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第614回 「今思う!少年野球のあり方」

2016年7月29日更新

掛川市お茶振興課長 大井 敏行

市役所に入庁し、29年が経過しようとしています。早いものでそろそろ、退職に向けたカウントダウンが始まっているんだなと感じている今日この頃です。
今回は、寸感ホットページという良い機会をいただきましたので、最近、私が感じていることを思うがままに書いてみたいと思います。

私の人生を振り返る上で絶対欠かせないのは「野球」です。父の影響もあり、小学校4年生から野球を始め、中学、高校、大学、社会人、少年野球指導と今振り返ると野球とともに歩んできた人生と言っても過言でありません。また、自分の長男にも親バカではありますが、年を重ねても共通の話題を持ちたいという願いもあり、子どもがボールで遊んでいると「ボールは投げるものであって決して蹴るものではない」なんて、語ったことが思い浮かびます。その甲斐あってか、長男も小学校、中学校、高校、大学と野球に打ち込んでくれており、ある意味、レールを敷いてしまったかなと反省もしております。しかし、長男も大学4年になり、自分の進路を決めるのに高校の先生になって、野球の指導者の道を進みたいと言って来たときには、少し、「ほっと」した感がありました。そして、これからは「子どもの目線に合わせて、指導したい」と言ってきた時は、やはり、こいつは俺の子だな!と確信したとともに、良い指導者になってほしいとも願っています。

私の話に戻しますが、私も長男が小学校2年生から少年野球に携わるようになり、指導者として15年目になりました。月日の経つのは早いもので、その間、コーチ12年、監督としては3年目を迎えました。今振り返ると野球の指導方法も随分変わったなあと思います。私の小さい頃は、今だから言えますが「先輩からの説教」「殴る」「蹴る」「罵声」は当たり前の時代に育ちました。今、この時代にこの指導方法では、ついてくる子どもは一人もいないと思います。また、私の頃はスポーツ少年団に入るのにも試験があって、選抜された人しか入団は許可されませんでした。ところが、最近は、少子化の影響とスポーツをするのに選択肢が広がったことなど、どこの野球少年団も人手不足に悩んでいます。昔はキャッチボールが出来て入団するのは当たり前だったんですが、今は人集めが先決ですから、野球のルールを知らない子どももたくさん入ってきます。

指導方法は、当然、投げ方、取り方、バットの振り方の基本の所から始まりますので、非常に時間がかかります。但し、ここを根気よく教えるチームが将来、強くなるチームだと私は信じています。また、根気良く教えた子どもが将来、中学、高校で活躍してくれると大変、励みにもなります。

私の指導方針は、上から目線ではなく、いつも子どもと目線を合わせ、会話を大切にすることと、褒めて育てる事をモットーにしています。(当然、たまには叱る事もありますが・・・)良いところはどんどん伸ばし、まずは野球が好きになってもらうことが大切と考えています。その上で褒めることによって、自分に自信が持て、前向きに明るい子どもとなり、挑戦力が増し、積極的になれると信じています。少年野球を強くすることもある意味大切ですが、長い目で見て、結果だけを求めるのでなく、過程を大切にしたいとも考えています。野球を通じて学んだことが私生活、学校生活に役に立ち、ゆくゆくは世の中の役に立つ人間形成ができればと願い、週末は、自分でも良く頑張るなあと思いますが、400球のバッティングピッチャーと1時間以上のノックに励み、少年野球に明け暮れています。

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