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令和2年度施政方針

2020年2月19日更新

令和2年第1回市議会定例会の開会に当たり、施政方針を述べさせていただきます。

1 はじめに

およそ半世紀ぶりに東京オリンピックが開催されます。
1964年、当時の日本は、第2次世界大戦で焦土と化した国土から復興を遂げ、再び世界の檜舞台に立つ、歴史的にも大きな意義を持った時であり、同時に東海道新幹線の開業など、世界に誇る交通インフラが急速に整っていった時代でした。オリンピックは、大成功を収め、世界に日本の復興を印象づけ、国民に夢と希望と誇りを与えてくれました。
その後、日本は、高度成長を加速させ、世界第2位の経済大国を経て、今の豊かな社会を築くに至っています。
昭和、平成の時代が過ぎ、令和の時代となった今、この豊かな国は、人口減少、超高齢化の課題を引き継ぎながらも、次の主役である子ども達の未来のために、持続発展可能な国づくりを追求しております。基礎自治体においても、これらに対応したまちづくりが求められています。
私は、市長就任以来、新たな公共モデルとして「協働のまちづくり」を掲げ、地域の基盤となる地区まちづくり協議会の立ち上げから、市民や企業との協働も進め、行政主導から市民主体のまちづくりへの転換を図ってまいりました。
これからの超高齢社会にあって、複雑・多様化する市民ニーズに応えるには、行政だけでは限界があり、市民力や地域力、企業の力を融合した協働のまちづくりがますます重要となってきます。
今年、掛川市の新しい総合計画が動き出します。新しい総合計画を掛川版SDGs(エズ・ディー・ジーズ)と位置づけ、すべての人に優しく、ホスピタリティあふれ、持続発展可能なまちを、これまで培ってきた協働の力によって築いてまいります。

2 令和の時代に向けて

次に、令和の時代に向けた5つの取組について申し上げます。

1 人口減少に挑む

はじめに、全国の基礎自治体が直面している最大の課題である人口減少についてであります。
掛川市の人口は、社会動態の増加は続いているものの、自然動態は平成22年度以降減少となり、昨年は出生910人に対し、死亡1,237人と300人を超える自然減となりました。
人口減少の影響は、消費の減少による地域経済の衰退、働き手や担い手の不足、地域コミュニティの機能低下など、あらゆるものに及びます。
持続発展可能な掛川市を目指し、2040年に人口12万人を達成する。この目標に向かって、今後1万人を超えるであろう外国人との多文化共生社会を実現し、結婚・出産・子育てに希望を持つことができるよう、教育や子育て環境の充実を進め、さらには、安定した生活を支え、安心して働くことのできる優良な企業の誘致を図ってまいります。
また、価値観の多様化による未婚や晩婚化も政策上の課題として捉え、人口減少という難題に真正面から取り組んでまいります。

2 地域循環共生圏の確立

次に、地域循環共生圏の確立についてであります。
昨今の異常気象の原因である地球温暖化問題は、全世界、全世代に共通する最重要課題の一つであります。
掛川市としても、温室効果ガスの削減に繋がる再生可能エネルギーの普及は喫緊の課題と考えています。
この課題に対応するため、公民連携による、地域循環共生圏の確立に向けた取組を進めてまいります。
具体的には、再生可能エネルギーの普及を促進し、地産地消による地域経済の活性化を目的に設立した「かけがわ地域循環・活性化協議会」の取組の中で、事業利益を還元すべき地域課題の抽出、整理を行ってまいります。併せて、地域新電力会社の令和3年度当初の開業に向けた準備を進めてまいります。

3 インバウンドの取り込みによる経済活性化

次に、インバウンドの取り込みによる経済活性化についてであります。
10年前、年間1千万人に満たなかった訪日外国人旅行者は、昨年3千万人を超えるまでになり、新型コロナウイルスによる影響はあるものの、将来的に大きな増加が見込まれています。
人口減少による内需の縮小や社会の成熟化が経済成長の制約要因となる中で、増加するインバウンドや海外の活力を取り込んでいくことは、経済の活性化に繋がる有効な手段であります。
掛川市は、広域交通の結節点であり、日本のゴールデンルートの中間に位置しています。
「つま恋」の日印文化センター構想の進展や、松本亀次郎記念館の活用を図るとともに、掛川城などの歴史文化施設や掛川桜、掛川茶などの素晴らしい地域資源を海外に向けて積極的に情報発信することで、多くのインバウンドを取り込み、掛川市の観光産業の発展と経済の活性化に繋げてまいります。

4 未来型まちづくりの構築

次に、未来型まちづくりの構築についてであります。
今回の総合計画の改定では、20年後の掛川市を見据え、将来ビジョンをまとめました。そのときの掛川市は、人口の3分の1が高齢者となり、外国人も1割を占め、一方でロボットが生活に浸透し、市民が快適に生活をしている。そのような社会になることを想像しました。
掛川市としても、テクノロジーを活用したSociety5.0(ソサエティ5.0)を研究し、地域課題に対応し、持続発展可能なSDGs(エズ・ディー・ジーズ)未来都市を目指していく必要があり、それには多くの知見と産官学との連携が重要となってきます。
多様な関係者と協力し、様々なテクノロジーによって、人とモノを繋ぎ、新しい移動手段の研究などを進めてまいります。

