御衣黄
御衣黄は「緑の桜」として知られる八重桜の一種で、江戸時代より栽培されていますが、花の色が地味なせいかあまり普及しておらず、全国的にも珍しい種です。
大須賀地区に残っていたものが、平成元年頃からもの珍しさで注目され始めました。大須賀支所南の古楠神社とその周辺民家付近に樹齢20年ほどの成木が10数本あったのがルーツとされ、町の中心部である三熊野神社にある三社公園にも移植されています。
普通の桜が散り始める頃に入れ替わるように咲き始め、4月中旬から下旬にかけて満開となります。
開花初期の御衣黄
最盛期を過ぎた御衣黄
御衣黄は、江戸時代に京都の仁和寺で栽培されたのがはじまりと言われています。「御衣黄」という名前の由来は、楚々とした美しい風合いが貴族の衣服「御衣」の萌黄色(もえぎいろ)に近いためです。
緑色の花を咲かせる唯一の桜であり、この緑色は葉緑体によるもので、同じく葉緑体をもつウコン(鬱金)も若干緑色がかかりますが、ウコンはその量が少ないためにもっと薄い淡黄色になります。また、御衣黄は開花が進むにつれて、花弁の中心に紅色の縦線がはっきりと現れてきます。
めずらしい桜ですが、沖縄県を除く日本各地の100カ所以上で見ることができるようです。
中新井池公園、古楠神社、同神社西側道路沿い
4月中旬から下旬
(注)開花状況は大須賀支所地域支援係にお問い合わせください。
電話番号 0537-48-1000