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平成31年度施政方針

2019年2月20日更新

平成31年第1回市議会定例会の開会に当たり、施政方針を述べさせていただきます。

1 はじめに

まもなく平成が終わり、新しい時代の幕開けとなります。
平成の時代を振り返りますと、インターネットの普及により、誰もが必要な情報を瞬時に得られるようになり、市民生活から企業活動に至るまで、社会は大きく変化しました。全国各地に、空港、新幹線、高速道路が整い、ここ掛川でも、昭和の終わりに開業した新幹線駅と平成の初めに建設した東名掛川インターは、市民や企業に利便性をもたらし、掛川市の価値を大きく高めました。この間、バブル経済の崩壊から続いた「失われた20年」と呼ばれる停滞期もありましたが、私たちは力を合わせて、構造改革や技術革新に取り組み、今、成熟社会の中にあっても、戦後最長といわれる経済成長を続けています。
平成の次の新しい時代、我々、基礎自治体は、人生百年時代のビジョンを持って、様々な生き方や価値観を尊重し合い、社会的弱者を思いやり、全ての市民が輝ける社会を創っていく必要があります。
掛川市が進めてきている多様な主体による協働は、これまで行政だけでは手の届かなかった領域をカバーし、きめ細かく、社会的弱者への配慮へとつながっています。お互いの文化や特性を認めて尊重し合う社会への対応は、協働のまちづくりをおいて、他にありません。
これまでの取り組みにより、各地区には住民自治の母体となる地区まちづくり協議会が定着してきている今、女性も男性も、外国人も日本人も、お年寄りも若者も、全ての市民がその可能性を存分に発揮し、開花できる新しい時代を、協働のまちづくりにより創ってまいります。

2 新しい時代に向けて

平成の次の新しい時代は、AIやIoTによる技術革新がさらに進み、社会の大きな変化が見込まれる一方で、少子高齢化や人口減少が加速し、自治体の選別、淘汰も進んでいくものと考えます。
掛川市が選ばれる自治体となるために、SDGsや人生百年時代の視点を踏まえ、協働のまちづくりを理念とした、新たな取り組みが求められます。

(1)協働のまちづくりの推進、ステップアップ

はじめに、協働のまちづくりの進展、ステップアップについてであります。
少子高齢化の進行は、生産年齢人口の減少とともに労働力不足を引き起こし、地域の活力を減少させる要因ともなっています。
このような社会課題を解決するためにも、多様な主体が連携する「協働のまちづくり」は、新しい時代に対応する手法であり、今後も確実に推進していくべき取り組みであります。
協働のまちづくりは、市民と地区まちづくり協議会の活動とともに発展を続けており、生活支援車など地域課題に取り組む活動が増えつつあります。地区まちづくり協議会が発足して4年目となる今年度は、協働のまちづくりの進展に向け、ステップアップの時期と考えており、「協働によるまちづくり地区集会」についても、開催方法等についての検討が必要と考えています。また、地区まちづくり協議会の事務局体制の強化と役員のなり手不足の解消に向けても、地域と一緒になって考え、その解決を図ってまいります。
また、地域がさらに輝き、市民の暮らしを豊かにしていくためには、稼ぐ力や課題解決の手法を多方面から考えていくことも重要です。地区まちづくり協議会に加え、市民活動団体や企業等の多様な主体が有機的に連携し、地域課題の解決に向けて活躍できる仕掛けづくりを支援することで、協働のまちづくりをさらに推進してまいります。

(2)脱炭素社会の構築

次に、脱炭素社会の構築についてであります。
環境日本一の取り組みとして、脱炭素社会への取り組みを、市民の協力を得て官民協働で進め、活力あふれる「地域循環共生圏」づくりを目指します。
具体的には、再生可能エネルギーの推進を図るとともに、エネルギーの地産地消による地域経済の活性化を目的に、市民・事業者・行政で取り組む「掛川市地域新電力事業システム」を、民間新電力事業者との連携により確立してまいります。
また、昨今、社会問題になっている自然分解が難しいプラスチックごみについて、市指定ごみ袋をバイオマスプラスチック製へ切り替える検討をはじめ、改めて、4R(Refuse断る、Reduce減らす、Reuse再利用する、Recycle資源を再利用する)の推進、排出者責任の原則に則った容器包装の店頭回収「K-STeP協定」を展開し、官民連携の回収・循環システムにより、持続可能な掛川市を目指してまいります。

