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第551回 ~脳の活性化~

2015年7月24日更新

掛川市企画政策部参事 久野文義

最近、物忘れが多々あります。ついこの間も、偶然、息子の同級生の父親と久し振りに会い、積もる話をしていたのですが、どうしても名前が思い出せませんでした。別れた後、気持ちが悪いのでずっと頭の中で名前を考えていました。

このような時、「あ行」から順に、赤堀さん、石川さんと頭の中で名前を思い浮かべるようにしていますが、今回は「わ行」の方だったため、ものすごく時間が掛かってしまいました。

やっとのことで名前を思い出しスッキリしたのですが、他にも固有名詞が出てこず「あれ、これ、それ」と言ってしまうなど、どうも脳の老化の始まりかなと思う今日この頃です。

因みに最近、妻とは「あれ、これ、それ」で会話が成立しているのですが、これは愛しあっているからなのでしょうか?

冗談はさておき、脳の神経細胞は150億個以上もあり、およそ20歳を過ぎると1日に10万個以上は減少していくといわれております。これが、年齢の増加とともに誰もが経験する脳の「生理的な老化」の始まりで、脳の萎縮に繋がるということです。また、20歳前の高校生や中学生でも、頭を使わないでいると脳の老化が始まるという事例もあるそうです。

脳の老化を防ぐとともに、脳の活性化を図るには、昔からいわれている「読み、書き、そろばん」は勿論ですが、散歩など適度な運動と囲碁や将棋、クロスワードパズルなど楽しく頭を使うことが非常に良いとのことであります。

私もそうですが、現在はパソコンの普及により筆やペンを持つ機会が極端に減っており、漢字も変換してくれるので辞書も滅多に引きません。計算も電卓やパソコンの表計算で行うなど、自分の頭で考えるということが昔に比べ随分減っております。確かにパソコンは便利であり使いこなすことは必要だと思いますが、全てをパソコンに頼ることは危険だと感じています。本来は、人の頭の中で考えることを機械がやってしまうということは、脳の老化を促進させるのではないかなと思います。

以前、テレビで「何で勉強するの?」というCMが流れていましたが、皆さんのお子さんが同じように「何で勉強しなくちゃいけないの?」と質問してきた場合、即座に明確な答えを言えますでしょうか。有名な大学に進学し、有名な会社に就職するためにではないですよね。答えの1つとして、浜松医科大学名誉教授の高田先生が、講演の中で「私たちが何で勉強するかということは、私たちの脳がいかに効率よくいろんなことを行うことができる、或いは行う指令を出すことができるようにするためである。つまり私たちが勉強する最大の理由は、我々の脳をより良くするためである。」と言っておられましたので参考までに。

掛川市は、認知症の方が多いと言われており、掛川市立総合病院が平成24年1月に県内2番目の認知症疾患医療センターとして指定され、現在は中東遠総合医療センターがそれを引き継いでいます。また、平成25年度に実施した高齢者実態調査では、家族を介護する必要が生じた場合、施設入所ではなく自宅にて介護をしていくと答えた方が6割を超えていることや、自分自身が介護が必要になった場合も自宅にて家族に介護してほしい方が6割を超えています。

しかしながら、現実は、介護が必要な方が認知症を患った場合は、大半の方が施設入所を希望しています。これは四六時中、目が離せないなど介護する方も体調を崩す可能性が高いことによるものであります。

このようなことから、認知症にならないよう予防することが非常に大切であると感じています。私の母は、現在、介護度が要支援2なのですが、同級生や知り合いの方が認知症を患い施設入所したことにショックを受けたようで、認知症予防を実践しております。介護保険サービスによる予防もあるのですが、どうも人様のお世話にはなりたくないようで、自ら考えた予防法を実践しております。例えば、一人では思うように外出できないので、家の中を杖をつきながら歩き回ったり、お手玉やそろばん、そして日記、クロスワードパズルなどを毎日欠かさず行っています。

皆さん、認知症にならないよう、又、脳の老化を防ぐとともに脳の働きをより良くするために、適度な運動と楽しく頭を使うことを心掛けましょう。人の一生は生涯学習です。

追記:都合の悪い時、認知症のふりをしたい気持ちになることも多々ある今日この頃です。

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