市議会6月定例会の開会に際し、行政報告を申し上げます。
子育て施策の取り組み状況について
はじめに、子育て施策の取り組み状況について申し上げます。
本年4月1日現在の国定義による待機児童は46人となり、その対策が急務となっております。
このため、定員72人の「すずかけっこ保育園」を増設し、来年4月には、新たに3歳児から5歳児の定員を90人増やし、定員162人の保育園といたします。
また、企業主導型保育については、私も時間のある限り市内企業を訪問させていただき、保育事業への取り組みをお願いしております。具体的な動きとして、来年4月の開園に向けて、すでに数社が準備を進めております。掛川市としましては、保育所の規模や運営方法などについて、企業などとの調整を行っております。
さらに、国の進める幼児教育・保育の無償化により、全ての3歳児から5歳児と、市民税非課税世帯の0歳児から2歳児までの保育料が、来年10月から無償化される見込みとなりました。これに伴い、保育ニーズの増加や財政需要の増大などが予想されるため、今後の保育需要を精査し、さらなる待機児童対策を図ってまいります。
次に、南部地域の認定こども園化の推進についてでありますが、先月22日に、その1園目となる「おおさかこども園」の起工式が行われ、いよいよ本格的な事業実施の段階となりました。来年4月には、定員300人の認定こども園が開園し、これにより、南部地域の待機児童は、解消される見込みです。認定こども園化を進めることで、長年の懸案であった幼稚園・保育園の再編の課題が解消され、乳幼児期の教育・保育を一元的に行う質の高い教育・保育を提供できる体制が整います。
次の2園目は「ちはまこども園」の整備を予定しております。今後も引き続き、地域や保護者の皆様との情報の共有を図りながら、大東・大須賀の両社会福祉法人と協働して、南部地域の認定こども園化を進めてまいります。
企業誘致を中心とする仕事づくりについて
次に、企業誘致を中心とする仕事づくりについて申し上げます。
菖蒲ヶ池工業用地に隣接した、約10ヘクタールの「南西郷工業用地」については、本年12月の完成に向け造成工事が進められており、現在の進捗状況は、約50パーセントとなっています。企業の進出状況は、昨年6月に「大和ハウス工業株式会社」に売却した2区画中1区画について、「遠州トラック株式会社」の進出が決定しており、今月20日には起工式が行われ、来年春の操業に向け、今後建築工事が進められます。
また、南部地域の活性化のため、積極的な企業誘致を進めておりました「大坂・土方工業用地」については、5月に製造業2社から進出意向が示されたことから、西工区約12ヘクタールの造成事業に着手することといたしました。
事業期間は5カ年を予定しており、平成34年度の事業完了を目指してまいります。
シティプロモーションの取り組みについて
次に、シティプロモーションの取り組みについて申し上げます。
先月の議会全員協議会で報告させていただきましたが、掛川市のブランドメッセージ「あなたの夢、描いたつづきは掛川で。」を柱に、市民総ぐるみで掛川を売り込んでいくための指針となる「掛川市シティプロモーション推進計画」を策定いたしました。
この計画にも掲げた、テレビドラマなどの撮影誘致を通じて、掛川市の認知度向上と愛着心の醸成を図る「フィルムコミッション」の取り組みを進めております。この4月から先月にかけて、映画「地上の星 二宮金次郎伝」や2019年のNHK大河ドラマ「いだてん 東京オリムピック噺(ばなし)」のロケが行われました。また、4月に開設しましたシティプロモーションサイト「掛川物語」では、インスタ・フォトコンテストを開催し、さらに、市民提案型による新たな魅力発信事業も推進しており、市民協働による新たなシティプロモーションの取り組みが着実に進んでいると考えております。
掛川市への移住定住についても、東京の静岡県移住相談センターとの連携により、直近2年間で29世帯90人が市外から移り住むなど、その成果も現れてきております。
今後も、市民総ぐるみによるシティプロモーションを積極的に展開することで、地域資源を磨き上げ、掛川市を全国に売り込んでまいります。
歴史まちづくりの取り組みについて
次に、歴史まちづくりの取り組みについて申し上げます。
江戸時代に建築され、明治天皇の行在所ともなった貴重な文化財である「松ヶ岡」については、昨年度、その修復に関わる「修復・活用調査設計」を、松ヶ岡プロジェクト推進委員会等と議論を交わして作成いたしました。これを受けて、今年度は、修復のための実施設計に取りかかります。
修復後は、松ヶ岡を本市の人づくり施策の拠点となる現代版「教養館」とするよう活用を図ってまいります。この事業費の確保のためにも、引き続き、市民の皆様との協働による募金活動を進めてまいります。
また、今年度の認定を目指して取り組んできた日本遺産については、市内の歴史資産を基にストーリーを組み立て、申請をいたしましたが、全国から申請のあった76件のうち、認定の13件に入ることができず、残念ながら落選となりました。
しかし、掛川市の歴史資源や、辿ってきた歴史は、日本遺産としてふさわしい素材であると考えておりますので、さらに素材を生かせるよう、ストーリーを組み直し、来年度の認定を目指して、再チャレンジをしていきたいと考えております。
ラグビーワールドカップ2019日本大会の取り組みについて
次に、ラグビーワールドカップ2019日本大会の取り組みについて申し上げます。
日本大会まで残り500日を切り、機運醸成とPRのために、開幕までの日数を表示する「カウントダウンボード」と、エコパスタジアムで対戦するチームのユニフォームを、市役所2階北側に展示いたしました。
