いワンフロアの執務室に机とカウンターが配置されている
ついたての無いワンフロアの執務室

 

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