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平成30年度施政方針

2018年3月2日更新

平成30年第1回市議会定例会の開会にあたり、施政方針を述べさせていただきます。

1 はじめに

我が国は、今、いざなぎ景気を超える戦後2番目の景気拡大の中にあります。株式市場の変動はあるものの、バブル経済崩壊から続いた20年にも及ぶ低迷期やリーマンショックに端を発した世界規模の経済不況、東日本大震災などの幾多の荒波を乗り越えて、緩やかな景気拡大が続いております。
改めて歴史を振り返ると、今年は明治維新から150年の節目の年となります。150年前の日本では、幕藩体制から中央集権国家となる中で、廃藩置県などの多くの改革が大胆に行われ、近代国家の礎が築かれていきました。この新しい時代への流れを推し進めたのは、薩摩、長州だけではありません。掛川藩の国学者石川依平(よりひら)の多くの門弟も新国家の樹立に大きな役割を果たし、その後、ここ掛川でも松ヶ岡で知られる豪商山﨑千三郎を中心に「掛川銀行」が設立され、遠州地域の産業の近代化やインフラ整備が推し進められました。
この時代、人々は、日本の将来を想い、エネルギーに満ちあふれ、力強く新しい時代を開拓していきました。
今や日本は、世界に誇るべき豊かな社会を築き、人々の願いである健康長寿でも世界トップクラスとなり、いよいよ人生100年時代を迎えようとしています。その一方で、急激な社会変化と少子高齢化により、これまで築いてきた制度、中でも、国・都道府県・市町村という三層構造の中央集権体制の変革が求められています。
平成という時代から次の新しい時代に向かって、掛川市は基礎自治体として地方自治や地方分権の動きにしっかりと対応していく必要があります。
私は、協働のまちづくりが、時代の転換期を乗り越える手法であるという確信のもと、これまで市民や議員の皆様と議論を重ねて、その推進を図ってまいりました。その結果、それぞれの地域特性に合った、真に必要とされるまちづくりが、地域住民、事業者など、自らが主体となり行われるようになってきています。
これから先、生活支援、子育て支援、防災対策など、これまで以上に市民力、地域力の発揮が求められています。市民、事業者、市が支え合い、役立ち合って、女性も男性も、お年寄りも若者も、障がいや難病のある方も、全ての掛川市民が、その可能性を存分に開花できる、新しい時代を「協働のまちづくり」により切り拓いてまいります。

2 市政運営の基本方針

(1)協働のまちづくりのさらなる推進

少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少は、労働力不足や地域の活力を減少させる要因ともなっています。このような社会課題を解決するためにも、多様な主体が連携する「協働によるまちづくり」は、今後も確実に推進していくべき取り組みであります。
これまで、協働のまちづくりは、地縁を主軸とした「地区まちづくり協議会」の活動とともに発展を続けていますが、地域がさらに輝き、市民の暮らしを豊かにしていくためには、稼ぐ力や課題解決の手法を多様化していくことが重要であります。
まちづくり協議会に加え、市民活動団体や企業等の多様な主体が有機的に連携し、地域課題の解決に向けて活躍できる仕掛けづくりを支援することで、協働のまちづくりをさらに推進してまいります。

(2)シティプロモーション

掛川市を持続発展可能なまちとしていくためには、住みやすさやまちの魅力を発信し、市民のみならず、市外、海外も含めた多くの方にも、掛川市と関係を持ち、掛川市を好きになっていただくことが重要です。それが、市民の誇りや愛着を醸成する第一歩であると考えております。
昨年立ち上げた市民協働会議に参加いただいている市民や団体・企業、輝くかけがわ応援大使などの協力を得ながら、3月に策定する推進計画に基づき、市民総ぐるみで、戦略的なシティプロモーションを実践してまいります。

(3)働き方改革

社会情勢が目まぐるしく変化する時代において、市役所職員には、多様なニーズに、スピード感を持って柔軟に対応していくことが求められています。市民の期待に応えるためには、職員一人ひとりの意欲と生産性を向上し、地域の課題解決に挑戦し続ける市役所組織となる必要があります。
職員の働き方改革は急務であり、昨年9月から、在宅勤務やサテライトオフィス、時差勤務の取り組みを試験的に始めております。これらの活用をさらに促進するとともに、子育てや介護の支援、効率的な働き方に資する環境や制度を整え、職員の働き方の改善と資質の向上に取り組むことで、持続的な市民サービスの向上を実現してまいります。

(4)しごとづくり

近年の景気拡大と生産年齢人口の減少に伴い、市内の多くの企業は人手不足の状況が続いている一方で、人口動態に見る若者の流出傾向は継続しており、企業と就職期の若者との間に雇用のミスマッチが発生している状況が伺えます。
市民が安心して働ける環境を整えるため、企業誘致を積極的に推進し、地域経済を支える産業基盤の強化や若者のUIJターンの誘導を図るとともに、創業や業務拡大への支援や中小企業の就業者の確保などの対策も進めてまいります。

(5)子育て支援

掛川市内の出生数は、約20年間、1,000人から1,100人の間で推移しておりましたが、近年では1,000人に達しない年もあり、少子化傾向が進んでいる状況です。一方で、家族形態の変化、保護者の就労形態の多様化などにより、支援を必要とする子どもや家庭は増加しています。
まちの財産である子どもたちが健やかに成長するよう、子育てコンシェルジュの訪問活動や子ども医療費助成、認定こども園の整備等、ソフトとハードの両面から子育て支援を実践しているところであります。平成30年度は、新たに、子どもの貧困対策や発達相談支援などの施策もスタートいたします。
今後も、必要な家庭に必要なサービスが行き届くよう、市民総ぐるみで子育て環境の充実や、きめ細やかな子育て支援に取り組んでまいります。