(3)本格的な外国人との共生社会

次に、本格的な外国人との共生社会についてであります。
掛川市に在住する外国人は4,300人を超え、人口の3.7%となっています。4月に改正入管難民法が施行されますと、さらなる外国人の増加が予想されることから、静岡労働局やハローワーク掛川等と連携し、外国人材の適正・円滑な受け入れの促進、雇用や労働環境の改善に取り組んでまいります。
また、外国人を労働者として受け入れるだけでなく、掛川市民の一員として、かつ、地域における生活者として、生活苦によるモラルの低下に繋がらないように、まちづくりへの参加を促していく必要があります。
これまで以上に、多言語での生活相談への対応や日本語教育などを企業や市民とともに推進し、外国人住民の生活や教育の環境整備に取り組んでまいります。あわせて、日本語がわからない児童生徒の教育環境の整備についても、県や関係機関と連携して推進してまいります。
また、防災訓練などの地域活動へ外国人住民の参加を促し、文化の相互理解を深め合うことで、真の多文化共生社会を築いてまいります。

(4)交流人口の拡大と経済の活性化

次に、交流人口の拡大と経済の活性化についてであります。
人口減少による内需の縮小や社会の成熟化が経済成長の制約要因となる中、基礎自治体においても、成長著しいアジアをはじめとする海外の活力を取り込み、地域経済の活性化に繋げていく必要があると考えます。
「つま恋」との関係を活かしたインド、松本亀次郎先生と周恩来元首相の師弟関係から繋がる中国、姉妹都市「横城郡」があり年間750万人が来日する韓国、掛川市日越友好協会が発足したベトナム、さらには、長年の交流があるユージン市・コーニング市のアメリカ、音楽と美食の姉妹都市ペーザロのイタリアなど、これら掛川市独自の繋がりを活かし、インバウンド対策をはじめとする観光交流、市内企業の海外展開や、海外企業の掛川市への投資促進に結びつけ、経済の活性化を図ってまいります。
また、掛川市への企業誘致や観光集客力の向上など、経済活性化に大きく寄与する取り組みとして、東名掛川インターと袋井インター間への、新たな高速交通の玄関口となるスマートインター実現の可能性調査にも着手してまいります。

3 自治体経営の基本事項

(1)組織機構

平成31年度の組織機構の編成については、行政経営方針に沿って、SDGsや人生百年時代の視点を踏まえ、重要施策を着実に進めるとともに、効果的かつ効率的な事務執行を図られる組織を編成しました。
まず、部局横断的な課題解決やスムーズな政策推進のため、業務執行体制を改革し、特命事項を担当する戦略監及び部内施策の調整を行う政策官を配置いたします。
また、働き方改革のさらなる推進に向けて、行政課内に人事室を設置いたします。戦略的な人材育成や柔軟な任用制度等、人事制度の根本的な見直しを行い、職員の能力を引き出すことで、市民サービスの充実に繋げてまいります。
次に、持続可能なまちづくり推進のために、ごみ減量や脱炭素社会を目指したエネルギーの地産地消等については、市民等と一体となった協働の取り組みが欠かせないことから、環境政策課を協働環境部に移設します。また、観光シティプロモーション課を産業経済部に設置し、交流人口拡大に向けた観光誘客とともに、UIJターンや移住定住施策による企業の労働力確保等にも注力してまいります。
少子化やグローバル化が進む中、市民総ぐるみで子どもを育(はぐく)むとともに、子育てしやすい環境づくりを推進するため、教育委員会内に教育政策課を設置し、こども希望課の学童保育及び社会教育課の放課後子ども教室を移管し、放課後の子どもの活動や居場所の確保を一体的に推進してまいります。さらに、小中一貫教育の推進、学校の適正規模・適正配置の検討等、教育環境の整備を一元的に所管し、課題解決を目指してまいります。
近年増加している空き家についても、地域の魅力低下を招くことに繋がるため、都市政策課内に住まい空き家対策係を設置し、対応してまいります。
また、「資源エネルギー庁」及び「県防災航空隊」へ職員を派遣し、掛川市の重要施策の推進に資する、幅広い視野を持った職員の育成を図ってまいります。

