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第684回 「身近に名所?」

2017年9月12日更新

掛川市南部行政事務局長 太田英之

自宅近くを髙松川という小川が流れている。水源は御前崎市 髙松地区にあるゴルフ場(静岡カントリー浜岡コース)で、西に向かって流れ、千浜小学校のグランドの真ん中を北から南に横切り、一級河川の菊川へと流れ込んでいる。
自宅近くの川べりは、私が幼少の頃は竹が鬱蒼としており、フナやドジョウ、ザリガニなどをよく捕って遊んだものだ。今はすっかり景観は変わってしまったが、地元住民にはやっぱり馴染みのある川で、5月末と9月末には地区の住民総出で土手の草刈りを行っている。

一昨年、その川べりに「掛川桜」の苗木を植えた。地区住民が一軒一本、名札をつけて植えていった。「掛川桜」というのは、ソメイヨシノよりも少し早く咲き、花色が少し濃い桜だ。最初は、枝ばかりの頼りないものだったが、やっと、遠くから見てもそれとわかるくらいには枝葉が伸びてきた。みんなも名札を付けてあるので成長を気にしているようだ。川沿いが桜色に染まるには、まだまだ時間がかかりそうだが、満開の景色を思い浮かべている時間も楽しいものだ。

誰にも季節を感じさせる景色や場所があると思う。季節感を求めて旅行に出て感じることもあるだろう。しかし、身近にそんな場所があることを見つけないままでいることもあるのではないだろうか。退職まであと1年半、と意識する年になり、「退職したら、健康のために歩こうか・・・」などと考えて周りを見てみると、観光名所とまではいかないが、なかなかの場所がある。

まず、我が氏神様である「柴山神社」。ここの「神社の森」がいい。小さい神社なので鬱蒼としているという風ではないが、外とは違う空気が流れている。息子が小学生だった頃、夏休みに虫採りに夢中になった時があったが、「柴山神社の虫は、逃がす。神様の虫だからね。」と言っていた。そう言うのもわかる気がする。夏の朝の散歩コースに入れたくなる場所だ。

次に、「千浜海岸」。毎年、正月には初日の出を拝みに行く場所だ。子どもの頃は、「すか」と呼んでいた海岸林の砂山を4つも越えていった。その頃に比べると、砂浜が小さくなり、少しさみしさを感じるが、どおんと広がる太平洋は気持ちがいい。ここも、夏のコースだ。今はそこに防災林が「掛川潮騒の杜」づくりとして進められており、楽しみだ。

そして、高松川沿い。小さな川だが、昔ながらの土手があり、道があり、ゆっくり歩くと小さな発見がありそうだ。子どもの頃、季節を感じながら遊んだ場所を思い出を拾いながら歩くのもいいんじゃないか。
何年か先、「掛川桜」が満開になっている川べりを、自分の足で散歩できるように、体力作りをしておこう。掛川桜の名所を想いながら・・・

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