(6)小中一貫教育の推進

今後、変化し続けていく社会を生き抜く子どもたちにとっては、周りの状況の変化や環境に適応しながら、困難な状況に立ち向かうことのできる力が求められており、これまで以上に、質の高い教育が展開できる学校を目指していく必要があります。
そこで、子どもたちの未来のためにどんな学校づくりを目指すべきかという視点に立ち、義務教育9年間を見通した掛川ならではの教育課程を編成し、地域の実情に応じた教育のあり方を、研究指定校での成果を踏まえながら検討してまいります。

(7)観光振興

今、国では、訪日外国人旅行者数を平成32年に4,000万人とする目標を掲げるなど、観光交流人口を増やすことが、重要な政策課題となっています。
掛川市としても、新幹線駅があり静岡空港に近い広域交通の利便性や、歴史・文化の蓄積を活かしつつ、県や中東遠地域と連携しながら、ラグビーワールドカップへの対応などを進めて、インバウンド観光の需要を確実に取り込んでまいります。
つま恋につきましては、HMIによる運営がはじまり、1年が経過しようとしています。今後、HMIによる大きな投資により、世界に誇るリゾート施設として羽ばたけるよう、掛川市としてもできる限り協力をしてまいります。

(8)多極ネットワーク型コンパクトシティ構想

近年の人口動態において、掛川市全体とすれば微増傾向にあるものの、地域によって状況は様々であります。今後、人口減少と高齢化は避けて通れないものであり、住宅や都市施設が散在してしまった場合、地域の助け合いやインフラの維持が困難となる状況も懸念されています。
全ての市民が生涯にわたり、安全・安心に住み慣れた地域で暮らし続けるため、地域の拠点に一定程度の都市機能を集約するとともに、交通ネットワークにより拠点同士を繋ぐ、多極ネットワーク型コンパクトシティのまちづくりに取り組んでまいります。

(9)行革・公共施設マネジメントの推進

これまでの行財政改革の取り組みにより、人件費や物件費などの固定経費を大幅に削減してきましたが、広い市域における市民サービスの維持に配慮し、合併効果として期待されていた公共施設の統合・廃止による経費削減は充分には進んでおりませんでした。
掛川市の健全な財政運営を確保するとともに、行政サービスを持続していくためには、不断の改革が必要不可欠であります。平成30年度は、行財政改革とともに公共施設の最適配置について、本格的に取り組んでまいります。
痛みを伴う決断をしなければならない状況もあるかもしれませんが、持続発展可能な掛川市のために必要な決断であれば、市民の皆様にもご理解をいただけると考えております。施設管理の効率化、施設の長寿命化や多角的運用等、最適なサービスのあり方を見据えながら、充分に議論を尽くしてまいります。

3 自治体経営の基本事項

(1)組織機構

平成30年度の組織編成においては、行政経営方針に沿って、各重要施策を着実に進めるとともに、効果的かつ効率的な事務執行が図られる組織としております。
まず、取水から排水までの水循環を一体として捉え、効率的な運営を行うため、水道と下水道の組織を統合し、「上下水道部」を設置いたします。窓口を一元化するとともに、緊急時のマンパワーを確保し、対応力の強化を図ります。
また、子どもの発達に不安を持つ保護者が気軽に相談し、安心して子育てができるよう「発達相談支援センター」を設置いたします。広く相談を受け、その子に合った支援を行うとともに、交流の場を提供して、同じ悩みを抱える方との情報交換やアドバイスを行うことにより、共に考え、共に支援する市民協働の子育てを目指します。
将来の人口減少社会に備えて、公共施設等の安全・安心を確保し、公共サービスを最適かつ持続可能なものとするため、「行革・公共施設マネジメント推進室」を設置し、行財政改革とともに公共施設マネジメントを積極的に推進します。
また、「一般財団法人地域創造」及び「韓国横城(フェンソン)郡」へ職員を派遣し、幅広い視野を持った職員を育成するとともに、新たな研修として、「企画力向上研修」や「政策研究研修」を設け、政策立案能力に優れた人材の育成を図ります。

(2)当初予算

平成30年度当初予算は、行政経営方針に基づく、掛川の魅力向上を図る施策のうち、特に子育て支援に重点を置き、「掛川の未来のために!子育て環境充実予算」といたしました。
全体としましては、市税は微増となったものの、社会保障関係経費の増などにより、厳しい予算編成となりました。一般会計予算は、470億6千万円で、対前年度比2億3千万円、0.5%の減、また、特別会計と企業会計を合わせた予算総額は、前年度比20億1,976万円減の773億9,706万円となりました。
予算編成に当たっては、第2次総合計画及び地域創生総合戦略を着実に推進するため、行政経営方針に基づき、掛川にしごとをつくり安心して働けるようにするための障がい者就労支援や企業誘致対策、子育てしやすい環境づくりのための認定こども園整備事業、子ども医療助成事業の未就学児通院費の無料化、認可保育所の増設、病児保育施設の整備のほか、地震津波対策アクションプログラム推進事業としての総合体育館さんりーな及びシオーネの天井落下防止対策事業、海岸防災林強化事業について重点的に予算化いたしました。
歳入の根幹をなす市税収入については、205億1千万円を見込み、前年度当初予算と比べますと、1.2%、2億4千万円ほど増額になりますが、主な理由は、個人市民税と法人市民税の増によるものであります。
地方交付税については、国の地方財政対策を勘案し、前年度比2億3千万円減の31億5千万円を計上いたしました。
市債は、地方交付税の不足分を補う臨時財政対策債や、合併特例債などにより、総額で45億6,410万円となりましたが、発行額を元金償還額内に抑制したことにより、平成30年度末の市債残高は、前年度末から2億9,278万円ほど減少する見込みであります。
また、財源不足に対処するため、財政調整基金を19億5千万円取り崩し、これにより平成30年度末の財政調整基金残高は、21億4,050万円となる見込みであります。

