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第545回 ぶらり寄り道「道の駅掛川」

2015年6月19日更新

掛川市都市建設部付参与 太田 勝

自宅(川根本町)から西部方面にドライブ。運転を初めて約1時間、最初に立ち寄りたくなるのが「道の駅掛川」です。赤い屋根にサイロを思い起こさせる白い塔が見えると、なぜか“牧場”をイメージしてしまい、旅の気分からぶらり立ち寄りたくなってしまいます。

1日に約3万2千台の車が通過する国道1号掛川バイパス沿いにあって、ランプからスムーズに出入りができる利用のし易さはもちろん、施設も充実しており、「いいね 道の駅掛川。」などと妻と話しながら、つい寄り道してしまいます。

道の駅掛川の年間購買客数は約160万人(試算値)と聞いています。特に地場産品直売所では約7割が市外からの利用者だそうです。先日寄った時にも、駐車場には多くの県外の乗用車や大型トラックが停まっていました。

余談ですが、五月晴れの下、しば桜の花文字がとてもきれいでした。駅の管理も大変なことと思います。頭が下がります。

赤い屋根の「道の駅掛川」の外観写真
赤い屋根の「道の駅掛川」

駐車場側に咲くしば桜の花文字の写真
しば桜の花文字がきれいでした

 

地域活性化の拠点としての「道の駅」

道の駅は、平成2年に広島市で開かれた地域づくり交流会において、参加者から「道路にも鉄道のように誰でも使用できるトイレがあれば」と提案されたことがきっかけだそうです。その後、24時間利用可能な駐車場とトイレ、電話や情報提供施設を備えた道路施設であることを条件に、平成5年に国土交通省により最初の登録を行われました。

22年が経過した道の駅は、平成27年1月現在で全国に1,040駅、年間購買客数は約2億1千万人、年間売上高は約2,100億円(平成24年度データ)であり、コンビニエンスストア業界では第5位企業の売上高に相当するそうです。

高速道路や幹線道路の整備に伴い、物流のみならずヒトの流れが広域化され、道の駅やサービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)が道路の休憩施設から旅の目的施設に変わりました。全国各地に広がった施設のサービスも様々に進化し、今や地域活性化の拠点として成長し続けていることは、皆さんもご存知のことと思います。

県内でも、東名高速道路サービスエリアと一体の道の駅(富士川楽座)、マリーナと一体の道の駅(伊東マリンタウン)、温泉が楽しめる道の駅(川根温泉、花の三聖苑伊豆松崎など)、産地の特色ある農畜産物を提供する道の駅(掛川、フォーレなかかわね茶銘館など)と、地域の特色にあった道の駅が旅の楽しみのひとつとなっています。

地域拠点のひとつとして成長してきた道の駅ですが、国が進める「地方創世」の中でも大きな役割が期待されており、国は地域活性化の拠点となる道の駅を「重点道の駅」や「全国モデル道の駅」に選定し、ユニークな地域おこしの企画を支援しています。

道の駅が第2のコンビニのようにネットワーク化(広域連携)され、地域おこしにますます貢献することが期待されます。

安全安心。防災拠点としての「道の駅」

道の駅の3機能「休憩機能」、「情報発信機能」、「地域連携機能」に加え、新潟中越地震をきっかけに、新たに道の駅の「防災機能」に注目がされました。東日本大震災では、広い駐車場を利用した災害応援の活動拠点や地域住民や道路利用者の一時避難場所となった他、被災地の物流が滞る中で、最寄品や農家より直接仕入れた農産品を販売することで、被災者や地元生産者に活力を与え、地域コミュニティの維持に貢献したことが確認されています。

このようなことから、道の駅では国や県による防災拠点化が進められています。元々、道の駅には情報提供施設が備えられていましたが、災害時の交通規制などの情報を得られたり、非常時の電力やトイレ、飲料水、備蓄材等の確保ができる防災機能を備えた道の駅が増えてきました。

防災機能を備えた道の駅の看板
防災機能を備えた道の駅の看板

駐車場前の通路に非常用発電設備と災害時用トイレになるマンホールの写真
非常用発電設備と災害時用トイレ

 

地域の情報や安心の道路情報などを提供してくれる全国の個性豊かな道の駅が、これからも私たちの旅を、ますます楽しくしてくれることと思います。

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