(2)当初予算

平成31年度当初予算は、行政経営方針に基づく、掛川の魅力向上を図る施策のうち、特に子ども・子育て支援と、雇用の創出に重点を置いた「子ども未来応援予算」としました。
全体としては、一般会計予算は、481億5千万円で、対前年度比10億9千万円、2.3%の増、また、特別会計と企業会計を合わせた予算総額は、前年度比23億4,591万円増の797億4,586万円となりました。
予算編成に当たっては、第2次総合計画を着実に推進するため、掛川にしごとをつくり安心して働けるようにするための大坂・土方工業用地整備事業やオリーブ産地化推進事業、子育てしやすい環境づくりのための保育園や認定こども園整備事業、病児保育事業、保育士等就職応援準備資金貸付事業のほか、豊かで潤いのある安心な暮らしを守るための海岸防災林強化事業、市庁舎天井落下防止対策事業、診療所等が不足する地域における医療体制検討事業について、重点的に予算化いたしました。
歳入の根幹をなす市税収入については、210億2千万円を見込み、前年度当初予算と比べ、2.5%、5億1千万円ほど増額になり、その主な理由は、景気の緩やかな回復基調を背景に法人市民税が増になったことによるものであります。
地方交付税については、国の地方財政計画の地方財政健全化対策に基づき、前年度比3億2千万円増の34億7千万円を計上する一方で、地方交付税の不足分を補う臨時財政対策債は前年度比4億3,500万円減の12億6,500万円を計上しました。
市債は、合併特例債と臨時財政対策債などにより総額で40億5,980万円となりましたが、発行額を元金償還額内に抑制したことにより、平成31年度末の市債残高は、前年度末から10億4,935万円ほど減少する見込みであります。
また、財源不足に対処するため、財政調整基金を22億5,600万円取り崩し、これにより平成31年度末の財政調整基金残高は、16億6,488万円となる見込みであります。

4 重点施策

次に、第2次総合計画の4つの重点施策に沿って、平成31年度の重要な取り組みについて申し上げます。

(1)掛川への新しいひとの動きをつくる

  1. 文化振興
    はじめに、「教育・文化日本一」を目指した文化振興施策についてであります。
    かけがわ茶エンナーレにつきましては、平成32年の第2回開催に向け、プレイベント等を開催して市民の機運醸成に努めるとともに、市内外への積極的な情報発信を行ってまいります。あわせて、前回の開催において、市内各地で芽吹いた市民活動や地域独自の魅力発信活動を継続的に発展させ、より多くの市民参加による事業展開を図ってまいります。
    松ヶ岡につきましては、歴史的風致維持向上計画に基づく「歴史的風致形成建造物」に指定し、国の支援を最大限活用できる体制を整えるとともに、実施設計を基に山﨑家が転居した後に取り付けられた部材の撤去工事に着手し、その後5年間を目途に本格的な修復工事を実施してまいります。今後も、市民の皆様とともに募金活動による事業費の確保に取り組み、「現代版教養館」としての活用を行ってまいります。
    三熊野神社大祭の祢里行事につきましては、国の文化審議会において「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択するよう文化庁長官に答申がされました。文化庁から選択を受けた後には、国の補助金を活用し、地元の研究会の方々と連携して、引き続き、国の重要無形民俗文化財指定に向けた取り組みを進めてまいります。また、日本遺産については、関係各位のご協力をいただき、『薪を背負った金次郎さんのメッセージ~「道徳門」「経済門」と7つの木造遺産~』をタイトルとして、文化庁へ申請し、現在、審査が行われております。
  1. 多極ネットワーク型コンパクトシティのまちづくり
    次に、多極ネットワーク型コンパクトシティのまちづくりについてであります。
    都市計画マスタープランと立地適正化計画に基づき、安全・安心に住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、地域の拠点への都市機能の集約や、拠点同士を繋ぐ交通ネットワークの充実を推進してまいります。
    中心市街地の活性化につきましては、まちなかの賑わい創出、交流人口の増加、居住の促進を目標に掲げ、中心市街地活性化基本計画に基づく58事業を積極的に推進してまいります。駅前西街区については、掛川信用金庫の進出が決定いたしましたので、その開発効果がまちなか全体に波及していくよう協力してまいります。
    下垂木地区では、民間の土地区画整理事業と歩調を合わせ、地区計画に基づく新たなまちづくりを推進するため、都市再生整備計画事業に取り組んでまいります。
    公共交通の充実につきましては、地域公共交通網形成計画に基づき、市民、交通事業者、市など、様々な主体の協働により、地域公共交通を「守り・育てる」取り組みを推進してまいります。また、昨年より始まった掛川大須賀線の一般化や中地区での生活支援車の利便性をより高めることと合わせ、自主運行バスの改善を進めて、中心市街地と各地域とのネットワーク強化を図ってまいります。
  1. 観光戦略とシティプロモーション
    次に、観光戦略とシティプロモーションについてであります。
    観光戦略につきましては、平成37年度の観光交流客数400万人に向け、現在、観光振興計画を策定しております。また、整備中の粟ヶ岳世界農業遺産茶草場テラスが3月には完成し、5月末にオープンいたします。こうした掛川ならではの地域資源を活かしながら、市民や掛川ファン、観光関連事業者、関係団体と連携した取り組みを、計画的に推進してまいります。
    また、4月から6月まで開催される静岡デスティネーションキャンペーンでは、地方自治体、JR6社、地元関係者、旅行業者が連携し、全国に向けて静岡県の集中的な広告宣伝やプロモーション活動を実施いたします。観光列車の運行や観光商品企画などと連携した誘客とおもてなしにより、県や中東遠地区との広域交流観光を推進してまいります。
    シティプロモーションの推進につきましては、これまでの取り組みにより、高校生や市民活動団体など市民による活動が活発になってきていることから、それらを磨き上げ、今まで以上に市民総ぐるみによるシティプロモーションを仕掛けてまいります。また、「あなたの夢、描いたつづきは掛川で。」のブランドメッセージとともに、まちの魅力を発信し、世界中からの「関係人口」を増やす取り組みを実施してまいります。
    移住・定住の促進につきましては、大都市圏での移住相談会を開催するとともに、新たに移住・就業支援金制度を創設、活用することで、若者と子育て世代をメインターゲットに取り組みを加速させてまいります。
    ふるさと納税につきましても、制度の趣旨に沿う適正な運用の中、地域経済への貢献につながるよう、掛川市の地場産品として魅力的な返礼品の開発や、さらに多くの方が掛川市に目を向けてもらえる積極的な情報発信に努めてまいります。
  1. ラグビーワールドカップ
    次に、ラグビーワールドカップについてであります。
    いよいよ9月20日から11月2日までの間、ラグビーワールドカップ日本大会が、全国12会場で開催されます。エコパスタジアムでは、日本戦を含む4試合が行われ、国内外から多くの観戦客が訪れます。掛川市として、大会組織委員会や静岡県、近隣市町など関係機関と連携を図りながら、万全の状態で大会を迎えられるよう準備を進めてまいります。また、エコパスタジアムの玄関口として、この絶好の機会を逃すことの無いよう、官民協働によるオール掛川で、掛川らしい「おもてなし」による賑わいづくりを創出するなど、魅力発信にも努めてまいります。
    さらに、地元での開催が市民の盛り上がりに繋がるよう、エコパスタジアムで対戦する8か国について、中学校区単位で決めた応援のぼり旗を地域で掲出するなど、より一層の機運醸成を図ってまいります。
    また、掛川市は磐田市と共同でアイルランド、ロシア、オーストラリアの代表3チームの公認キャンプ地となっています。各チームがベストコンディションで試合に臨めるよう、磐田市と連携し準備を整え、支援してまいります。