4 重点施策

(1)掛川への新しいひとの動きをつくる

次に、第2次総合計画の4つの重点施策に沿って、平成30年度の重要な取り組みについて申し上げます。

1.文化振興

「教育・文化日本一」を目指した文化振興施策についてでありますが、「心豊かで夢と希望があふれる市民がいるまち掛川」を創造するため、文化振興計画に基づいた施策をさらに推進し、市民が文化に触れる機会の充実や環境整備を図ってまいります。
2020年東京オリンピック・パラリンピック文化プログラムの取り組みとして、昨年開催した「かけがわ茶エンナーレ」を検証し、その3年後の開催に向けて、事業構想の策定、組織体制の確立を図るとともに、各地で芽吹いたアートを活かした市民運動や地域独自の魅力発信活動を持続・発展させ、多くの地域への波及に努めてまいります。
ステンドグラス美術館では、未来ある子どもたちに日本の第一人者から学ぶ本格的な制作体験をしてもらう「ステンドグラス体験教室」を新たに開設します。従来から実施している人間国宝認定者による伝統工芸体験教室や、学校への出前講座などと併せて、子どもたちの豊かな感性の育成に努めてまいります。
歴史まちづくりの推進につきましては、国に認定された「歴史的風致維持向上計画」に基づく事業を推進し、郷土の歴史や文化に対する誇りを醸成するとともに、歴史資源を活用したまちづくりを進めてまいります。この中で、松ヶ岡プロジェクトの推進については、引き続き市民の皆様とともに募金活動に取り組み、松ヶ岡の修復・活用の実施設計に着手するとともに、現代版教養館としての活用方法についても検討してまいります。また、三熊野神社大祭の国の重要無形民俗文化財指定に向けた取り組みについても、地元の研究会の方々と連携して、古文書資料の調査、記録作成を進めるとともに、国への働きかけを行い、指定に向けた取り組みを進めてまいります。
史跡和田岡古墳群の整備につきましては、昨年8月に着手した「吉岡大塚古墳」の史跡整備を進め、古墳本体工事に着手してまいります。

2.多極ネットワーク型コンパクトシティのまちづくり

次に、多極ネットワーク型コンパクトシティのまちづくりについてでありますが、都市計画マスタープランと立地適正化計画に基づき、将来にわたり持続可能なまちづくりを推進してまいります。
下垂木地区では、民間の土地区画整理事業と歩調を合わせ、地区計画に基づく新たなまちづくりを推進するため、都市再生整備計画事業に取り組んでまいります。
大型商業施設の立地推進につきましては、民間事業の動向を注視しつつ、天竜浜名湖鉄道新駅計画と合わせた調査・研究を進めるとともに、交通渋滞緩和に向けた交差点改良の準備など周辺の環境整備を進めてまいります。
中心市街地の活性化では、「中心市街地活性化基本計画」に基づき、まちなかの賑わい創出、居住の促進、交流人口の増加を目標に掲げ、58事業を積極的に推進してまいります。創業者支援の補助制度等を活用した空き店舗のリノベーションなどにより、魅力ある店舗の集積を図るとともに、民間活力による西街区の再開発事業にも取り組むことで、協働による新たな賑わい創出を目指してまいります。
公共交通対策につきましては、地域公共交通網形成計画に基づき、市民、交通事業者、市など、様々な主体の協働により、地域公共交通を「守り・育てる」取り組みを推進してまいります。また、実証運行中の掛川大須賀線を本格運行に移行し、JR掛川駅など掛川区域と大須賀区域とのネットワーク強化を図ってまいります。

3.観光戦略

次に、観光戦略についてでありますが、平成37年度の観光交流客数400万人に向け、市内の観光施設、観光協会と連携した取り組みを計画的に推進するため、「観光基本計画」を策定してまいります。また、国内外から訪れる多くの来訪者に、世界農業遺産の農法やお茶を情報発信するため、粟ヶ岳山頂にビジターセンター機能を有した施設を整備してまいります。
また、平成31年春に開催される静岡デスティネーションキャンペーンに向け、平成30()年度はプレキャンペーンを実施し、県や中東遠地区と連携した広域観光を推進してまいります。
インバウンド対策につきましては、平成32年に訪日外国人旅行者数を4,000万人とする国の目標に呼応し、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックに向けた受け入れ体制の充実を図るとともに、観光戦略を担う人材育成や、観光協会・観光ボランティア団体等の自立と持続的な発展を支援してまいります。
日本遺産につきましては、平成30年度の認定を目指し、歴史的建造物や葛布、茶草場農法など、世界に誇る掛川の歴史資源を1つのストーリーに組み立て、申請を行いました。認定された暁には、日本遺産を市民の誇りとし、観光誘客につなげ、地域の活性化を図ってまいります。

