掛川市消防長 萩田秀之
中央消防署庁舎建設工事が進行中です。現在の敷地を拡張して、既存庁舎の南側で昨年9月から建設工事を進めています。
新庁舎棟は今年8月に完成予定で、9月に仮使用、引っ越しを目指しています。その後、旧庁舎の解体工事などを行い、最後に自家給油所の設置と外構を整備して、平成28年3月末に全体が完成する予定です。
なお、新庁舎概要については、以下のとおりです。
1 整備方針『あらゆる災害に迅速対応可能な庁舎』
東日本大震災の教訓を踏まえ、南海トラフで発生する地震や津波の被害が発表された「静岡県第4次地震被害想定」において予想される掛川市内での「死亡者ゼロを目指す」ため、消防の使命である「人命を守ることを最も重視した活動拠点を整備する。」
1 ライフラインが途絶えた状況下でも「24時間体制・長期・広範囲にわたる消防活動をサポートする拠点」
耐震性の高い庁舎、非常電源を整備した情報通信施設、全職員の収容スペースと駐車場の確保など
2「市民の生命を守るため活動する緊急車両のエネルギー基地」
消防車両(消防本部、消防団)・市公用車(給水車、災害対応車)・掛川警察署車両用の給油設備を設置し、 約2週間分の燃料を確保
3「市民、企業団体(防火管理者)、消防団員(地域の防災リーダー)の訓練体験施設」
煙体験、消火訓練、避難訓練、救助訓練などソフト面の対策
4「中東遠合医療センターと連携した救急医療体制の充実」
救急車の配置や関連設備の充実、救急訓練専用室の整備
2 施設概要
1.建設場所
掛川市掛川1102番地の2他(現中央消防署敷地)
2.敷地面積
6,119平方メートル(現在:2,980平方メートル)
3.施設規模
1.庁舎棟
鉄筋コンクリート造、地上3階、延床面積約3,412平方メートル(現在:1,138平方メートル)
2.倉庫棟
鉄骨造、地上1階、延床面積152平方メートル
3.その他
ホースタワー兼訓練塔1棟、自家給油所、受水槽、自家発電設備、太陽光発電設備、雑用水水槽、訓練用防火水槽1基(30平方メートル)、消火栓2基(地上式、地下式)、土のう置場(砂10平方メートル)
4.施設配置
1.1階
車庫(消防車両16台)、署事務室、災害対策室、資機材庫ほか
2.2階
仮眠室、食堂、浴室、備蓄倉庫、訓練室ほか
3.3階
本部事務室、大・小会議室、書庫、台帳庫、団本部室ほか
3 ライフラインが途絶えた非常時の対応
1.「非常用電気設備」
専用地下タンク(3,000リットル)を設けた自家発電設備(150キロボルトアンペア)や蓄電池設備(30キロワットアワー) を備えた太陽光発電設備(30キロワット)を屋上へ設置し、安定した電源を確保する。
2.「ガス設備」
都市ガスの遮断に備え、予備のLPGボンベを配備し、炊き出し等を行えるようにする。
3.「水道設備」
大型受水槽(貯水量12立方メートル)を設置し、消防活動用の飲料水等として確保する。
4.「自家用給油取扱所」
災害時における消防車両や公用車の燃料を安定的に供給(ガソリン13,000リットル・軽油12,000リットル 合計25,000リットル)
5.「雑用水利用設備」
地下ピット内へ100立方メートル程度の水槽を設置し、各種洗浄用として利用する。
本庁舎建設にあたり、周辺住民の皆様のご理解とご協力を頂き、建設に至ることができました。また、工事期間中は騒音など多大なご迷惑をお掛けしておりますが、引き続き皆様の温かいご理解とご協力を頂きたいと存じます。