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第629回 「頭なでなで ハイタッチ 時にはぎゅっと」

2016年10月21日更新

掛川市こども希望課長 松下きみ子

ガラガラを片手に持ち、ハイハイしている赤ちゃんのイラスト

小太鼓をたたいている男の子の画像

「リオオリンピックの女子マラソン優勝者ケニアのジェミマ・スムゴング選手は、31歳の1児のママです。ママになってから、記録を伸ばしてきたことが話題になり、その強さの秘密が愛情ホルモンの「オキシトシン」にあることが分かりました。」という記事を見ました。

女性市民ランナー120人にアンケートからも「あなたはフルマラソン後、お子さんと過ごすのと過ごさないのと、どちらがリカバリー(身体の回復)がいいと感じますか?」という問いに、「子供と過ごすととても良い、どちらでもない、まったく関係ない」の三択で答えてもらった結果、118人が「とても良い」と答えました。子供と過ごすことにより、疲れが取れるという答えが圧倒的だったとも報告がありました。
オキシトシンは、筋肉の回復を早める効果があります。柔道の柔(やわら)ちゃんもママになって金メダルをとりました。卓球の水谷選手や体操の内村選手もパパですから、お子さんを抱くことにより、オキシトシンが分泌されたことが、強さの秘密だったのかもとも思います。

さらに、オキシトシンは「愛情ホルモン」「絆ホルモン」とも言われ、注目を浴びていますが、抱きしめられたり、撫でられると分泌し、抱きしめたり、撫でた人も同様に分泌され心の安定が図られます。男性も分泌されますが、女性の方が分泌しやすいようです。
オキシトシンは、脳の奥深くにあり、両目の奥のあたりにある下垂体というところから分泌され、わずか9個のアミノ酸からできているとても単純な構造のホルモンです。やさしさを感じた時に分泌され、私たちに「愛」を感じさせます。愛にもさまざまな種類がありますが、オキシトシンは赤ちゃんのようなかわいらしいものを抱きしめると分泌が増します。ペットや人形でもいいし、本を読んでやさしい気持ちになっても出てくる母親的な、女性的なホルモンという人もいます。

昔は、だっこやおんぶをしていつも子どもを近くにおいておきました。子どもと川の字になって寝たり、母が抱けないときは、祖母や近所の人がお世話をした伝統的なべったり育児をしていました。
しかし、欧米から入ってきた、泣いても抱いてはいけない、放置しておくことで自立を促す育児により「そんなに甘やかすと、将来甘えん坊になるよ」「手がかかる子になるよ」「わがままな子に育つ」という声を聞いた人もたくさんいます。
この考え方が否定されたのが、20世紀半ば以降で、たくさん抱っこされたり、親(養育者)からいろいろなお世話を受け、十分なスキンシップによって得た安心感が、自立の基礎になるというものです。

そこで、提案です。
「頭なでなで ハイタッチ そして時にはぎゅっと(抱く)」により、子どもとの愛着関係を育て、オキシトシンを分泌させ、精神的な安定を図り、愛を感じる人が多いまちにしたいと考えています。「優しいね」と言われるお子さんは、幼い時優しくしてもらった経験がたくさんある場合が多く、特にたくさん「なでなで」や「だっこ」してもらったお子さんは、成長した時に同じ事を他の人やご自身のお子さんにするでしょう。
子ども達を今見ていると、愛着関係をもっと もっと育てる必要があると感じます。

そして、恋人や夫婦、仲間の間で、手をつなぐ、マッサージなどのスキンシップにより、心地よい関係づくりをしたいものです。

公共広告機構(AC)のメッセージです。

縦笛を吹いている女の子のイラスト

子どもの頃に抱きしめられた記憶は、ひとのこころの、奥のほうに、大切な場所にずっと残っていく。

そうして、その記憶は、優しさや思いやりの大切さを教えてくれたり、
ひとりぼっちじゃないんだって思わせてくれたり、
そこから先は行っちゃいけないよって止めてくれたり、
死んじゃいたいくらい切ないときに支えてくれたりする。

子どもをもっと抱きしめてあげてください。
ちっちゃなこころは、いつも手をのばしています。
すくすくジャパンより

 

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