(2)掛川にしごとをつくり安心して働けるようにする

  1. しごとづくり
    はじめに、しごとづくりについてであります。
    地域経済を支える産業基盤の強化につきましては、これまでの企業誘致により、菖蒲ヶ池工業団地、新エコポリス第1期・第2期及び上土方工業団地で18社が操業し、約2,700人が就労しています。昨年、製造業2社から進出意向が示された大坂・土方工業用地については、平成31年度中には造成工事に着手し、平成33年春の造成完了を目指して、進めてまいります。また、上西郷工業用地については、引き続き積極的な企業誘致活動を行い、新エコポリス第3期工業団地については、用途地域指定の手続きを進めるとともに、経済状況や企業動向を的確に把握しつつ、民間活力の導入による工業団地の開発を目指してまいります。
    南西郷地内の低未利用地につきましては、掛川駅や東名掛川インターに近い立地特性を活かした有効活用について、掛川市の将来都市構造を踏まえて検討を進めてまいります。
    中小企業の支援につきましては、企業の生産性向上のため、人材の確保や育成、経営の革新を支援するとともに、「協働による中小企業振興基本条例」に基づく、中小企業振興計画の策定を進めてまいります。また、創業希望者への支援体制を充実するため、商工団体や金融機関などの支援機関と連携し、相談窓口の開設や創業支援セミナーを開催するとともに、既存事業者には、中東遠タスクフォースセンターによる事業拡大や新規事業進出に対する実務支援を行ってまいります。
    地場産品の振興につきましては、危機的状況にある葛布産業の復活、承継に向けて、産学官の連携により後継者の養成や葛の多方面での利活用について調査、研究を進めるとともに、掛川市の伝統産業としての葛布の周知に努めてまいります。
  1. 掛川茶の振興
    次に、掛川茶の振興についてであります。
    全国的に茶業の厳しい状況が続く中でも、掛川市がお茶のまちであり続けるため、産地賞の連続受賞が裏付ける「美味(あじ)」と「品質」、緑茶効能の「健康」、世界農業遺産の「環境」の4つをキーワードとして、掛川茶ブランドの確立を目指してまいります。テアニンなど緑茶の健康効能を積極的に調査・発信し、お茶需要の拡大に繋げるとともに、ラグビーワールドカップなどで掛川を訪れる方々に、煎茶文化と深蒸し掛川茶の魅力を伝え、「楽しく、おしゃれ」にお茶を淹(い)れる新たなライフスタイルを国内外へ拡げてまいります。
    また、「掛川茶輸出戦略」に基づき、海外市場での販売促進活動をはじめ、生産供給体制を構築するための有機栽培の促進、抹茶生産拡大のためのてん茶加工、有機認証の取得や輸出用茶葉の残留農薬検査等への支援をしてまいります。
    茶の生産振興につきましては、担い手への効果的な茶園集積や、共同管理組織の育成など地域との話し合いを進め、共同茶工場の経営体質の強化を図るための検討、支援を進めてまいります。
  1. 力強い農林業の確立
    次に、攻めの農業、儲かる農業への取り組みについてであります。
    基盤整備事業実施区域を中心に「人・農地プラン」に基づく地域の話し合いを進め、担い手の創出や組織化・法人化の支援、農地の集積・集約及び複合経営の導入支援を進めてまいります。
    イチゴやトマト等の施設園芸につきましては、農協等の関係機関と連携し、ICTを活用した生産拡大・高付加価値化・生産コストの低減を図り、産地の収益力の強化を推進してまいります。
    オリーブの産地化につきましては、新たな主要作物として栽培を拡大し、荒廃農地の解消や農家所得の増加、さらには、お茶とオリーブの食生活による健康寿命の延伸を目指し、企業、研究機関、学校など多様な主体を巻き込みながら、栽培・加工・流通・消費地化を推進してまいります。
    互産互消の推進につきましては、推進母体である地域商社「合同会社互産互生機構」と連携し、地方都市同士の地域間交流の取り組みを拡大し、掛川市の持つ他に誇れる多くの特産物等を発信し、経済の活性化や、観光交流・二拠点居住に結びつけてまいります。
    森林整備の推進につきましては、平成31年度から市町に配分される森林環境譲与税を財源として、地域の実情に応じた事業を進め、県が実施してきた「森の力再生事業」とともに森林整備を推進してまいります。また、森林・林業において専門的かつ高度な知見・技術を有する専門家を「林政アドバイザー」として任用し、掛川市の森林・林業行政全般に参画していただき、森林・林業の振興に向けた取り組みを加速させてまいります。

