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第559回 希望の丘で「園芸療法」が始まりました・・・そして我が家では

2015年8月28日更新

掛川市地域医療推進課長 平野功一

「希望の丘」がオープンして5ヶ月が経過しようとしています。
ご存じのとおり「希望の丘」は、医療・保健・福祉・介護・教育に関する施設が集まり、市民の暮らしへの「希望」と「いのち」を育む拠点です。
このたび、希望の丘事業者の特色ある取り組みとして、掛川東病院ではこの6月から園芸活動を手段として利用した新たな健康回復療法“園芸療法”を開始しましたので、御紹介させていただきます。

ところで「園芸療法」という言葉をご存知でしょうか?
「園芸療法」とは、草花や野菜などの園芸作物、身近な自然との触れ合いを通して、心や体の健康を回復する療法で“花と緑で癒す療法”と言われています。

今回掛川東病院では、いばらき園芸療法研究会の園芸療法士 毛利ユカ先生の指導のもとに、病院敷地内にある園芸用花壇と空き地を活用して、院内の療養患者や介護老人保健施設(桔梗の丘)利用者が花やサツマイモなどの作物栽培を通して、植物と過ごし、育て、楽しみながら心身を回復させる療法プログラムに取り組んでいます。
これまで4回の療法活動が行われ、6月11日と22日は、入所・通所患者さん延べ38人が参加し、花壇とプランターに花や野菜(ナス・キュウリ・トマト・オクラ・ピーマン)を植えたり、野菜に支柱を立てる作業を行いました。
参加された皆さんは、表情もとても明るく、覚醒レベルが向上した方や花を媒介に他の患者さんと会話される方も多く見られました。また、農作業の経験のある方は、率先して作業に取り組まれていました。

草花の植え方のアドバイスを受けながらプランターに植える参加者のようす

花壇に植えられた美しい草花を眺める施設の利用者と指導員ら

 

6月26日と7月10日には、押し花・押し葉うちわ作りを行い、参加した患者さんたちは、実際に花や葉に触れることにより表情も良く、花や葉の名前に関心を持つ様子も窺えました。また、この活動を通して患者さん同士の交流も深まったようです。

このように園芸活動は、日常生活の必要な機能の向上や認知機能の低下を抑えることなど、様々な心身上の効果が期待されています。

押し花・押し葉うちわ作りのようす

押し花・押し葉うちわ作りを楽しむ施設利用者ら

 

この取り組みはスタートしたばかりですので、療法士の育成や活動環境の整備など、まだまだ課題もあるようですが、今後こうした活動が市内全域に拡がり、在宅療養や在宅介護への支援となり、私たち市民にとってまさに「希望」となることを期待しましょう。

場面は変わりますが、実は我が家でも家庭菜園が高齢者の健康回復と生きがいの場となっています。
父は85歳、母は79歳になりました。父は、数年前に体調を崩したことがあり、最近では少し認知症があるかなと感じることもありますが、それでも二人ともこれまで介護のお世話になることもなく、何とか元気で日常生活を過ごすことができています。これは毎日、自宅前の畑でナスやキュウリ、サツマイモ、落花生などの野菜づくりに汗を流すことが健康維持と介護予防にも繋がっているものと思っています。
時には肥料を播いたことをも忘れたり、種を播いたところに別の苗を植えてしまったりと、ハプニングの連続です。それでもできたナスやキュウリが曲がっていようが、傷があろうが、毎日育てたものを美味しく食べることが喜びや満足感となり、穫れたてを姉弟や孫に、また知り合いや近所へもおすそ分け、この楽しみが体を動かし、気分転換にもなっているのでしょう。

これからもこれを我が家の健康法の一つとして、家族で支え合い楽しみながら続けていきたいと思っています。
皆さんも出来る範囲で花や野菜づくりで“健康づくり”を楽しんでみませんか?
“いつまでも掛川で暮らし続けられるように“

家庭菜園の風景

さまざまな野菜が育つ家庭菜園のようす

 

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