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第667回 三つの宝

2017年6月20日更新

掛川市教育部長 笹本 厚

教育において宝といえば、誰もが真っ先に「子ども」を思い浮かべるでしょう。
では、掛川市教育委員会における取り組みの三つの宝をご存じでしょうか?
それは、市民総ぐるみによる教育の振興に努めるための「かけがわ教育の日」、「中学校区学園化構想」、「かけがわお茶の間宣言」です。

1つめの「かけがわ教育の日」については、平成19年度より毎年11月に継続開催し、市民一人一人が教育の大切さを理解し、それぞれの立場でかかわるとともに、学校、家庭及び地域の人々などが強い絆と深い信頼で結ばれ、市民総ぐるみで教育の振興を図る契機としてきました。
昨年は、ノーベル物理学賞受賞者の名古屋大学天野浩教授による基調講演の他、映像とシンセサイザーを駆使した読み聞かせ、かけがわお茶の間宣言の表彰、市民栄誉賞の贈呈、子ども議会の体験発表、市町対抗駅伝の壮行会など非常に盛りだくさんの内容で、参加者も900名を超え、大盛況でした。
本年は11月18日にシオーネで開催予定です。昨年同様多くのプログラムを考えておりますので是非ご参加ください。

第10回かけがわ教育の日が行われた会場の様子をひとまとめにしたもの

平成28年度 第10回かけがわ教育の日

こころざしと学ぶ意欲を育てる人づくり
子どもたちの未来のために今私たちができること

平成28年11月19日(土)掛川市生涯学習センターにて、「第10回かけがわ教育の日」が開催され、およそ900人の市民が参加しました。

オープニングアトラクションの様子(画像あり)

読み聞かせボランティア団体「なないろ び~んず」の皆様により「りゅうのめのなみだ」の読み聞かせを行っていただきました。プロジェクターによる映像とシンセサイザー等の音響を駆使した読み聞かせで、来場者はりゅうの悲しみや喜びに心を動かされました。

「かけがわお茶の間宣言」表彰の様子(画像あり)

9,236作品の応募作品の中から選ばれた優秀作品(12人)の表彰を行いました。 受賞者による作品の朗読は、様々なお茶の間の風景を感じさせ、参加者の心を温めました。

「掛川市市民栄誉賞贈呈」の様子(画像あり)

松井三郎市長より重要無形文化財保持者(人間国宝)の大角幸枝氏へ市民栄誉賞が贈呈され、その栄誉を会場全体で祝いました。

実践発表の様子(画像あり)

実践発表の『「かけがわ子ども議会」を体験して』では、今年の8月に実施した「かけがわ 子ども議会」で議長・副議長を務めた中学生が、子ども議会での発言や子ども議会を体験して感じたことを発表しました。中学生の真剣な思いを感じることができました。

「市町対抗駅伝出場者の壮行会」の様子(画像あり)

「市町対抗駅伝」の選手の紹介やキャプテンからの熱い決意が語られました。
後日の大会では、市民みんなの応援により、昨年大会より7位順位を上げ、市の部27 チーム中17位となり、敢闘賞も受賞することができました。

天野教授による基調講演の様子(画像あり)

2014年ノーベル物理学賞受賞者の天野浩名
古屋大学教授に「子どもたちの未来のために今私たちができること」という演題で御講演をいただきました。
天野教授の御講演の中には「熱中力」、「勉強することは人の役に立つためにやるもの」、「挑戦・自立・貢献」等、未来を担う子どもたちやそれを支える大人の役割を気づかせていただける言葉がたくさんありました。
また、天野教授のユーモアのある語りで、会場は常に笑いが絶えなく、楽しい雰囲気に包まれていました。

「かけがわお茶の間宣言」の様子(画像あり)

天野教授が市長とともに「かけがわお茶の間宣言」の前文を朗読してくださり、 最後に教育長の「子育て・人づくりは~」の掛け声に、会場全員で「お茶の間か ら」と唱和しました。今年度は新たな「お茶の間宣言」が作成されたこともあり、参加者全員で「お茶の間」の重要性を共有し、「第10回かけがわ教育の日」を閉会しました。