(3)若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる

  1. 学びの協働アクションプロジェクト
    「教育・文化日本一」を目指した取り組みとしまして、「教育大綱かけがわ」に基づき、子どもたちの未来のために、何をすべきか、何ができるのか、といった視点に立って、子どもたちが健やかに育つよう、様々な教育施策を進めてまいります。
    小中一貫教育の推進につきましては、さらなる教育の質の向上を図るため、指定研究校として原野谷学園及び城東学園を指定し、義務教育9年間を見通した、系統性のある掛川ならではの小中一貫教育を研究してまいります。あわせて、情報化の進展や少子化など社会の急激な変化に対応し、子どもたちが多様な人々と関わり、学び合える学校施設のあり方についても検討してまいります。
    昨年夏の災害ともいえる猛暑を受けて進めております小中学校へのエアコン整備につきましては、6月の梅雨の前までに稼働ができるよう努め、教育環境の向上を図ってまいります。
    「確かな学力」の育成につきましては、子どもたちに必要な資質や能力を「かけがわ型スキル」と定義し、それらを身に付けるために、だれもがわかりやすいユニバーサルデザインを意識した学習指導や学習環境の整備を進めてまいります。また、先日、北中学校の生徒が「Pepper社会貢献プログラム」で全国優勝いたしました。この「Pepper」やICT機器を効果的に活用しながら、子どもたちの情報活用能力を高めるとともに、情報モラルに関する指導を充実してまいります。外国語教育の充実につきましても、ALTの学校派遣や小中一貫カリキュラム「新かけがわスタンダード」の活用研究を進めるとともに、子どもの英語力の実態把握及び課題を明確にする「英検IBA」を活用して、授業改善にも取り組んでまいります。
  1. 子育て施策の推進
    次に、子育て施策の推進についてであります。
    急速な少子化の進行、家庭や地域を取り巻く環境の変化に対応し、乳幼児の教育・保育や子育て支援の充実を図るため、平成32年度を始期とする「第2期子ども・子育て支援事業計画」を策定してまいります。
    待機児童ゼロの取り組みにつきましては、4月にすずかけっこ保育園が拡張され定員が90人増えるほか、新たに定員19人と12人の小規模保育事業所2園が開園いたします。さらなる取り組みとして、南西郷地内に平成32年4月の開園に向けて、社会福祉法人が実施する定員138人の認可保育園の施設整備や、智光幼稚園の認定こども園化に対して助成してまいります。企業主導型保育事業については、4月に定員16人、10月に定員19人の企業内保育所が開園する予定であります。また、保育士や幼稚園教諭の確保を図るため、就職に係る必要な費用を貸与する制度を新設してまいります。これらの事業を総合的に行うことにより、待機児童ゼロを目指してまいります。
    大東大須賀区域認定こども園化の推進につきましては、4月に1園目となる「おおさかこども園」が開園し、平成32年4月開園予定の「ちはまこども園」建設工事や「(仮称)横須賀認定こども園」の用地取得等を支援するとともに、引き続き、公立幼稚園と私立保育園職員の人事交流を行ってまいります。
    掛川流子育て応援事業「スキンシップのすゝめ」につきましては、桜美林大学の山口創(はじめ)教授と掛川市が協働で実施している研究の最終年度となります。その結果を基に、さらに市民へスキンシップの重要性を普及・啓発してまいります。
    合わせて、家庭の子育て力の向上のため、子育てコンシェルジュの訪問活動や、子育て総合案内サイト「かけっこ」の機能拡充、「ベビープログラム実施事業」、「ゆったり子育て三世代同居応援事業」等により、子育てに対する不安解消を図り、安心して産み育てることができる環境づくりを進めてまいります。また、企業の子育て力向上のため、子育てと仕事の両立に配慮した環境整備についても推進してまいります。
    学童保育につきましては、市内22小学校区に35クラブの学童保育所が開設されています。放課後の子どもの育成を一体的に行うため、所管を教育委員会に移管するとともに、放課後の子どもの居場所を確保し、安全・安心な環境で子どもたちが過ごせるよう、受け入れ施設の拡充に努めてまいります。
  1. 社会的弱者への支援
    次に、社会的弱者への支援についてであります。
    障がい者の就労支援につきましては、定着率の向上に重点を置き、相談事業及び事業所訪問の強化などにより、障がい者を幅広くサポートするとともに、特例子会社の設置促進等により、さらなる雇用の場の創出にも取り組んでまいります。
    また、中東遠障がい者歯科医療研究会が実施している、障がい者歯科診療への支援や、総合福祉センターへの点字ブロックの設置など、障がいのある方のための環境整備に努めてまいります。
    子どもの貧困対策につきましては、関係機関からの情報を集約し、適切な対応が図れるよう、こども希望課にコーディネーターを配置し、掛川市に住むすべての子どもたちに、心豊かな生活と充実した学びの支援をしてまいります。