4.シティプロモーション

次に、シティプロモーションの推進についてでありますが、掛川市が世界の人々に「選ばれる都市」となるためには、掛川市全体の価値を高め、掛川市に好感や愛着を持つ人々を増やす必要があります。掛川の「ブランドメッセージ」や「ブランドロゴ」を活用した取り組み、さらには地域や企業、大学と連携した「魅力発見・体験ツアー」や「魅力認定事業」などを通じて、掛川市の認知度向上や掛川ブランドの浸透を図ってまいります。
またターゲットを絞り、大都市圏や県内大都市での移住・定住キャンペーンや相談会、そして企業への売り込みなどを行ってまいります。
ふるさと納税につきましても、掛川市の魅力を積極的に発信すると同時に、地域経済の貢献につながる返礼品の開発を進め、掛川市への納税を推進してまいります。

5.国際交流の推進

次に、国際交流の推進についてでありますが、企画政策課地域創生戦略室において、戦略的に国際交流を推進し、国際姉妹都市であるアメリカユージン市、コーニング市、韓国横城(フェンソン)郡、イタリアペーザロ市と、文化、芸術、観光、経済など様々な分野において市民生活や経済活動が活性化するよう、効果的な都市間交流を検討、深化させてまいります。
また、ラグビーワールドカップの開催などにより、多くの外国人が掛川市を訪れることが想定されます。通訳ボランティアなどのおもてなしの活動に、在住外国人が活躍できる機会の創出を図るなど、多文化共生のまちづくりを推進してまいります。

(2)掛川にしごとをつくり安心して働けるようにする

1.しごとづくり

はじめに、しごとづくりについてであります。
若者や高齢者、女性等の就労を促進するため、静岡労働局やハローワーク掛川等と連携し、地域経済の活性化や雇用の創出、就労支援など、雇用や労働環境の改善に取り組んでまいります。
また、商工団体や金融機関などの創業支援機関と連携した相談支援体制を充実し、融資や空き店舗等の相談窓口の開設や創業支援セミナーを開催するとともに、既存事業者には、中東遠タスクフォースセンターによる事業拡大や新規事業進出の実務支援を行ってまいります。
さらに、しごとづくりを推進するため、「オープンデータの推進に関する指針」に基づき、掛川市の保有するデータを市民に提供し、観光やビジネスへの活用はもとより創造的な利活用の促進に努めるとともに、IoTについてもNTT西日本と連携して活用策の調査研究を進めてまいります。
障がい者の就労支援につきましては、定着率の向上に重点を置き、相談事業の強化、事業所訪問の回数を増やすなど、障がい者を幅広くサポートするとともに、特例子会社の設置促進等を行うことで、さらなる雇用の場の創出にも取り組んでまいります。

2.産業基盤の強化

次に、企業誘致についてでありますが、これまでの取り組みにより、菖蒲ヶ池工業団地、新エコポリス第1期・第2期及び上土方工業団地で18社が操業し、約2,600人が就労しています。上西郷工業団地、大坂・土方工業団地については、積極的な企業誘致活動により早期の事業着手ができるよう努め、新エコポリス第3期工業団地については、民間活力導入よる工業団地開発を推進してまいります。また、市内企業の訪問活動を計画的に実施し、きめ細やかな対応による企業の地元定着を図ってまいります。
県が指定する内陸フロンティア7地区の推進につきましては、既に事業着手している海岸防潮堤の整備や、「寺島・幡鎌地区」の農地整備、「倉真第2PA地区」の整備を進めるとともに、各工業用地地区については、経済状況や企業動向を的確に把握し、用地の造成を進め、新たな雇用の創出と定住人口の増加につなげてまいります。
中小企業支援につきましては、人材の確保や育成、経営の革新を支援するとともに、中小企業の振興に関する計画の策定について検討を進めてまいります。また、商工会議所等と連携して実施している「地域協働経済支援買物券交付事業」を継続し、市内での経済循環による中小企業支援等に取り組んでまいります。
伝統的地場産品である手織葛布の振興につきましては、後継者の養成や、葛の抗菌作用などを利用した多方面での新たな商品開発等の調査・研究を進めてまいります。

3.掛川茶の振興

次に、掛川茶の振興についてであります。
厳しい茶業情勢が続くなかでも掛川市がお茶のまちであり続けるため、産地賞の連続受賞が裏付ける「美味しい」、緑茶効能の「健康」、世界農業遺産の「環境」の3つをキーワードとして、掛川茶ブランドの確立を目指すとともに、煎茶の盆点前(てまえ)を国内外に発信し、楽しく、おしゃれにお茶を淹(い)れるライフスタイルを提案してまいります。
また、「掛川茶輸出戦略書」に基づき、海外市場での販売促進活動を支援するとともに、輸出に対応した生産体制を構築するため、荒茶残留農薬検査や有機栽培の促進、さらには有機認証など第三者認証取得を支援してまいります。
茶の生産振興につきましては、地域の話し合いを進め、担い手への効果的な茶園集積と共同管理組織の育成や、共同茶工場の経営体質の強化を図るとともに、新たな需要を喚起するため、被覆茶の生産拡大や、抹茶生産に向けた検討・支援を進めてまいります。

