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第460回 元旦の一日

2014年1月10日更新

掛川市環境経済部長 安藤 彰

裏山にある小さな社。出雲様
出雲様

私の正月元旦の一日についてお話しします。
元日の朝、正月飾りを玄関、床の間、神棚、脇屋の入り口、恵比寿様、便所等に飾ります。また、お餅を仏様、床の間、神にあげるとともに、裏山にある出雲様にもあげます、この社は、先祖が娘の良縁を願い、平成8年に出雲大社から勧請をうけ、小さな私的な社を裏山に造ったもので、現在の社は二代目になります。丁度、家の真後ろに位置しており、裏のガラス戸を開けるといつも目につくとことにあり、隣には、地の神様も祭っております。
その後、午前8時頃に地元のお寺「盛岩院」にお年賀に伺います。仏事が先となりますが、和尚さんと年頭のあいさつを交わした後、先祖のお位牌を拝んで参ります。この寺は、檀家250軒程の規模ですが、岩滑地区、菊川市内田地区の方が檀家となっております。この寺の開基は、1150年平安時代末期とされ、その後高天神城の戦いとの関係が深く、武田氏の影響を受けているものです。また、当寺には、市指定文化財の鰐口が保存されており「遠州笠原荘岩滑郷新福寺鰐口一面、長禄三年吉日、願主聡学大工十郎」と銘があり、1459年室町前期の東山文化期の時代とされております。なお、新福寺は平安時代に遡ると伝えられ、千寿森と云い観音堂の大伽藍があり、仁王門もあったとされておりますが、今は跡形もなく現在の中方地区との境にある千手橋付近と伝えられております。

 

盛岩院というお寺の写真
盛岩院

長い階段をのぼった先にある山の中腹に建てられた八幡神社の写真
八幡神社

 

お寺からの帰りの道すがら、当地区の産土神である八幡神社へお参りします。岩滑地区の南西のはずれに位置し、宇佐八幡大菩薩を主祭神と祭るとともに、地元の神様を祭る小さな社がたくさんあります。

正面玄関にスロープがある平屋建ての岩滑公会堂
岩滑公会堂

午前10時には、岩滑公会堂にて「親和会」による新年会が開催されます。地元の53才から65才までの男子が加入している親睦団体で、年回4回ほどの定例会と年2回の池堤防草刈り及び研修旅行を行っております。当地区には、38才までの「親睦会」、52才までの「親行会」が組織され、それぞれ草刈り、祭り等地区コミュニティの重要な役割を担っております。
午後1時には、車2台にて組10軒全員にて秋葉神社に初詣に出かけ、帰りにはお土産屋の居間をお借りして小宴を開催します。ここ20年は可睡斎の秋葉神社となりましたが、昔は、春野町の秋葉山本宮大社にお参りに行っておりました。当地区では、秋葉講が盛んで、各組では何らかの形で秋葉神社へお参りに行き、お札をもらい一年の家内安全を祈っております。
このように、正月元旦の行事はまさに神仏習合の極意ですが、一年の行事が凝縮されており、これが親から子へ、また新たに組に入った家も同じように引き継がれ、一つの習慣・伝統となっております。

 

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