(4)明日の掛川をつくり豊かで潤いのある安心な暮らしを守る

  1. 防災体制の強化
    はじめに、防災体制の強化についてであります。
    先日、静岡県は、市町と連携して津波対策などを推進した結果、第4次地震被害想定の死者数が4割減少したとの発表を行いましたが、依然として6万人以上の死者数が想定されています。掛川市でも、今後さらに、市民・地域・企業・市民活動団体・行政が協働して、自然災害による死亡者ゼロを目指す「掛川市国土強靱化地域計画」に基づき、いかなる災害にも負けない強靱な地域づくりに取り組んでまいります。
    地震による死者を減らすため、自助としての住宅の耐震化や危険ブロック塀の撤去を進めるとともに、家具の固定、耐震シェルター、防災ベッド、感震ブレーカーの設置など、家庭内の安全対策を進めてまいります。
    さらに、台風や大雨による風水害、土砂災害などの災害に対して、防災ラジオの設置、防災メールの登録、各家庭において「防災ガイドブック」を活用して「家庭の避難計画」を作成されるよう、引き続き啓発に努め、各種防災訓練に、家族全員での参加を促し、家庭の防災力が向上するよう取り組んでまいります。また、地域防災力の底上げを図るため、地区防災計画の作成を進めるとともに、防災リーダーや避難所運営の担い手を、すべての自主防災組織で育成できるよう、積極的に支援してまいります。そして、小・中学生を対象とした、防災学習の機会をつくり、次世代の防災リーダーを育成していくなど、将来にわたる「自助力」「共助力」の強化に努めてまいります。
    昨年の大規模停電を受け、停電被害の低減を図る新たな取り組みとして、停電原因の一つである倒木が減るよう、地域、電力事業者、行政で危険箇所のパトロールを行ってまいります。
    原子力災害への備えとしましては、これまで広域避難計画の避難先となる愛知県や富山県の市町村と受け入れの調整を重ねてまいりました。今後も避難先での対応や要支援者の避難計画の方針について、細部の検討を重ね、各地域で説明会を開催し、放射線の防護について周知してまいります。
  1. 災害対策の強化
    次に、災害対策の強化についてであります。
    海岸防災林強化事業「掛川潮騒の杜」の整備につきましては、国や県、さらには民間からの土砂の提供により盛土材の確保に努め、平成38年度の完成を目指して全力で推進してまいります。合わせて、市民、企業等との協働により推進しております「希望の森づくり事業」による植樹・育樹活動を、引き続き推進してまいります。
    災害に強い社会基盤の整備につきましては、災害時の避難路確保のため、耐震補強や修繕が必要な橋梁について、耐震化及び長寿命化を計画的に推進してまいります。また、近年の異常気象による浸水被害を防ぐため、河川改修や浸水対策など生活基盤の整備を図り、災害に強いまちづくりを推進してまいります。
    土砂災害対策につきましては、市内1,426箇所の危険箇所の基礎調査及び土砂災害警戒区域の指定を、平成31年度中に完了するよう県とともに推進し、ハード対策とあわせてハザードマップの作成・配布によるソフト対策を充実させてまいります。
  1. 消防力の強化
    次に、消防力の強化についてでありますが、平成30年中に発生した火災は39件で、前年より7件増加し、工場や店舗等の建物火災が多く発生しました。救急出動は4,207件と、前年より281件の大幅な増加となり、高齢者に起因する事案の増加や、猛暑に伴う熱中症による出動が75件と前年の約3倍となったことが影響しております。増加する市民からの要請に対応するため、救急隊の増隊に向け、消防職員の増員と車両の更新を進めてまいります。
    火災予防対策につきましては、火災による死者ゼロを目指し、小規模な対象物の立入検査を強化するとともに、一般家庭においては住宅用火災警報器の設置を推進し、市民の安全・安心の確保に努めてまいります。
    また、地域防災力の中核を担う消防団は、地域や企業のご理解とご協力をいただき、平成30年度の団員数は801人と増加傾向にあります。引き続き、団員確保に努めるとともに、地域から感謝され、尊敬され、魅力ある消防団を目指すため、自主防災会との連携強化や、常備消防と連携した地域防災力の強化に資する教育訓練を実践し、地域防災のエキスパートとしての育成を行ってまいります。
  1. 南北幹線道路等の整備
    次に、南北幹線道路等の整備についてであります。
    合併推進道路整備事業である南北幹線道路大東ルートの市道掛川高瀬線改良事業につきましては、平成30年度末までに全ての用地買収が完了となりますので、これまで以上にスピード感を持ち、早期完成を目指し、事業推進を図ってまいります。
    また、大須賀ルートの県道袋井小笠線、県道大須賀掛川停車場線の西大谷トンネル周辺区間につきましては、昨年11月に保安林解除がされ、県事業として着実に進捗しておりますので、引き続き早期完成を県に強く要望してまいります。
