第54回「厳しい財政と向き合って」
これまでで最も厳しい査定
毎年、新年が始まると来年度予算の査定作業に入ります。今年は例年にも増して厳しい判断が続いています。静岡県全体で財政の厳しさが指摘されていますが、掛川市も例外ではありません。私が市長に就任して以降、今回が最も厳しい予算編成となり、「これも見直さなければならないのか」と考え込む場面が何度もあります。
努力が実った税収増
一方で、明るい材料もあります。掛川市の市税収入は、令和2年度の208億円から令和7年度には218億円へと、5年間で約10億円増加する見込みです。年平均にすると、毎年およそ2億円ずつ税収が伸びてきた計算になります。これは、企業誘致や雇用創出など、地域経済を支える取り組みを積み重ねてきた成果であり、現場で努力を続けてきた職員の力の結晶だと感じています。
しかし同時に、支出はそれ以上のペースで増えています。インフレや物価高騰の影響により、人件費はこの5年間で約10億円増加しました。さらに、物件費や社会保障に関わる扶助費もそれぞれ数億円規模で増え、歳入の伸びを大きく上回る状況となっています。加えて、焼却炉整備や学校再編に伴う建設事業など、将来に必要な大型事業も重なり、財政は一層ひっ迫しています。
未来につなぐ投資判断
こうした厳しさは、他の自治体や企業も同様に抱えている課題です。だからこそ、全てを削るのではなく、将来につながるものを見極めて投資していく判断が重要になります。来月には上西郷地区の工業団地が完成し、今年は東山口地区で新たな工業団地整備も始まります。雇用を生み、税収につながる基盤づくりは、10年後、20年後の掛川を支える力になります。厳しさから目を背けることなく見直しを行う一方で、雇用と産業を育て、税収そのものを増やしていく努力をこれからも続けてまいります。

