総合トップ記事第592回 毎日の通勤途上で思うこと・・

第592回 毎日の通勤途上で思うこと・・

2016年3月18日更新

掛川市南消防署長 松井 務

寒い冬もそろそろ過ぎて、いよいよ春がやってきました。
私の仕事場である南消防署での勤務は、通算で5年が過ぎようとしています。通勤手段としては、雨模様や極寒の日を除いてはオートバイで通っていることが多いです。その道中で発見したこと、勤務地内での心の中にある遠い昔の思い出も書いてみたいと思います。

通勤に自宅から片道約15キロメートルの道のりですが、四季折々の景色を楽しみながら風を切って通っています。時には、仕事がら管轄地内の建物や地理の把握にも努めています。春先では、城東中学校東側の桜並木街道は格別で、花見を楽しみながらの走行で気分も爽快となります。また、イチゴやミカンや地元新鮮野菜の無人販売所も楽しみです。
稲刈りのシーズンでは、土方小学校前の田んぼに見る「案山子」も楽しみの一つで、今年はどんなキャラクターの人形が登場するのかと毎年興味をそそられます。
何気なく通う道すがらに、富士山の絶景ビューポイント(?)も見つけました。皆さんも気づいているとは思いますが・・場所は、下土方と大坂の境あたりで特別養護老人ホーム大東苑の東側県道上り坂の頂上付近で見ることが出来ます。

山の上り坂の頂上付近に現れる富士山の写真

“香り”も色々と季節ごとに走行中に漂ってきます。新緑の頃には、茶工場から新茶の甘い香りや、時には近くの工場からか香辛料の匂い等で芳香浴しながらの走行となります。

勤務地を管轄している大東・大須賀区域は、市歌の歌詞にもあるように浜風(はま)のまちであり、伝統文化を伝う街道のまちであります。私は、昔ながらの息吹が感じられる遠州横須賀街道の文化を伝う格子の町並みがとても好きで、毎年10月下旬に開催される『遠州横須賀街道ちっちゃな文化展』を楽しみにしていて、毎回、期間の終日まで足を運んで街道の散策を楽しんでいます。

大東区域では、特に脳裏に焼き付いているのが国安海岸での海水浴の思い出です。毎年、夏休みになれば、潮水を浴びて風邪を引かない丈夫な体になるようにと、よく親父に連れて行ってもらったものでした。掛川駅前からバスで大坂経由にて国安橋で降り、そこから永遠と続くガタガタ道の土手を約2キロ先の国安海岸まで歩いたものでした。土手沿いの畑では、当時、タバコの葉が栽培されていて、畑一面に大きな葉っぱが夏の日差しを浴びて揺らいでいた景色が思い出されます。道端にはバッタがたくさん飛び回っていたし、時には近くで農作業中の人からスイカを頂いて食べたこともありました。子供の頃の懐かしい思い出です。当時は、まだ軽便鉄道の鉄橋が菊川に架かっていました。今になって、軽便鉄道駿遠線の歴史に興味を持つようになり「見て歩き」してみようと、毎年開かれる『だいとう・おおすか軽便ロマンウォーク18キロメートルコース』に参加して、昔の路線や駅の在処を探って軽便鉄道の歴史に思いを馳せています。

また、たまに希望の丘にも寄って「希望の丘百本桜献木事業」で寄贈した桜の木の成長ぶりを見て帰ることもあります。
これらの見る物や香りで、帰宅する頃には疲れた心の「こり」もほぐれ、今日一日の無事に感謝をして家に入ります。いつも心に留めて自分に言い聞かせている言葉があります。それは、『苦しい 疲れた もうやめた では 人の命は 救えない!』と言うことです。
これからの春先が全国的にも1年で最も火災の多い時期となりますので、火の元には十分に気を付けてお過ごし下さい。

青い空と穏やかな水面、国安海岸まで続く土手道の写真
国安海岸まで歩いた土手

夕日に赤く染まる空と海と鳥居の写真
国安海岸での日の出

 

このページと
関連性の高いページ