4.力強い農業の確立

力強い農業の確立に向けた担い手の創出と農地集積の推進についてでありますが、基盤整備事業実施区域を中心に「人・農地プラン」に基づく地域の話し合いを進め、担い手の創出や組織化・法人化の支援、機械の共同利用、農地の集積・集約及び複合経営の導入支援を進めてまいります。
強い産地づくりの実現に向けては、イチゴやトマト等の施設園芸について、農協等関係機関と連携し、ハウスリース事業によるICTを活用した生産拡大・高付加価値化・生産コストの低減を図り、産地の収益力強化を推進してまいります。
オリーブの産地化につきましては、新たな主要作物として栽培を拡大し、荒廃農地の解消や農家所得の増加を目指すとともに、掛川オリーブ研究会を立ち上げ、圃場の拡大や栽培・加工・販売などを調査研究してまいります。
互産互消の推進につきましては、推進母体である地域商社「合同会社互産互生機構」と連携し、報徳や世界農業遺産等で繋がりのある市町との地域間交流を深め、県内外に掛川市の特産物を発信し、経済の活性化を図ってまいります。そして、市の有する信用力と地域商社が有する商品開発・販売能力を一体的に活かすことで、互産互消の取り組みを拡大し、都市間の経済・観光・定住の交流を推進してまいります。
森林整備の推進につきましては、森林(もり)づくり県民税による森の力再生事業等を活用し、所有者による整備が困難で荒廃している森林を、県や森林組合と連携して再生し、山地災害の防止や水源の涵養(かんよう)など「森の力」を回復させるとともに、森林の生産性を高めてまいります。また、国際的な森林認証制度「FSC認証」を受けた掛川産材の利用拡大に向け、木の文化を継承するまちづくりを進め、公共建築物等への木材利用を推進してまいります。

(3)若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる

1.たくましく生きる子どもの育成

「教育・文化日本一」を目指した取り組みとしまして、「教育大綱かけがわ」に基づき、子どもたちの未来のために、何をすべきか、何ができるのか、といった視点にたって、子どもたちが望ましい姿に育つよう、様々な教育施策を進めてまいります。
中学校区学園化構想につきましては、より多くの市民に参加してもらうために地域への情報発信をより充実させ、さらに地域の教育力を園・学校に取り込み、園・学校、地域、家庭が一体となって、掛川市の未来を担う人づくりを進めてまいります。
また、小中一貫教育の推進につきましては、さらなる教育の質の向上を図るため、市指定研究校として原野谷学園及び城東学園を指定し、義務教育9年間を見通した系統性のある掛川ならではの小中一貫教育を研究するとともに、両学園において、目指す子ども像と学校のあり方を地域と共有するため、地域検討委員会等を開催してまいります。
かけがわ型スキルの習得推進につきましては、これからの未来を創り出す子どもたちに必要な資質や能力を「かけがわ型スキル」として定義し、それらを身につけるために、ユニバーサルデザインを意識した学習指導や学習環境の整備を進めてまいります。
また、プログラミング教育につきましては、平成29年度から3年計画で導入した、ソフトバンクの人型ロボット「Pepper(ペツパー)」を活用して、全中学校と小学校2校で引き続き実施し、子どもたちの思考力を育み、情報の選択・活用力を高める教育を推進してまいります。
英語学習の推進につきましては、学習指導要領改訂による、小学校の外国語科及び外国語活動の充実のため、ALTの学校派遣や市が作成したプログラムである「新かけがわスタンダード」の活用研究を進めてまいります。
放課後子ども教室につきましては、放課後の子どもの安全・安心の確保を実現するため、学校施設の有効利用や学童保育との連携を図り、これまでの取組事例を踏まえながら、体制の整った地域への拡大を進めてまいります。
給食センターを活用した地産地消や食育の推進につきましては、市内4箇所の学校給食センターを活用し、地元の食材を使用した給食の提供や、健全な食生活と望ましい食習慣を養う食育を通して、郷土愛豊かで自立した人づくりを進めてまいります。

