掛川市土木課長 杉山邦雄
はじめに
去る7月5日(火曜日)に、平成24年度から十九首・小鷹町地内で進めてきました幹線道路の整備工事が完成し、道路の供用を開始しました。この道路は、都市計画道路「葛川下俣線」で、昭和54年に街路事業として着手され、それから37年の年月を要して、最後の未整備区間の工事が完成したものです。多くの方々のご協力などにより実を結んだ本事業の概要を紹介致します。
葛川下俣線の概要
都市計画道路「葛川下俣線」は、掛川市葛川を起点に十九首・小鷹町に至る延長約2.3キロメートル、幅員16メートルの道路として昭和36年に都市計画決定されました。
ルートは概ね旧東海道に沿い、旧掛川市の中心部を端から端まで直線状に結び、掛川宿の表町として栄えた中心市街地の賑わいを取り戻す機能が期待されています。
当都市計画道路は、旧東海道沿いの住家連坦地区内の道路であったことから、数多くの地権者の方々の御理解と御協力の下、事業着手から37年後となる平成28年7月に全線が完成いたしました。
下の写真のとおり、昭和50年代以降、市街地が急速に拡大し、中心部の居住人口も大幅に増加したことから、今後、中心市街地活性化に葛川下俣線が大きく寄与するものと期待されます。
これまでの事業の経緯
昭和54年より、県施行の街路事業により整備に着手し、中心部は市施行の土地区画整理事業により整備が進められ、最終工区となった十九首・小鷹町工区については、街路の整備と沿道の街づくりをセットにして進める沿道整備街路事業を利用するなど、県と市が一体となって整備しました。
- 区間番号1、延長189メートル、事業名 沿道整備街路事業、事業者 県、市
- 区間番号2、延長160メートル、事業名 県单独街路整備事業、事業者 県
- 区間番号3、延長535メートル、事業名 県单独街路整備事業、事業者 県
- 区間番号4、延長 810メートル、事業名 市駅北土地区画整理事業 、事業者 市
- 区間番号5、延長155メートル、事業名 市街路交付金事業、事業者 市
- 区間番号6、延長306メートル、事業名 県单独街路整備事業、事業者 県
- 区間番号7、延長154メートル、事業名 県单独街路整備事業、事業者 県
- 区間 番号1、事業期間 平成24年から 平成28年まで
- 区間 番号2、事業期間 昭和57年から昭和61年まで
- 区間 番号3、事業期間 昭和54年から昭和58 年まで
- 区間 番号4、事業期間 昭和59年から平成10 年まで
- 区間 番号5、事業期間 平成18年から 平成21年まで
- 区間 番号6、事業期間 昭和63年から平成7年まで
- 区間 番号7、事業期間 昭和61年から平成2 年まで
道路の位置と写真(航空)でみる今昔
今回の事業手法の概要
事業名 | 都市計画道路、葛川下俣線、沿道整備街路事業 |
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事業主体 | 静岡県 |
工区名 | 掛川市十九首・小鷹町 |
全体延長 | 189メートル |
総事業費 | 約5.4億円 |
事業期間 | 平成24年度から平成28年度 |
設計速度 | 時速40キロメートル |
標準幅員 | 16.0メートル(車道9.0メートル、歩道3.5メートル×(かける)2) |
計画平面図
標準断面図
事業名 | 都市計画道路、葛川下俣線、沿道整備街路事業 |
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事業主体 | 掛川市(法第3条第1項) |
施行地区 | 掛川市十九首・小鷹町 0.52ヘクタール |
総事業費 | 約4.3億円 |
事業期間 | 平成24年度から平成28年度 |
権利者数 | 33人(抵当権者含む、事業認可時) |
着手前・完成の写真
東側から西側を望む
着手前
完成
西側から東側を望む
着手前
完成
おわりに
今回採用された事業手法の沿道整備街路事業は、全国的にあまり施行事例がないなか、掛川市では平成16年度から23年度にかけて実施された二瀬川地区沿道整備街路事業に続いて、事業の取り組みが行われました。
この事業の特徴は、用地買収方式の街路事業のように道路の整備のみを行うのではなく、直接用地買収と敷地単位の土地区画整理の組み合わせによって道路用地を生み出すとともに、併せて整備後の沿道の敷地を整序し、宅地や商業地として画地の適切な土地利用を図る事業という点が挙げられます。
個人的な感想ですが、報徳運動にある三つの柱、『勤労』、『分度』、『推譲』という言葉で表される文化や気質が根付く掛川にとって相性の良い事業といえるかもしれません。
過去に私自身もこの路線の一部区間の街路事業に、一担当者として取り組んできた経緯がありましたので、今回の全線開通に際し、巡り合わせの縁を感じると同時にほんの少しばかり誇らしい気がしています。
結びに、これまでこの事業にご尽力いただいた数多くの方々に謹んで敬意を表すとともに、深く感謝の意を申し上げたいと思います。