以前より取り組んできた公認キャンプの誘致につきましては、組織委員会から、オーストラリア、アイルランドのキャンプ地として、掛川市と磐田市が内定したと通知がありました。正式決定は、契約後となりますが、両チームがベストコンディションで大会に臨めるよう、磐田市と協力してサポートを進めてまいります。また、ルーマニアに代わり出場することとなったロシアからも公認キャンプ地として選ばれるよう、受入体制を整えてまいります。
掛川市を挙げての応援体制につきましては、それぞれの中学校区ごとに応援するチームの割り振りを行い、応援の「のぼり旗」を作成することとしました。そのデザインを、中学生から募集し、小・中学校のクラス別投票により選定するなど、小・中学生自らが直接関わる仕掛けづくりを行っております。
今後は、選ばれたデザインをもとに、公式応援のぼり旗を作成し、公共施設や街頭に掲げるなど、地域ぐるみでの出場国の応援を進めてまいります。
プレ・デスティネーションキャンペーンの取り組みについて
次に、プレ・デスティネーションキャンペーンの取り組みについて申し上げます。
来年4月から6月にかけて、JRグループ6社と地方自治体・観光関係団体が協力して実施する、国内最大級の大型観光キャンペーン「デスティネーションキャンペーン」が、静岡県で19年ぶりに開催されます。
今年は、プレキャンペーンの年となり、4月1日に、東京・大阪・名古屋・静岡の各駅で行った「プレオープニングキャンペーン」を皮切りに、様々な企画を開催しております。
先月15日に、静岡市のグランシップで開催した「DC全国宣伝販売促進会議」では、県内5つのエリアの観光PR、全国旅行会社との大商談会などを行い、掛川のブースでは葛布織機を展示いたしました。翌16日からは、旅行会社向けにエリア毎の旅行商品の企画コースを体験してもらう「エクスカーション」を開催し、市内では掛川城や掛川花鳥園の案内、宿泊先のつま恋リゾート彩の郷では、横須賀高校郷土芸能部の出演もあった歓迎レセプションを開催いたしました。
今後は、来年の本番に向けて、プロモーション・PR活動を中心に実施するなど、静岡県や中東遠地域の各市町と連携しながら、観光交流人口の拡大を図ってまいります。
海岸防災林強化事業「掛川潮騒の杜」の進捗状況について
次に、海岸防災林強化事業「掛川潮騒の杜」の進捗状況について申し上げます。
南海トラフ巨大地震で想定される、最大クラスの津波に対応した高さに、防潮堤を嵩上げするこの事業は、全長約9キロメートルの整備区間のうち、昨年度末までに、掛川市による盛土工事を1.2キロメートル実施し、今年度末には全体の4分の1を超える2.5キロメートルの整備完了を見込んでおります。また、静岡県でも、大量に必要となる土砂の確保に対応するため、御前崎港内にストックヤードを整備し、県外からの土砂の受け入れ準備を進めております。
今後も、工事の進捗に合わせて、「希望の森づくり事業」による植樹・育樹活動を行うなど、引き続き、市民、企業、国、県との協働によりこの事業を推進し、平成38年度の完了を目指してまいります。
り地区集会の開催状況について申し上げます。
南北幹線道路の進捗状況について
次に、南北幹線道路の進捗状況について申し上げます。
南北幹線道路大東ルートの「市道掛川高瀬線改良事業」につきましては、平成28年度より、用地買収及び工事に着手してまいりました。今年度は、全線の用地買収を完了するとともに結縁寺インターチェンジから南側650メートルにかけての工事を進め、早期の完成を目指してまいります。
また、大須賀ルートの県道袋井小笠線の西大谷トンネル区間及び県道大須賀掛川停車場線の未改良区間につきましては、静岡県事業として既に着工しておりますので、早期の全線完成を目指し、引き続き事業進捗を強く要望してまいります。
今後開催する事業等について
次に、今後開催する事業等について申し上げます。
1点目は、今月12日に開催される「中地区生活支援車運行開始式」について申し上げます。
平成27年度末に路線バスが廃止された中地区では、高齢者などの交通弱者の足の確保が課題となっており、地区の皆さんが約2年間にわたって検討を重ねられてきました。
今回、中地区まちづくり協議会が主体となり、自宅から近隣バス停や、あらかじめ決められた医院・買い物施設までを送迎する「市民協働による生活支援車両運行事業」を展開することとなりました。
国土交通省の認定講習を受けた運転手に対し、報酬を支払うことができる制度を利用した事業として、市内初の取り組みであります。
2点目は、来月4日に、生涯学習センターにおいて開催する「掛川市地域支え合い推進フォーラム」について申し上げます。
掛川市でも、ひとり暮らしの世帯や高齢者世帯が増加しており、地域の助け合いの必要性が増しています。当フォーラムでは、住民同士の支え合い活動について、「さわやか財団法人 会長 堀田力氏」の基調講演や、実践発表、パネルディスカッションを予定しております。
住み慣れたまちで、安心して、生き生きと暮らしていくために、皆で考え、今後につなげていく機会にしたいと考えております。
最後に、7月14日から「つま恋リゾート彩の郷」で開催される「ap bank fes」について、申し上げます。
国内屈指の音楽の祭典「ap bank fes」が、6年ぶりに掛川市で開催されることになりました。このフェスは、多くの有名ミュージシャンが出演するだけでなく、開催理念として、地球環境を守っていくことを伝えるイベントでもあります。
掛川市でも、環境日本一を掲げ、様々な取り組みを積極的に進めておりますので、このフェスの理念に大いに共感するものであります。
7月14日から16日の3日間の期間中、延べ7万人を超える来場者が見込まれており、玄関口となる掛川駅周辺の賑わい、その経済効果、掛川市の情報発信などは、たいへん期待できるものであります。
掛川市としても「おかえり」という気持ちで、ブースの出展、輸送計画への協力など、可能な限り協力をしてまいります。
策について申し上げます。
以上、行政報告とさせていただきます。
平成30年6月11日