2.子育て施策の推進

次に、子育て施策の推進についてであります。
平成26年度に策定した「子ども・子育て支援事業計画」の中間見直しを行い、認定こども園や認可保育園の整備、企業との協働による企業主導型保育事業の実施により利用定員の増加を図りつつ、待機児童解消を目指してまいります。企業主導型保育事業については、昨年11月に資生堂が定員50人の企業内保育所を開設したほか、3月には宮脇地内に定員19人の保育所が新たに開園する予定であります。合わせて、企業の子育て力向上のため、子育て支援環境の拡充を図る企業を「子育てに優しい認定事業所」として顕彰し、実践企業を増やしていくなど、子育てと仕事の両立環境整備を進めてまいります。
また、保育サービスの拡充につきましては、平成31年開院予定の小児科診療所において実施する、「病児保育事業」の施設整備に対する支援を行ってまいります。
大東大須賀区域の認定こども園化の推進につきましては、(仮称)大坂認定こども園の平成31年4月の開園に向けて、建設工事に着手するとともに、公立幼稚園と私立保育園を再編する開園準備として、引き続き職員の人事交流を行ってまいります。他の4園につきましても、順次開園に向けた準備を地元の皆様の意見なども伺いながら進めてまいります。
「かけがわ乳幼児教育未来学会」につきましては、質の高い教育・保育を目指して、各研究部を中心に多方面での研修が進められ大きな成果を上げておりますので、引き続き支援するとともに、特別研究委員会での3歳から5歳児の義務教育化・無償化等乳幼児教育制度のあり方についての研究結果が中間報告されますので、市の施策への反映を検討し、国や県に対して情報発信や提言を行ってまいります。
掛川流子育て応援事業「スキンシップのすゝめ」につきましては、桜美林(おうびりん)大学の山口創(はじめ)教授と市が協働で実施している、乳幼児期の養育者との身体接触を増やすことが、親子の愛着形成や子どもの情緒に好影響を与える可能性の研究を継続するとともに、市民へ「スキンシップのすゝめ」を普及・啓発してまいります。
学童保育につきましては、市内21小学校区で35クラブの学童保育所が開設されており、各クラブで2名以上が支援員資格取得者となり、学童保育の質の向上につながっております。今後、登録児童数の増加が見込まれるクラブについては、受入施設の拡充に努めてまいります。
子育て世代への経済的支援につきましては、子ども医療費助成の未就学児の通院時自己負担額を無料化するとともに、対象を現在の中学生までから高校生までとすることなど、制度の拡充を検討してまいります。
発達支援体制の充実につきましては、希望の丘の中部ふくしあ棟に「発達相談支援センター」を新設し、発達に関する様々な悩みの総合窓口として、発達に不安を抱える本人や家族等の相談や悩みに寄り添い、安心して生活を送ることができるよう支援してまいります。
子どもの貧困対策につきましては、昨年10月に実施したアンケート調査等を踏まえて策定する「子どもの貧困対策計画」に基づき、すべての子どもに、心豊かな生活と充実した学びを保証するための各施策を推進してまいります。
このほかにも、新規事業として、乳児と親が一緒に受講し、参加した親同士が話し合うなかで、育児の知識やスキル、親の役割などを学び深めていく「ベビープログラム実施事業」や「子育て世代包括支援センター事業」、「子育てコンシェルジュ事業」、「ゆったり子育て三世代同居応援事業」等の継続により、子育てに対する不安の解消や家庭における子育て力の向上を図り、安心して産み育てることができる環境づくりを進めてまいります。

(4)明日の掛川をつくり豊かで潤いのある安心な暮らしを守る

1.防災体制の強化

はじめに、防災体制の強化についてであります。
市民・地域・企業・市民活動団体・行政が協働して、死亡者ゼロを目指す「地震・津波対策アクションプログラム」の着実な推進を図るとともに、「国土強靱化地域計画」に基づき、いかなる災害にも負けない強靱な地域づくりに取り組んでまいります。
地震の揺れによる死者を減らすため、住宅の耐震化を進めるとともに、耐震シェルター、防災ベッドの設置、家具の固定など家庭内の安全対策を進めてまいります。
さらに、近年全国各地で発生している大雨による水害や土砂災害などのあらゆる災害に対し、各家庭において「防災ガイドブック」を活用して「家庭の避難計画」を作成されるよう、引き続き啓発に努めるとともに、各種防災訓練に、家族全員での参加を促し、各家庭の防災力が向上するよう取り組んでまいります。
また、地域防災力の底上げを図るため、自主防災会の防災計画や地区防災計画の作成を進めるとともに、防災リーダーや避難所運営の担い手を、すべての自主防災組織で育成できるように、積極的に支援してまいります。さらに小・中学生を対象とした防災学習の機会を作り、次世代の防災リーダーを育成していくなど、将来にわたる「自助力」「共助力」の強化に努めてまいります。
原子力災害への備えとして、これまで広域避難計画の避難先となる愛知県や富山県の市町村と調整を重ねてまいりましたので、今後、計画の方針について、各地域で説明会を開催し周知してまいります。

2.災害対策の強化

次に、災害対策の強化についてでありますが、海岸防災林強化事業「掛川潮騒の杜」の整備につきましては、国や県、さらには民間からの土砂の提供により盛土材の確保に努め、平成38年度の完成を目指して全力で推進してまいります。合わせて、市民、企業、NPO等との協働により推進しております「希望の森づくり事業」による植樹・育樹活動を、引き続き推進してまいります。
災害に強い社会基盤の整備につきましては、災害時の避難路確保のため、主要施設や広域避難地等を連絡する道路ネットワーク上にある長さ15メートル以上の橋梁のうち、耐震補強や修繕が必要な橋梁について、耐震化及び長寿命化を計画的に推進してまいります。
また、近年の異常気象による浸水被害を防ぐため、河川改修や浸水対策など生活基盤の整備を図り、災害に強いまちづくりを推進してまいります。
土砂災害対策につきましては、市内1,426箇所の危険箇所の基礎調査及び土砂災害警戒区域の指定を、平成31年度までに完了するよう県とともに推進し、ハード対策とあわせてハザードマップの作成などのソフト対策を充実させてまいります。
また、市民生活に不可欠なライフラインである水道事業につきましては、想定される大規模地震に対する基幹管路の耐震化対策及び原里・原谷配水池改修設計を行うとともに、老朽管による赤水対策及び有収率向上を図るために、一般配水管改良事業を進めてまいります。また、水道料金等徴収業務の民間委託、下水道事業との組織統合を進めてきておりますが、さらなる運営基盤の安定化を目指して、包括的な業務委託の方策を研究してまいります。

