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第636回 生涯お達者市民を目指して、健康づくりに取り組もう!!

2016年12月2日更新

掛川市保健予防課長 榛葉貴昭

みなさん、充実した人生を送るためには健康が基本だということはよく御存知ですよね。
健康で長生きし、いきいきと充実した人生を送りたい、という思いは全ての人の共通の願いだと思います。
昨今は、テレビで数多くの健康番組を放送しており、皆さんの健康への関心の高さがうかがわれます。
そこで今回、掛川市民の健康づくりを担当し、私が勤務する保健予防課の仕事と健康づくりについて紹介させていただきます。

皆さんは、保健予防課ってどんな仕事をしているか御存知ですか?女性の方なら母子健康手帳や乳幼児健診で行ったことがある、という方が多いのではないでしょうか。
保健予防課には、上述の母子保健の係をはじめ、健康企画係、成人保健係、特定健診係と、4つの係があり、総勢36人(含非常勤職員)で、保健師18人、栄養士4人、助産師と歯科衛生士が1人ずつおります。

母子保健係は、その名の通り母親と乳幼児を担当しています。母子健康手帳の交付にはじまり、妊婦健診、パパママセミナーなど出産の準備を支援します。出産後は、4ヶ月・6ヶ月・10ヶ月・1歳6ヶ月・2歳2ヶ月・3歳と、乳幼児健診を行い、子どもの発育状況とお母さんの健康状況を確認していきます。この健診の中で、発達に課題のある子どもや家庭環境に問題がありそうなケースを見つけた場合は、家庭訪問や療育教室などにより個別の支援を始めます。母子保健係は、子育て世代包括支援センターの役割も担い、安心して子どもを産み育てることができるよう、妊娠期から子育て期にわたる様々なニーズに対し、切れ目ない支援を提供しています。また、これらの活動は、市内5箇所にある「ふくしあ」との連携により推進しております。

次に、健康企画係は、市の健康づくりに関する基本計画である「健康増進計画」や「食育推進計画」を策定したり、昨年度から取り組んでいる「掛川生涯お達者市民推進プロジェクト」を担当しています。また、母子係と連携して、麻しん、風疹、日本脳炎、BCG、4種混合など乳幼児の予防接種や、高齢者肺炎球菌の予防接種、不妊治療費助成金の交付、未熟児養育医療費の給付も行っています。

次に、成人保健係は、青年・壮年期の働き盛り世代と高齢期に対する健康づくりを受け持っています。主な事業は、肺がん・胃がん・大腸がん・乳がん・子宮がん・前立腺がんのがん検診と、骨粗鬆症・肝炎ウイルス・歯周疾患の検診です。我が国では3人に1人ががんで亡くなっており、日本人の死因のトップです。検診によってがんの早期発見、早期治療を推進し、昨年度は23人の方のがんが発見されました。ちなみに、近年の静岡県のがんの傾向は、男性は、肺、大腸、胃の順番で多く、女性は、乳房、大腸、肺の順番で多くなっています。
また、検診と同じくらい重要なことが、市民自らが取り組む健康づくり活動です。成人保健係は、市内32地区にいる保健委員さんや152人いる健康づくり食生活推進協議会の会員さんたちとともに、健康体操や健康講座、食育講座を開催したり、小中学校、高校から招かれて生活習慣病予防講座や食育講座など、成長期に必要な保健知識の普及に取り組んでいます。

最後に特定健診係です。特定健診係は、国民健康保険に加入している市民の健康づくりを推進しています。メタボリックシンドロームに着目した特定検診を担当し、生活習慣病の予防に取り組んでいます。特定健診で保健指導が必要とされた方には、運動教室を開催し、健康づくりを支援しています。また、昨年度から国の支援を受けて、本市の医療費データを分析し、疾病予防のための効果的な手法を研究し、今年度から取り組みを始めています。これらのことにより、市民の健康増進と国民健康保険会計の負担軽減を図っています。

いかがでしょうか、当課が、市民の皆様全世代の健康づくりに関わりを持っていることがおわかりいただけたでしょうか?
さて、長々と保健予防課のことをお話しさせてもらいましたが、これらの事業はすべて、「市民が健康でいきいきと長生きしていただく」ための取り組みで、地道にねばり強く取り組む必要があり、また、成果が現れるまでには長い期間を必要とします。

本市は昨年から、健康長寿市民が大勢いるまちづくりをさらに強力に推進するため、かけがわ「生涯お達者市民」推進プロジェクト」を立ち上げました。
これは、健康寿命に係る指標である静岡県の「お達者度」が発表され、本市が、男性11位、女性26位という結果であったことから、市民のお達者度をもっと上げたいということから始まりました。(お達者度とは、静岡県独自の指標で、65歳からの平均自立期間(要介護度1以下)をいいます。)

昨年度、プロジェクト推進計画を策定し、市民の健康に関する現状分析と課題抽出を行い、今後5年間の目標値や重点施策等を示しました。
様々なデータを基にした現状分析では、掛川市民は、がんによる死亡の割合は低いが、糖尿病、心筋梗塞、狭心症などの生活習慣に関係する疾病の割合が高く、運動不足気味であるということがわかりました。それらの現状から、いくつかの課題も整理されました。それは、糖尿病などの生活習慣病の予防、脳血管疾患の予防と早期発見のための検診受診率の向上、食事や運動など生活習慣の改善、高齢者の社会参加や地域社会との繋がりの必要性などです。

課題克服のために新たな取り組みも計画いたしました。本年度は既に、健康に関する心がけなどを市民から募集する「かけがわ生涯お達者市民宣言」や、ウオーキング啓発グッズの配布、市内15箇所の公共施設への血圧計と握力計の設置、野菜たっぷりのメニューがある飲食店を認定する「かけがわ健康応援店」認定事業、社員の健康に配慮した経営に取り組む企業を認定する「かけがわ健康づくり実践事業所」認定事業などに取り組んでおります。今後さらに様々な事業に取り組んでいく予定です。

本市は、平成28年4月から「掛川市健康医療基本条例」が施行され、健康長寿社会の形成と地域医療体制の確立を図ろうとしています。また、「協働によるまちづくり推進条例」に基づき、市内全域で市民協働による新たなまちづくりを始めました。そのため、プロジェクト推進にあたっては、多くの担い手と協働し、市民総ぐるみで施策を展開していきます。

皆さんも今日からご自分の健康を見直し、手軽に始められるウオーキングなどの健康づくりに取り組んでみてはいかがですか。当課が掲げる健康長寿の4要素は、「食事」、「運動」、「睡眠」、「社会参加」です。健康づくりは幸せづくり、目指せ生涯お達者市民!!

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