    国道1号バイパスにつきましては、交通事故や慢性的な渋滞を解消するために、掛川・日坂バイパスの早期4車線化について「島田・磐田間バイパス建設促進期成同盟会」による要望活動に加え、市議会や関係自治会とも協力して国に強く要望してまいります。
  1. 交通事故と犯罪の防止
    次に、交通事故と犯罪の防止についてであります。
    平成30年の市内における交通事故発生状況は、事故件数、負傷者数、死者数ともに前年と比べトリプル減となっています。しかし、高齢運転者の事故は増加していますので、関係機関と連携して、高齢者や子どもの交通事故防止を重点に、交通安全運動や交通安全教育に取り組んでまいります。
    犯罪の防止につきましては、警察や防犯協会、地域自主防犯活動団体と連携し、市民への啓発のほか、青色回転灯装備車によるパトロール活動などにより、身近な犯罪の防止に取り組むとともに、防犯リーダーの育成や、LED防犯灯設置の支援を行い、地域の犯罪抑止力の向上を図ってまいります。
  1. 安全・安心・効率的な上下水道
    次に、安全・安心・効率的な上下水道についてであります。
    市民生活に不可欠なライフラインである水道事業につきましては、老朽化対策や有収率向上を図るため、一般配水管改良事業を行うとともに、基幹管路の耐震化対策及び非常電源の設置を含めた原里配水池改修工事を行ってまいります。また、水道事業の広域化に向けて、共同で業務を委託することなど、東遠4市で協議を進めてまいります。
    下水道事業につきましては、生活排水処理実施計画に基づき、公共下水道の整備とともに、合併浄化槽個人設置の促進を図り、市内全域での汚水処理施設整備を推進してまいります。あわせて、下水道の防災対策や、施設を適切に維持管理・更新していくためのストックマネジメントの実施計画を策定してまいります。
    また、公共下水道事業、農業集落排水事業及び浄化槽市町村設置推進事業の3特別会計については、平成32年度からの企業会計移行に向けた準備の総仕上げに取り組んでまいります。
  1. 健康づくりの推進
    次に、人生百年時代を見据えた健康づくりの推進についてであります。
    掛川市民の健康増進と食育推進を促進するため、生涯お達者市民推進プランに基づき、食事・運動・健康診断・社会参加を市民に呼びかけるとともに、家庭・職場・地域での健康づくりの環境を整え、みんなの健康はみんなで守ることができるよう、市民総ぐるみで進めてまいります。
    特定健診の未受診者対策として、AI分析による効果的な受診勧奨と節目年齢の特定健診自己負担額の無料化を新規に行ってまいります。さらに、がん検診と同時受診ができる総合健診化を進め、受診しやすい環境づくりを整えてまいります。
    母子保健への支援強化につきましては、産後うつの予防や新生児への虐待予防を図るための「産婦健康診査事業」、出産後の体調がすぐれない方、育児に自信が持てない方で、身近に支援者がいない方をサポートする「産後ケア事業」を新たに開始いたします。
    「ふくしあ」が市内全域に設置され5年目となります。これからの「ふくしあ」のあり方を研究するため、地域や市民のニーズ調査を行い、掛川型地域包括ケアシステムのさらなる充実、推進を図ってまいります。
    高齢者施策につきましては、第7期介護保険事業計画に基づき、介護予防対策の充実と、人と人との繋がりを通じて、生きがいづくりや役割を持って生活する高齢者が増えるよう、住民主体の運営による「集いの場」の充実を図るとともに、地域のリーダーを育成してまいります。
    また、認知症対策については、早期発見、早期対応が重要でありますので、認知症サポート医や認知症地域支援推進員との連携強化に努めるとともに、認知症の方やその家族が悩み事などを共有できる場として、「認知症カフェ」を市内2箇所に設置してまいります。
  1. 公共施設マネジメントと働き方改革の推進
    最後に、公共施設マネジメントと働き方改革の推進についてであります。
    社会情勢が変化し続ける中で、健全な財政運営を確保し、最適な行政サービスを提供するためには、常に改革を実行していくことが必要不可欠であると考えております。
    公共施設マネジメントの推進につきましては、公共施設の使用の安全・安心を確保しつつ、サービスを最適で持続可能なものとするため、公共施設の適正配置の方針を策定してまいります。方針の策定にあたっては、その内容に実行性を持たせるため、数値目標と実施時期の目安を設定し、老朽化した施設や、機能と利用圏域の重複する施設等の統廃合、複合化、多機能化などを検討してまいります。
    また、働き方改革の推進につきましては、超過勤務命令の上限を設けることで超過勤務の縮減を図るとともに、時差勤務制度のさらなる推進や、定型業務を自動化するRPA(Robotic Process Automation)を活用した業務改善を進め、効率的で多様な働き方の推進に努めてまいります。さらに、職員がどこでも業務が行えるテレワークを実現するための環境整備や、セキュリティや大規模災害時の安全性の確保のため、庁内情報システムのクラウド化をスピード感を持って進めてまいります。