3.消防力の強化

次に、消防力の強化についてでありますが、平成29年中に発生した火災は前年より14()件減少し32件、救助出動は55件でありましたが、救急出動は3,926件で、高齢化に伴い年々増え、過去10年間で600件程度増加しております。この救急要請への対応として、救急隊の増隊を計画的に図ってまいります。
火災予防対策につきましては、事業所等の立入検査による効果的な防火指導と、一般家庭においては住宅用火災警報器の設置を推進し、火災の減少と死者ゼロを目指し、市民の安全・安心の確保に努めてまいります。
また、地域防災力の中核となる消防団は、地域や企業の御理解・御協力をいただき、平成29()年度の団員数は790人と増加傾向にありますので、引き続き消防団員確保に努めてまいります。
消防団の活動につきましては、地域で感謝され、尊敬され、魅力ある消防団を目指すため、自主防災会と消防団の連携強化や、常備消防と連携した教育訓練を推進し、地域の防災リーダーとしての消防団員を育成してまいります。

4.南北幹線道路等の整備

次に、南北幹線道路等の整備についてであります。
合併推進道路整備事業である南北幹線道路大東ルートの市道掛川高瀬線改良事業につきましては、平成28年度より用地買収及び工事に着手しており、早期の完成を目指してまいります。
また、大須賀ルートの県道袋井小笠線の西大谷トンネル区間及び県道大須賀掛川停車場線(ていしやじようせん)の未改良区間につきましては、県事業として既に着工しており、早期の完成を目指し、引き続き要望してまいります。
国道1号バイパスにつきましては、交通事故や慢性的な渋滞を解消するために、掛川・日坂バイパスの4車線化を早期に事業化するよう「島田・磐田間バイパス建設促進期成同盟会」による要望活動に加え、市議会や関係自治会、さらには経済界とも協力して強く国に要望してまいります。合わせて、高規格幹線道路との新たな結節点となる、スマートインターチェンジ設置の可能性について、調査・研究を進めてまいります。

5.交通事故防止と犯罪防止の推進

次に、交通事故防止と犯罪防止の推進についてであります。
平成29年の県内及び市内における交通事故発生状況は、事故件数、負傷者数、死者数共に前年と比べトリプル減となっています。
また、平成29年度から高齢運転者に対する交通安全相談窓口の開設と運転免許証を自主返納した75歳以上の高齢ドライバーに対する支援事業の効果もあり、市内の高齢運転者による交通事故発生件数は、前年に比べ約40件の減少となりました。今後も、警察、交通安全協会や関係機関と連携し、交通事故を起こさせない環境づくりに積極的に取り組んでまいります。
犯罪の防止につきましては、警察や防犯協会、地域自主防犯活動団体と連携し、市民への啓発だけでなく、青色回転灯パトロール活動などにより、身近な犯罪の防止に取り組むとともに、防犯リーダーの育成やLED防犯灯設置の整備支援を積極的に行い、市民、学校、関係機関、行政が一体となり、地域の犯罪抑止力の向上を図ってまいります。また、近年、高齢者の特殊詐欺被害が深刻化しているため、新たに詐欺電話等対策機器購入費に対する補助事業を創設し、被害を未然に防いでまいります。

6.環境施策の推進

次に、「環境日本一」の実現に向けた環境施策の推進についてであります。
市内の電力使用量の11%相当を、風力や太陽光などの再生可能エネルギーで賄う平成37年度の計画目標を、大幅に前倒ししての達成を目指してまいります。また、省エネルギー活動の推進として、昨年8月より取り組んでいる国民の賢い選択「クールチョイス」活動を継続し、省エネや省資源活動の普及促進を図るとともに、パリ協定に基づく目標を踏まえた「地球温暖化対策実行計画」の更新を行い、経済、社会、環境の三側面からの取り組みにより、国連総会が定めた持続可能な開発目標を見据えた地球温暖化防止策を図ってまいります。
ごみ減量につきましては、家庭系ごみでは、生ごみ減量を図るため、生ごみ処理容器キエーロなどの普及を引き続き進めるとともに、事業系ごみでは、専門指導員による中小事業者への訪問指導を強化してまいります。
下水道事業につきましては、「生活排水処理実施計画」に基づき、汚水処理事業を促進するとともに、浄化槽個人設置事業の補助制度により、市内全域での汚水処理施設整備を推進してまいります。あわせて、将来にわたって下水道施設を適切に維持管理していくため、「ストックマネジメント計画」の策定を進めてまいります。
また、公共下水道事業、農業集落排水事業及び浄化槽市町村設置推進事業の3特別会計については、引き続き資産台帳の整備や会計システムの構築を行い、平成32年度からの企業会計移行に取り組んでまいります。

