掛川市こども政策課長 山﨑浩
子育て支援や待機児童に関する記事は、毎日のように新聞に掲載されています。政府も次々と対策を打ち出し、次代を担っていく子どもたちをどう育てていくか、保護者をどう支えていくかは、国家的な大きな課題となっています。
県内の各市町もそれぞれ独自の子育て支援策に取り組んでいます。県がとりまとめた「ふじのくに少子化突破戦略の羅針盤」（ふじのくに少子化突破戦略事業（出生率の要因分析））には、地域の特性や施策の実施状況など合計特殊出生率に影響を与える要因（2人目、3人目の出生行動に至るための要因を含む）を把握・分析した結果が掲載されていますので、関心のある方は上記アドレスからご覧ください。
掛川市では、世代間交流や育児ノウハウの伝承、家庭での子育て力向上を目指して、「親・子・孫」を基本とする三世代家族が新たに同居をするための増改築等の費用の一部を助成する「ゆったり子育て三世代同居応援事業」や、相談員が家庭訪問して子育ての悩みや不安を傾聴し、助言や紹介等を行う「子育てコンシェルジュ事業」のほか、「子育て協働モデル事業」などの事業を実施しています。今回は、この「子育て協働モデル事業」について、ご紹介します。
この「子育て協働モデル事業」は、市民団体や企業など、多様な団体がそれぞれの知識や能力を生かして実施する先駆的な少子化対策事業や子育て支援事業を支援し、その事業を広く情報公開していくことで、他団体への普及啓発を図り、積極的に子育て支援する社会の構築を推進していくことを目的とするものです。今年度は、次の3分野について、企画提案を募り事業を実施しています。
1「出会い・結婚支援分野」
子育て支援とともに、市民からの要望も多い、出会いや結婚支援で、若者が結婚に関する意識を高めたり、出会いの場を創出する事業を行うものです。今年度実施する事業は「ラブ＆リアンプロジェクト第2弾 男子力＆女子力UP チェンジ＆チャレンジからマリッジへ」です。9月から2月まで全6回の体験型、参加型の会で、市内各所を巡りながら、相手をよく知るきっかけ作りや自分磨きのセミナーを行うものです。またスタッフとして、企画運営に携わることもでき、その体験を通じて、相手への理解を深めたり、市民協働や市民活動に対する認識を深めてもらうことも特徴となっています。参加を希望する方は、添付のチラシをご覧ください。
2「子育て協働モデル分野」
家庭の子育て力向上、子育てと仕事の両立、地域（民間）が主体となった子育て支援をテーマに事業を募集しています。今年度実施する事業は、「気になる子のポジティブ子育て講座」です。子育てに難しさを感じる保護者の方が、お子さんの「行動」の客観的な理解の仕方を学び、楽しく子育てに臨む自信を身に付けることを目的とした全6回の研修会で、11月から2月にかけて開催されます。また、同じような悩みを抱える保護者との出会いや交流を通じて、仲間作りも期待されています。参加方法等の詳細が決まりましたら、市ホームページに掲載する予定です。
また、もう1件この分野で審査中の企画提案がありますので、実施が決定しましたら、こちらもホームページで紹介します。
3「地縁的団体分野」
自治会やまちづくり協議会等の地縁的団体が主体となり、地域のニーズに合った子育て支援に新たに取り組む企画です。子育てしやすい地域づくりは、地域の活力を維持向上していく上でも大きなテーマと思いますので、地域が主体となった子育て支援策を応援していきます。
現段階で、3地縁的団体分野には、応募枠に空きがありますので、何かやってみたいと思う方は、積極的な企画提案をお願いいたします。募集期間は8月31日までとなっていますが、随時受付する予定です。詳細は、下記アドレスからご覧ください。
この「子育て協働モデル事業」は、市民団体や企業など主体となる団体のノウハウを活かし、掛川市が実施を後押しをする市民協働による事業です。昨年度も「結婚前のスキルアップ応援セミナー」、「時ノ寿あそびの森」、「発達凸凹サポートブックづくり」、「掛川わくわく文庫」、「地元で職業体験 親子で楽しく流通を学ぼう」、「ママバトン」の5つの事業を実施しました。内容も婚活・自分磨き、森林資源を活かした教育、発達に関する支援、絵本や書籍のリユース、職業体験、育児用品等の物々交換会と多岐にわたりました。行政だけでは実施できなかったり、難しいと思われる事業で、実施いただいた団体の皆さんの思いや熱意が成功につながったものと思います。
掛川市では、保育園や幼稚園、認定こども園等の施設の建設だけでなく、様々な施策を展開しています。この少子化社会を乗り越えていくためには、市、各種団体、地域等まさに市民が総ぐるみとなって取り組んでいくことが必要です。市民の皆様のご理解とご協力、積極的なご参加をお願いいたします。