  • 主催「かけがわ教育の日」実行委員会・掛川市・掛川市教育委員会
  • 「協力「かけがわ教育の日」協力団体協議会

2つめの「中学校区学園化構想」については、市内に9つある中学校区を「学園」と呼び、平成25年度、各学園に子ども育成支援協議会を立ち上げました。そして、各学園内の保育園、幼稚園、幼保園、認定こども園、小学校、中学校が連携を強化し、子どもの発達段階に応じた一貫性のある教育の推進と、地域連携による園・学校を支援する活動や地域の子どもたちを健やかに育むための活動を通して、学園( 地域) に根ざした教育活動を推進する取組を行ってきました。そして、本年2月には、これを1歩進めるよう、「中学校区学園化構想第2ステージ検討委員会」から実現に向けた手立てが提案されました。
掛川市教育委員会としても、子どもたちの未来のために何をすべきか、何ができるのかという視点に立って定めた「教育大綱かけがわ」における目指す姿

教育大綱かけがわにおける目指す姿5つ

  • 変化の激しい社会で生き抜く力を備えているひと
  • 多様な人々を結び、地域でもグローバルにも活躍できるひと
  • 高い目標を持ち、新たな価値の創造にチャレンジするひと
  • 自律する心を持ち、他者の考えや痛みに共感できるひと
  • 豊かな心や健やかな体に高めていくひと

の実現に向けて、中学校区学園化構想を生かしながら、各学園が地域と共に目指す子ども像を設定・共有し、その実現を図るため、9年間を見通したかけがわ型の小中一貫カリキュラムを編成して、系統性のある教育を推進することが必要と考えており、この報告書を受け、小中一貫教育を推進する基本方針案を作成しました。

その基本方針案については、以下のとおりです。

  1. 小中一貫教育を中心とした新たな学校づくりは、掛川市の特色である中学校区学園化構想を生かして、学園ごとの枠組みを基本に進める。
  2. 全学園において、9 年間を見通したかけがわ型の小中一貫カリキュラムを編成した教育を行い、市全体で質の高い教育を推進する。
  3. 小中一貫教育の充実を図るために、地域の教育力向上の推進、地域が主体となって教育に参画できる仕組みを構築する。
  4. 新たな学校づくりの在り方について、学園ごとに、地域代表、園・学校の保護者、学校関係、教育委員会、市長部局、外部有識者等を含めた会で検討する。
  5. 子ども育成支援協議会やまちづくり協議会など、子どもの成長に関係する地域団体と共に、望ましい教育環境づくりを進める。
  6. 小中一貫教育校の施設の在り方や種類等については、児童生徒数の推移や地域の意見及び地域の実情を踏まえた上で適切なものを選択する。
  7. 各学園の枠組みを維持しつつ、可能な限り一学年に複数の学級が設置されるよう対策を講じる。
  8. 新たな学校施設の在り方として、教育施設やその他公共施設の複合化・多機能化も視野に入れて地域の施設整備を構想する。

基本方針決定後、本年度から3 年をかけ、原野谷学園及び城東学園において小中一貫教育の研究を進めていく予定です。

掛川市中学校区学園化構想の様子を各学園ごとにまとめ一覧にしたもの

掛川市中学校区学園化構想

学校・家庭・地域が連携して子どもを育む教育

「学校支援地域本部」 子ども育成支援協議会

保幼小中一貫教育

保幼小中一貫研修会
幼小・小中交流

園・学校支援 ボランティア

平成27年 のべ100.421名・のべ11,335日

栄川学園

じっくり考え表現できる子 ~人と関わり、自分を深める~

桜が丘学園

「やる」「やさしさ」「たくましさ」を持っ子

城東学園

報徳の心をうけつぎ、城東が大好きな子どもの育成

掛東学園

やさしさ りりしさ 郷土愛

原野谷学園

夢を抱き りりしく夢む 原野谷っこ

大浜学園

ともに高め合い 夢にむかってがんばる子

掛西学園

自分で判断ができ、思いやりの心をもった掛西学園の子

冀北学園

ふるさとを愛し 未来へはばたく子

若つつじ学園

みんなで育てよう! 大須賀っ子学校区

市民総ぐるみで子どもを育てましょう!