7.人生100年時代の健康づくり

次に、「健康・子育て日本一」に向けた健康づくりの推進についてであります。
人生100年時代を見据え、引き続き、「かけがわ『生涯お達者市民』推進プロジェクト」を市民総ぐるみで進めていくとともに、新たに「人生100年時代の健康づくり会議」を設置し、生涯お達者社会の構築を目指してまいります。また、健康マイレージ事業の実施により、健康づくりへの動機づけを行い、ウォーキングや減塩活動等を推進してまいります。
働き盛り世代の健康づくりのため、事業所向け出前健康教室等により健康経営を支援するとともに、企業や市民との協働による「健康推進ビジネスモデル」の研究を進めてまいります。
地域包括ケアシステムの中核を担う「ふくしあ」につきましては、総合的な在宅支援をさらに推進するとともに、「ふくしあ健康相談」や、「ふくしあスクール」など地域の健康づくりを、三師会や地区まちづくり協議会と協働して推進し、市民への医療、健康情報の提供や意識啓発に努めてまいります。また、ふくしあ活動の検証から見える成果や課題を共有し、多職種連携のあり方と、「掛川型地域包括ケアシステム」の充実を図ってまいります。
地域医療、介護連携の推進につきましては、在宅医療介護推進員と協力して在宅医療を担う医師の確保に努めるとともに、多職種による医療、介護の連携やリハビリテーション活動を推進し、地域医療、介護連携の充実を図ってまいります。
健診事業につきましては、市民の利便性や、受診率のさらなる向上を図るため、婦人科検診において、胃がん、肺がん検診等を同時に受診できる総合検診日を増やすとともに、新たに、特定健診、肺がん、前立腺がん、肝炎ウィルス検診等を同時に受診できる日を設けてまいります。また、引き続き、国保ヘルスアップ事業の実施により、生活習慣病の重症化予防事業を進め、発症予防、早期発見、早期治療による健康長寿の市民が多いまちづくりを目指してまいります。
高齢者施策につきましては、3ヶ年計画で策定した第7期介護保険事業計画による介護予防の充実や、生きがいづくりによる健康長寿を目指すとともに、介護を要する状態になっても、質の高い、できるだけ自立した生活が送れるよう支援してまいります。特に、認知症対策については、早期に発見し、適切な医療につなげるため、「認知症初期集中支援チーム」を配置し、地域における支援体制の強化と見守りネットワークの構築により、総合的な対策を推進してまいります。また、社会参加や居場所づくりによる健康増進のため、高齢者生きがい活動支援通所事業や、シニアクラブ、老人福祉センター等の活動により外出機会を増やすとともに、地域の高齢者サロン、シニアクラブを支援し、地域でともに支え合う地域福祉を推進してまいります。

8.スポーツ振興

次に、スポーツ振興についてでありますが、平成31年のラグビーワールドカップ開催に向けて、大会への関心とラグビーファン拡大につなげるため、県や中東遠地域の市町と連携してイベントを開催するとともに、エコパスタジアムで対戦する8か国を中学校区単位で応援する体制づくりを進めてまいります。また、世界から訪れる観戦客や観光客をお迎えする玄関口として、官民協働によるオール掛川で掛川市の魅力発信に努めてまいります。
東京オリンピック・パラリンピックに向けては、1月に事前キャンプの覚書を締結した台湾アーチェリー協会を支援するとともに、台湾との市民交流等についても検討してまいります。さらに、ビーチバレーボールやトランポリンについても事前キャンプ誘致を進めてまいります。
市民のスポーツ実施率向上に向けては、NPO法人掛川市体育協会等と連携を図り、市民参加型のスポーツイベントや教室を開催するなど、市民の競技力や体力の向上と健康増進を図ってまいります。また、さんりーなの天井落下対策工事など、市内スポーツ施設の充実に努めるとともに、スポーツに親しむ機会の創出に努めてまいります。

9.協働のまちづくりの深化

次に、市政運営の根幹である「協働のまちづくり」についてであります。
活動が3年目に入る地区まちづくり協議会につきましては、事業内容、事務局体制及び機能、役員登用などの現状を総点検し、安定的な事業の実施と新たなチャレンジを可能とする体制の構築について、地域と一緒になって考え、実力底上げを図ってまいります。
また、市民活動団体につきましては、社会的な共感や信用を得ながら、自立した活動を多様化し、発展させていくことができるよう、技術・知識の向上と情報の蓄積を積極的に支援してまいります。

おわりに

現代社会は、人と人との結びつきが弱くなり、その結果として、生きづらさや不安を感じる人が増えています。この人々の閉塞感や虚無感を乗り越える、原動力として必要なもの、それは、希望であります。希望を持つこと、持てることが大切であり、それによって、人々の意識は明るく、開かれたものとなります。
私は、人々が夢や希望を持てる社会を創り上げることこそ、行政の最大の使命であると考えております。
先月開催した「掛川教養講演会」において、掛川の歴史・文化を熟知したロバートキャンベル氏は、「掛川発祥である『教養』は、自らの領域とは異なる、他者の領域を学び共感する力」であると述べられています。
この共感する力とは、すなわち、「人が人を学び、人のことを考え、人のことを想うこと」であります。
私は、様々な施策を、行政だけでなく市民や企業とともに進める「協働のまちづくり」を理念として市政運営を行ってまいりました。老若男女、すべての人が支え合い、役立ち合いながら、まちづくりをしていくためには、「人のことを想い、ともに協力し合っていくこと」が最も重要なことであり、それは、まさしく教養の理念にも通じるところであります。
掛川市は、日々の暮らしの中で、歴史、文化を大切に守り、育んできた結果、国から「歴史的風致維持向上計画」の認定を受けることができ、今、「日本遺産」の単独申請にもつながっております。
世代を超えて受け継がれていく、先人達が培ってきた風土、歴史、文化は、まさに大切なヘリテージ(遺産)であります。
私は、これを継承し、50年、100年先の未来を見据えて、だれからも愛され、輝きのあるまちに、そして何より、市民が掛川に生まれたことに誇りを感じるような、文化の香り高き、品格のあるまちを、協働の力により創造してまいります。
以上、新年度の予算等についてご審議いただくこの議会の冒頭に、改めて平成30年度の市政運営に対する私の思いを述べさせていただきました。着実な事業実施に向け、議員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。

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