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第367回 柿の木の接ぎ木

2012年5月11日更新

掛川市消防長 萩田 龍雄

昔から畑の隅に柿の木が有り、これが一度も実を付けたことも有りません。しかも渋柿である事がわかりました。このため、思い切って接ぎ木をすることにしました。
台木は根本から50センチメートルほどの所を切り口が汚れないよう新品の鋸で切断し、実家から持ってきた、大変旨い次郎柿の枝を接ぐ事にしました。まだ2月下旬、目心も無い枝でした。
数多く差し込めば、どれか成功するだろうと4か所に接ぎ木することとしました。接ぎ木する台木は、切断面の表皮と内側の白い部分を清潔なカッタ-ナイフで上手く裂いて、ここに穂先を差し込み水分が飛ばないよう専用のテ-プで確実にしかも動かないようにしっかり固定し芽が出るまで待ちます。
翌年春、4本中1本元気な新芽が伸びてきました。あと3本は芽吹く様子もなく失敗となってしまいました。
夏には、この芽が30センチメートル以上伸び風に当たり折れてしまいそうな時もあり、特に台風の時には風よけの筒を作り被せておきました。畑中の出来事ですが、ご近所の方は何事かと思われたかもしれません。

次郎柿の枝を4本接ぎ木したようす

接ぎ木4本中1本に新芽が伸びたようす

 

そして、秋には更に大きく成長したので今後の木の成長のために頭部を切り詰めました。枝や葉は硬く強くなり少しくらいの強い風でも平気になりました。
冬葉を落とし今、また新芽が芽吹き成長しています。日々の変化を観察し楽しんでいます。早く次郎柿を見てみたいものです。3年後でしょうか、8年後でしょうか。
接ぎ木の作業は新芽の時期である4月上旬がいいとのことを、後から知りました。父から教わった全くの自己流ですので、もっと確実な方法があると思います。
これまで、花の色が違う藤や、ハイビスカスの赤と黄色の花のものを接ぎ木して、いずれも2回から3回は失敗を繰り返しましたが成功しています。1年に1回しかチャンスが無いので息の長い楽しみが増えます。

接ぎ木した新芽がすくすくと成長したようす

冬葉を落とした枝に、また新芽が芽吹いたようす

 

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