掛川市こども希望部長 高川 佳都夫
これまでに3回ほど、この寸感ホットページに投稿させていただいて、そのうち、2回を蕎麦ネタで書かせていただきました。そろそろ蕎麦ネタも尽きるかと思いきや、実は今回も蕎麦ネタ第3弾として書かせていただこうと思います。
今回は手打ち蕎麦教室です。
ただの蕎麦粉が、どのようにしてあの細長いお蕎麦に変身するのか。手順を追いながらご説明したいと思います。
作業1:水回し(蕎麦粉に水をまんべんなくしっかりと行き渡らせる作業です)
(写真1)
まずは、蕎麦粉とつなぎの小麦粉(強力粉)を合わせて篩にかけて捏ね鉢に入れます。(写真1)蕎麦粉と小麦粉の割合は8対2。いわゆる二八蕎麦です。
(写真2)
水の量は、粉の重さの45%前後。水回しは2回に分けて行いますが、1回目は、用意した水の7~8割くらいを粉にかけて、しっかりと手で水と粉をかき混ぜて、水が粉に均一に行き渡るようにします。だいたい生パン粉くらいの堅さになったら(写真2)
(写真3)
残りの水を入れて、さらにまんべんなくかき混ぜます。すると、少しずつバラバラだった粉が集まってきて、小さな団子のようになってきます。(写真3)こうなったらしめたもの。水回しは完了です。
作業2:捏ね(団子状の粉を一つにまとめ、力を込めて捏ねていきます)
(写真4)
この捏ねの作業により、まだまだ不均一に混ざっていた水が、均等に粉に行き渡り、全体がしっとりとまとまってきます。そして捏ねの作業の最後に、菊練りという作業を行い、(写真4)傷やシワを片側にすべて寄せてしまいます。さらにヘソ出しという作業により、片側に集まったシワを一カ所にまとめてしまいます。(写真5)砲弾型になった蕎麦の塊を手で押しつぶして(写真6)鏡餅のように仕上げて、前半の作業の完了です。
(写真5)
(写真6)
作業3:のし(蕎麦の塊を薄く平らにのばして、たたんで包丁で切りやすくします)
(写真7)
ここからの作業は、捏ね鉢からのし台へステージを移して行います。
鏡餅のようになった蕎麦を、のし棒で薄く平らにのして、切りやすいようにたたむところまでの作業です。
はじめは手で少しずつ押しつぶしながら丸く薄くしていきます。途中からはのし棒を使って、デコボコができないようにできるだけ滑らかに、しかも全体の厚さが均一になるように丁寧にのしていきます。
はじめは丸くのしていき、(写真7)途中からは、切るときにロスが出ないように、だんだんと四角になるようにのしていきます。(写真8)
調子よく打てているときは、思わず笑顔になっちゃいます。
(写真8)
作業4:切り(のし上がったお蕎麦を、見慣れた細長い蕎麦にする作業です)
(写真9)
いよいよ最後の作業、切りの作業です。
なんとか無事にのし上がったお蕎麦を、細く切って、普段見慣れたお蕎麦に仕上げます。
この作業で一番大切なことは、同じ太さ(細さ)で切りそろえる、ということです。
慣れるまではなかなか同じ太さで切りそろえるのは難しいんですけどね。
なんで、同じ太さにすることが大切なのかというと、蕎麦の太さがバラバラだと、茹でたときに、細い蕎麦は茹だり過ぎ、太い蕎麦は茹でが足りない、という状態になってしまい、食べたときの食感がとても悪くなってしまうからです。だから、蕎麦切りの作業の時は、いつも真剣勝負です。(写真9)
(写真10)
さて、蕎麦切りの作業に必要な道具と言えば、言わずと知れた蕎麦切り包丁です。それとまな板と駒板の3種類です。(写真10)
駒板は蕎麦を均等な細さに切りそろえるための定規みたいなもんです。この駒板に沿って包丁を入れると、真っ直ぐに蕎麦を切ることができるんです。
そして主役の包丁は、刃渡りが約30センチメートルもある大きな包丁です。切れ味抜群で、けっこう重くできています。ですから、包丁を軽く押すと、包丁自体の重さで、蕎麦がスッと切れていきます。
(写真11)
さあ、お蕎麦もきれいにできあがりました。(写真11)あとはお楽しみの試食タ~イム!
どうぞ、みなさん打ち立て茹で立ての手打ち蕎麦を召し上がってください。(写真12、13)
(写真12)
(写真13)
今回はふつうのお蕎麦の打ち方でしたが、実は、まだ蕎麦ネタあるんです。
いわゆる「変わり蕎麦」っていうヤツで、更科蕎麦を基本に、茶蕎麦やゆず蕎麦、天地蕎麦なんてのもあるんですよ。