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第706回 「エコみらい館」で新たな発見を!!

2018年1月9日更新

掛川市環境経済部付参与
掛川市・菊川市衛生施設組合事務局長 鈴木 勉

環境資源ギャラリーは、平成17年にオープンした掛川市と菊川市のごみ処理施設で、燃えるごみを処理する「ガス化溶融施設」、燃えないごみと粗大ごみを処理する「リサイクルプラザ」、「エコみらい館(容器包装博物館)」の3施設で構成されています。

エコみらい館は、容器包装博物館の愛称で、生活に身近な「容器・包装」に関する様々な展示を通して、環境問題についての知識を楽しく身につけることができる体験学習施設です。

エコみらい館、正面玄関から映した写真

エコみらい館中の様子、多くのパネルが飾られている

容器包装博物館は、暮らしの中の様々な場面で接する容器包装と環境問題の関係を知り、便利な生活と環境の保全や持続可能な社会との両立を考え、日々の生活の中で環境に配慮した行動を実行する力を身につけることをコンセプトに設置されたもので、生活ごみの約6割を占めるといわれる容器・包装を通して、1身近にある環境問題の学習と容器包装の文化的魅力にせまることができる。2小学4 年生の社会見学に対応し、大人でも満足できる展示物。3定期的な展示替え、更新により、来館者に新鮮さと継続的な学習の場を提供。4市民や環境団体、企業などからの情報発信と写真展などのギャラリー機能を持つ。といった特徴があります。

容器包装博物館には開館以来たくさんの見学者にご来場いただき、小学生を中心に広く啓発施設としての役割を発揮してきました。

その後、10年目を迎えたところで、さらに多くのみなさんに親しみを持ってもらうために掛川市と菊川市の小学生から愛称を募集し、たくさんの応募作品の中から「エコみらい館」が選ばれました。エコみらい館には、1環境意識を啓発し、エコごころを育み、環境にやさしい未来人を育てる。2身の回りの小さなエコ活動の積み重ねが環境を守る大きな力を生み、明るい未来を築く。といった願いが込められています。また、同時に展示物等のリニューアルを行い、現在の姿は次のようになっています。

エコみらい館フロアマップ

  • 地球環境の現状把握ゾーン
    1 地球環境を守るには(空気・水・森林・資源)
  • 容器包装博物館ゾーン
    2 容器包装の起源は(自然界との共存)
    3 容器包装の変遷は(縄文から昭和、そして現代)
    4 容器包装の機能と材質は(現代の暮らしの中で)
    5 最も適した容器包装は(機能と選び方)
    6 容器の生涯でみる環境へのやさしさ度(CO2 排出量)
  • エコスタディーゾーン
    7 みにシアタールーム(施設案内と環境学習)
  • 資源循環ゾーン
    8 ごみから新たな息吹へ(企業紹介コーナー)
    9 こんなひとコマあんなひとコマ(ギャラリー素顔コーナー)
  • エコライフゾーン
    10 泣いていませんか?捨てられたごみ(もったいないコーナー)
    11 我が家の省エネチェック(暮らしの工夫コーナー)
    12 地産地消と季節食材から(食べ物ECO(エコ)対策コーナー)
  • エコ活動ゾーン
    13 捨てればごみ活かせば資源(資源化分別ゲームコーナー)
    14 電気の尊さ体感!!(サイクル発電コーナー)
  • 未来にはばたくゾーン
    15 自然の営みが育む未来エネルギー(再生可能エネコーナー)

現在、エコみらい館には、市民の方が制作したすばらしい作品が展示されていますので、その一部をここでご紹介させていただきます。

大人の等身大の前田暮得の甲冑

1点目の作品は、大人の等身大の甲冑「前田暮得」です。(まえだんぼうる)と読むそうで、精巧な作りですがほとんどがダンボールでできています。掛川市内の年配の方の作で、中学生のころから鎧甲に興味を持ち、半世紀ほどたったある日、廃品回収に出すダンボールやきれいな古紙を見たとき、ダンボールを使って甲冑を作ることをひらめき創作を始めたそうです。昨年の11月末に寄付された後、大晦日に急逝されました。今年も両市の小学4年生に見学に来ていただいていますが、それを見た子供たちは思い思いに興味を示し、故人が残された「子供たちがこれを見て、資源の再利用で色々な創作的展開が生まれ、自分の創意工夫で物を作り出す楽しみと喜びを感じてほしい。」というメッセージを感じ取ってもらっています。

 

プラスチック製の容器包装の小片を切り貼りして掛川城を描いた作品

2点目は、夏休みの自由研究「掛川城」です。掛川市内の小学4年生が、プラスチック製の容器包装の小片を切り貼りして掛川城を描いた作品です。エコみらい館に見学に来た際ガラスリサイクル品の展示を見て、リサイクルされたガラス砂が印象に残ったことがきっかけとなり、自分でもリサイクル品で何かできないものかと考え、7,519枚の様々な色の容器包装プラスチックの切り取り片を貼り合わせたモザイク画です。

 

どちらの作品も、ただ捨てられるだけのものを材料に利用し、独創的な素晴らしい作品に生まれ変わらせるという発想に、大変感動しています。

みなさんも「エコみらい館」にお越しいただき、新たな発見をしてみてください。
ご来館をお待ちしております。

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