「かけがわ学園放送(掛川市ホームページ)」からの各学園活動を発信中

3つめの「かけがわお茶の間宣言」については、人づくりの土台である家庭において、家族が集う「お茶の間」の役割を再確認し、家族の団らんから、豊かな広がりのある人づくりにつなげ、市民総ぐるみで教育の振興を図る契機とするため、平成25年度に各家庭のお茶の間宣言を募集し、成人式の日に宣言しました。
昨年は第2弾として、「お茶の間」で育む人づくりをさらに広げていきたいという思いから、「子どもたちの未来のために今私たちができること」をサブテーマに再び「かけがわお茶の間宣言」を募集しました。
40字以内の文字でつづられた「お茶の間宣言」は、「家族への感謝の気持ちを表すもの」、「お茶の間での一場面をユーモアたっぷりに表現したもの」、「家族同士の信頼関係が強く感じられるもの」等、様々な家族の様々な「お茶の間」の風景をイメージできるものでした。
平成28年度の優秀作品をイラストと共に紹介する「かけがわお茶の間宣言カレンダー」(大容量10MB)が、かけがわお茶の間宣言からダウンロードできますので、是非ご活用ください。
「かけがわお茶の間宣言」作品が、各ご家庭での「お茶の間」づくりにきっかけとなり、にぎやかで、こころざしを育てる「お茶の間」が広がっていくことを期待しています。

かけがわお茶の間宣言の第2弾(12作品)の紹介を兼ねたかけがわお茶の間宣言のチラシ

かけがわお茶の間宣言

子どもたちの未来のために 今私たちができること

  • 「お茶の間」は、新しい言葉を知る私の小さな国語のじゅ業。
  • 家族がわかる野球の話。ぼくのエラーを家族は楽しく「ヒット」にかえる。
  • しょうぎやろう、竹ぶえ作ろう、ナイフでえん筆けずるのもじいじが教えてくれたんだ。
  • 兄弟でチャンネルい合っての夕ご飯。だけどけっきょく父の一言「ニュースにしろ」
  • あのね、あのね、おはなししたい!ことがたくさんあるよ。ぱぱままねえねじゅんびOK!?
  • ぼく3さい。ぼくがわらえばかぞくもえがお。
  • 「お茶の間」は、家族と一緒で楽しさ2倍悲しさ半分
  • インターネットを使わずにおじいちゃんおばあちゃんに聞いてみよう!
  • 家に着いて玄関をあける。「ただいま。今日ね...」とさっそく近況報告発表会。
  • 弟とけんかはするけれど、だいすきだ。こんどこそやさしくするぞ、でもけんか。
  • みんなが笑うと私も笑う。私が笑うとみんなも笑う。笑顔でつながるコミュニケーション。
  • お茶の間で 心豊かな子に育ち 親となりて 子を育て改めて知る親の深い愛

市民から集めたお茶の間宣言 第2弾(12点) 平成28年11月19日

人づくりの土台は、「お茶の間」にあります。誕生から、子育てやしつけなど、人としての在り方を「お茶の間」で学ぶところから出発します。そして、学校や地域、社会に出て、多くの人とのかかわりから学び、また「お茶の間」に戻って安らぎやこころざしが生まれていきます。「お茶の間」は家族が集い、語り、学び、伝え、そして育むところ。お茶どころ掛川に住んでいる私たちは、「お茶の間」を今こそ」にぎやかにして、家族の団らんから生まれる財産をもとに、豊かな広がりのある人づくり」につなげていきます。
ここに私たちは、我が家の「お茶の間」づくりを広げていくことを宣言します。
平成26年1月12日宣言

掛川市教育委員会

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