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第584回 「中東遠総合医療センター」最近の出来事

2016年1月22日更新

掛川市健康福祉部付参事
中東遠総合医療センター経営戦略室長 石野敏也

平成25年5月1日、「中東遠総合医療センター」が開院し、はや2年9か月が経過しました。この間、市民の皆様には多大なるご理解とご支援をいただき、心から感謝申し上げます。
お陰をもちまちまして、開院以降、順調な運営を続けており、大変多くの患者さんが受診されています。ただ、感染症の流行や急な冷え込みなどにより、外来や救急へ患者さんが集中する事態が発生し、待ち時間が非常に長くなる場合があります。
ご迷惑をお掛けし大変申し訳なく思いますが、職員一同、皆様への質の高い医療提供のため、より安全で円滑な病院運営に全力で努めてまいりますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
ちなみに、今年度の年末年始は本当に暖かい日が続き、インフルエンザの流行も無かったことから受診者数は昨年度と比べ約半数と落ち着いた年末年始となりました。

今回は、中東遠総合医療センターの最近の出来事について振り返ってみたいと思います。
その前に、私が好きな病棟からの富士山の写真をご紹介します。

ビルや建物、山の奥に富士山が見える写真
病棟からはこんな感じで見えます

下に山や鉄塔が見え、真ん中に大きな富士山が見える写真
望遠レンズで寄ると結構迫力があります

不安な入院生活を「世界遺産 富士山」に癒やされているとの声を患者さんだけでなく、ご家族からも大変多く寄せられます。
病院職員の中にも「今日は富士山が見えるな?」と毎日気にしている者もいます。

中東遠総合医療センター「シンボルマーク」が決定

平成27年3月、当院のシンボルマークが決まりました。様々な案の中から、当院の医局で働く秘書の方の作品が見事選ばれました。

CHUTOEN GENERAL MEDICAL CENTER

シンボルマークが決まり、1,000人を超える職員の一体感がますます醸成されていく気がしました。
今後は、広報紙などあらゆるところで目に付くと思いますが、将来はゆるキャラ?も登場するかもしれません。ご期待ください。

救命救急センターの指定

平成27年8月1日、中東遠総合医療センターは県内10番目となる「救命救急センター」として県知事から指定されました。

「救命救急センター」とは、急性心筋梗塞、脳卒中、頭部外傷など、二次救急で対応できない重篤な患者に対し高度な医療技術を提供する三次救急医療機関です。このため、高度医療に対応した医療機器の整備のほか、常時、高度救命医療に対応できる医師や看護師等の医療技術者を待機させておくことが必要です。

中東遠総合医療センターが救命救急センターに指定された見出しの中日新聞の記事

開院当初から市民の皆様が希求する「24時間365日の救急医療」に力を入れてきた結果、開院初年度の救急車受入は県内でも2番目に多いという実績が評価され、この度の指定となりました。
開設初日の朝、松島救命救急センター長から「指定はゴールではなくスタート。スタッフが一致団結して全力を尽くし、さらに良い救急医療を提供していくことこそが最大の目的。」と、真剣な眼差しでその覚悟をお話しされましたが、一市民としても大変心強く感じますとともに、今後も「断らない救急」が実践できるよう皆様とともに支えていきたいと思います。

病院機能評価の受審

平成27年11月30日、12月1日の両日、(公財)病院機能評価機構による審査が行われました。

「病院機能評価」とは、第三者である評価調査者(サーベイヤー)が、所定の評価項目に沿って病院の活動状況を審査し、適切な医療が提供されているかどうかを評価する仕組みです。審査の結果、一定の水準を満たしていると認められた病院は「認定病院」となります。「認定病院」は、安全・安心で信頼と納得の得られる医療サービスを提供すべく常日頃努力している病院であるとされ、全国の病院の約3割が認定されています。

沢山の白衣を着た人らが椅子に座り、1人の白衣を着た男性がマイクを持ち、話している写真

医師、看護師らが集まり、モニターを見て話をしている様子

 

開院から3年後(本年度)に機能評価を受審するという目標を立て、開院当初から名倉院長陣頭指揮の下、全職員が一丸となって診療の質の向上に取り組んできました。業務手順、安全対策、感染対策など、ソフトからハードに至るすべてを関連法に沿って、丁寧にマニュアルやフローに落とし、均一且つ良質な医療が提供できるよう改善を図ってきました。
特に、受診が近づく数ヶ月前からは、医師をはじめとする全スタッフが睡眠時間を削って議論を重ねて、現在の形を造り出しました。
2日間にわたる厳しい審査を経て、最後の講評では、サーべイヤー(県外有名病院の院長や副院長、看護部長、事務長など)から
「開院から2年で、よくここまで整備されていることに感動した。」
「すべて適切である!」
「統合という大変な難局を乗り越え、どのように成功させたのか教えて欲しい。」との言葉をいただき、感動の涙を流す職員も数多くいました。
たかが病院内部の地味な話題だと思われるかもしれませんが、
「佃製作所」の「ロケットバルブ」が「帝国重工」に採用され、無事ロケットの打ち上げが成功したときのような感動を覚えました。
職員が本当に一体になった瞬間だったと思います。

最後になりますが、

協働による病院づくり

あらためて、この病院は皆様との協働で成り立っていることを感じます。

  • 寒い中、玄関で車いす介助などをしてくださる100人を越すボランティアの皆様
  • 夏の暑い最中、草取りをしてくださる時ノ寿の森クラブをはじめとする皆様
  • 絵本や車イスなどを寄付してくださる皆様
  • 病院を温かく見守り、地域医療従事者を増やす活動をしてくださるf.a.n.地域医療を育む会の皆様。
  • いつも医師や看護師に温かい言葉を掛けてくださる皆様。

本当に感謝の言葉しか見当たりません。

医療提供という直接的な部分での協働は難しいかもしれませんが、医療提供を支える裏方の部分は実に多くの協働で成り立っています。

オレンジ色のジャケット、ヘルメットを被った男性らがこちらを見ている写真

肩まで伸びた雑草を刈り取っている人らの写真

車椅子寄贈式と書かれた看板の横で沢山の人らが並んでこちらを見ている写真

沢山の看護師らが椅子に座り、話をしている写真

 

将来にわたる医療の確保は、皆様とご家族の安全・安心な暮らしと幸せづくりの基礎に必ずやなるはずです。
今後も「中東遠総合医療センター」を、私たちの貴重な財産として温かく見守り、育てていただけたら素晴らしいことだと考えています。

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