掛川市市税課長 松浦伸明
今年も暑い日が続きましたが、アサガオで涼をとった方も多かったのではないでしょうか。アサガオはグリーンカーテンとして棚で育てる方が多いと思うのですが、行灯仕立てという育て方があります。小学校低学年でアサガオを育てていることを皆さんもご存じだと思いますが、あの育て方です。鉢に支柱を3、4本立てて、ツルを支柱に絡ませる仕立てです。
5月の終わりにアサガオの種をたくさん頂きました。プランターで育てるにしても種が余ってしまう。せっかく頂いた種だし、このまま捨てては種がかわいそうと思い場所を取らないミニサイズのアサガオを育てることにしました。目標とする大きさは、小学生が観察実験に使うアサガオ栽培キットより鉢や背丈がもっと小さなもの。支柱は使わず添え木程度のミニ仕立てのアサガオ。初めてなので、「枯れたらアサガオさんごめんなさい。」という気持ちで種を蒔きました。
鉢の大きさは、まちまちで、4.5号の素焼きの鉢、盆栽用の深さが浅い鉢、プラスチックの鉢など。園芸のプロに言わせれば邪道の邪道と言われるのは承知でとにかくミニにこだわっていました。普通の栽培では、株の間隔を20センチメートル程で植えますが、今回はミニということで、一鉢に3株で育てることにしました。その間隔は約5センチメートル。枯れてしまうか、痩せた株でそれこそミニサイズになるか、良くてもちっちゃな花が咲くくらいかと覚悟していました。
8月上旬 摘心の前
思ったより良い株に育ってので、8月上旬頃に本葉が8枚くらいになったところで、ツルの先端を摘み取り、脇芽を出させるために摘心をしました。わき芽の数が多いほどツルの数や花も多くなるので、できるだけわき芽を増やすことがボリューム感を出すときには大切です。水やり後や雨の日でツルに水が含んでいて張りがあるときは、思わぬところで折れてしまうので、ツルに張りのない水やりの前に摘心をしました。
摘心後、延びてきたツルを誘引して形を整えていきますが、ツルは左側に向く習性がありますので、行灯仕立てでは常に左に巻き付けていくと無理なく仕立てることとができます。1週間くらいツルを伸ばしたあとに巻き付けることを繰り返しました。また、誘引するときは、摘心と同様にツルに張りがあると折れてしまうことが多いので、ツルに水分がないときに行いました。
8月下旬ころから花が咲き出しました。ところで、アサガオは、朝の明るくなった時にはもう咲いています。開花は、日没に左右されるらしく、日が沈んでから8時間から10時間後に咲くみたいです。いかにも朝に咲くイメージのあるアサガオですが、実際には暗い時間帯から咲いているんです。花が午前9時ころにしぼんでしまうのは、根から水分を補給しているものの、花びらがひじょうに薄いので水分の蒸発が早くしぼんでしまいます。また、早い時間に咲いて、しぼんでしまうのは受粉の仕組みも関係しています。興味のある方は、開花をご覧になってください。咲きそうなつぼみに紙で作ったキャップをかぶせておき、朝に取ると、すぐ咲き始めるという裏技もあるようです。
花が咲いたあとに当然のごとく種ができます。後で知ったことですが、種を作るためには多くの養分が必要なため、余分な種を作りすぎると花芽が少なくなったり、突然枯れたりするそうです。ですから、来年のために必要な量だけ採るようにして、花がおさまったら種の根元から切り取った方が良いそうです。ついつい種ができると嬉しくて早く大きくならないかと楽しみにしていましたが、来年のためにはそんなにたくさんの種は必要ないし、食べられるわけでもないので、ミニ仕立てでは株を弱らせないようにするために、一番気をつける点だったと反省しています。
10月中旬 花が収まり種ができたツル
行灯仕立ての方法は、いくつかあるそうで、摘心をしないで一本のツルをそのまま伸ばして仕立てる方法で、失敗が少ないものの花芽が少なくなるるそうです。しかし、大きな花びらのアサガオをさかせる方法でもあるそうです。今年は、一般的な行灯仕立てのアサガオに挑戦してみましたが、来年は一本ツルや大輪のアサガオに挑戦してみようかと思っています。朝には咲いていて昼前にはしぼんでしまい、一輪の花は長い時間を見られることがないはかないアサガオの花ではありますが、平凡なアサガオの違った一面を感じました。
番外編
ミニひまわりも育てました。こちらも鉢は小さめにして、一鉢に2、3株。種は市販のミニひまわりの種です。枝分かれした花がたくさん咲く種類です。テーブルに飾りたかったので、鉢を含めて30から40センチメートルにしたかったのですが、背丈がちょっと大きくなりすぎました。