おわりに

産業革命以来、人類は化石燃料の燃焼によって動力を生み出し、便利な文明社会を築いてきました。その一方で、燃焼によって生まれる温室効果ガスは増え続け、地球温暖化や異常気象にもつながり、その削減は、人類が力を合わせて取り組まなければならない課題となっています。
かつて、日本は、高度経済成長の負の遺産として公害問題に直面した際、市民運動が大きな流れとなり国や企業を動かし、その努力は今、世界トップレベルの環境技術につながっています。
全ての市民が知恵と勇気を出し合って起こす行動は、新たな技術や仕組みを生み出し、次の時代に対応した持続可能な社会を築く、大きな渦となり力となります。
協働のまちづくり、脱炭素社会、多極ネットワーク型コンパクトシティ、これらはまさに、これからの持続可能な社会づくりに向けての重要なキーワードであります。行政だけではなく、市民や企業など多様な主体が、積極的にまちづくりに関わることによって、初めて実現が可能となります。
教養、報徳、生涯学習から、協働へと続いている、掛川市の高い市民力。
私は、この崇高な市民力を有する全ての市民とともに、来たるべき新しい時代に対応した、夢と希望に満ちあふれ、輝きを持った、誰もが住みたくなるまちを、協働という確かな理念によって創ってまいります。

以上、新年度の予算等についてご審議いただくこの議会の冒頭に、改めて平成31年度の市政運営に対する私の思いを述べさせていただきました。着実な事業実施に向け、議員各位のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げます。

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