5 公共施設マネジメントの推進

次に、公共施設マネジメントの推進についてであります。
これからの掛川市のあり方、地域のあり方にも繋がる公共施設マネジメントは、人口動向や財政の見通し、市民ニーズなどに配慮しながら進めていくべき重要な取組であります。
今年度に実施した地区説明会やアンケート調査などの結果を踏まえ、10月を目途に策定する公共施設再配置計画において、各施設ごとの方向性や実施時期をお示しし、その後、個別案件ごとの具体的な検討に入っていきたいと考えています。
その中核となる小中学校の再編計画については、将来を担う子どもたちを第一に考えて学校再編基本計画の案をまとめ、パブリックコメントや中学校区ごとの地域説明会により市民の意見を反映しつつ、公共施設再配置計画にあわせて策定をしてまいります。

3 自治体経営の基本事項

1 組織機構

令和2年度の組織機構については、総合計画の個別施策を着実に進めることができ、効果的かつ効率的な事務執行に資する組織といたしました。
まず、文化芸術事業やスポーツイベントによる交流人口を拡大するため、協働環境部内に「文化・スポーツ振興課」を設置し、文化とスポーツの一元的な振興を図ってまいります。また、文化財の保護に関する事務を教育委員会から移管し、文化財をまちづくりに活用することで、地域の活性化を促進してまいります。
近年の集中豪雨や大型台風の多発に対して、市民の生命や財産を守るため、浸水被害の軽減や解消対策が急務であることから、「土木防災課」を設置し、土木防災体制を強化することで、災害に強いまちづくりを推進してまいります。
また、海岸防災林強化事業やふじのくにフロンティアなどの大規模事業を一元的に行い、円滑な都市づくりを推進するため、「基盤整備課」を設置し、事業推進体制の強化を図ってまいります。
安全・安心な給食を提供するため、教育委員会内に「こども給食課」を設置し、より高度なアレルギー対策などが行えるよう大須賀学校給食センターと大東学校給食センターの統合を進めてまいります。

2 当初予算

令和2年度当初予算は、"誰も取り残さない社会の実現"SDGs(エズ・ディー・ジーズ)時代だからこそ、これまで培った協働力でまちづくりを推進という理念を持ち、「令和の新時代 サスティナブルなまちづくりスタート予算」としました。
全体としては、一般会計予算は、507億8千万円で、対前年度比26億3千万円、5.5%の増、また、特別会計と企業会計を合わせた予算総額は、851億9,893万円となりました。
予算編成に当たっては、新しい第2次総合計画の6つの戦略を着実に推進する事業を中心に予算計上しました。
「教育・文化」では、原野谷中及び城東中の小中一貫校基本計画策定事業やかけがわ茶エンナーレ事業、「健康・子育て・福祉」では、認定こども園建設や地域医療拡充支援診療所誘致等補助金、「環境」では、地域新電力会社出資金や徳育保健センター照明LED化事業、「産業・経済」では、掛川茶高付加価値化支援や産地パワーアップ事業、「安全・安心・都市基盤」では、橋梁耐震補強・海岸防災林整備やはしご付消防車の整備、「協働・広域・行財政」では、地域おこし協力隊活動事業などを予算化しています。
歳入の根幹をなす市税収入については、前年度当初予算と比べ、マイナス1.5%、3億2千万円減の207億1千万円を見込みました。その主な理由は、企業の業績悪化に加え税率改正の影響による法人市民税の減によるものです。
普通地方交付税及び臨時財政対策債は合わせて4億7千万円減の35億2千万円を計上しました。一方で、その他の税制改正の影響としまして、地方消費税交付金は前年度比5億4千万円増の27億5千万円を計上し、また、法人事業税交付金の新設により2億2千万円を計上しました。
市債は、合併特例債と臨時財政対策債などにより総額で51億3,520万円となり、令和2年度末の市債残高は、前年度末から1億3,799万円増加する見込みであります。
また、財源不足に対処するため、財政調整基金を27億2,200万円取り崩し、これにより令和2年度末の財政調整基金残高は、10億5,545万円となる見込みであります。

4 重点施策

次に、新しい第2次総合計画の6つの戦略に沿って、令和2年度の重点施策について申し上げます。

1 生涯にわたりこころざし高く学び心豊かに暮らすまち

1. 心豊かにたくましく生きる子どもの育成

はじめに、心豊かにたくましく生きる子どもの育成についてであります。
確かな学力の育成につきましては、子どもたちに必要な資質や能力を「かけがわ型スキル」と定義し、それらを身に付けるため、ユニバーサルデザインを意識した学習指導や、Pepper(ペッパー)やICT機器を効果的に活用した学習を充実してまいります。外国語教育の充実につきましては、ALTの学校派遣や小中一貫カリキュラム「新かけがわスタンダード」の活用研究を進めるとともに、英検IBAを活用した授業改善にも取り組んでまいります。
小中一貫教育につきましては、原野谷学園、城東学園における指定研究の成果を基に、かけがわ型小中一貫カリキュラムを作成し、義務教育9年間を見通した掛川ならではの小中一貫教育を全校で推進してまいります。
大東及び大須賀学校給食センターの統合につきましては、(仮称)南部学校給食センターとして施設整備を行うための実施設計に着手し、安全・安心な学校給食の提供と運営の合理化・効率化に努めてまいります。

2. 文化芸術の振興

次に、文化芸術の振興についてであります。
かけがわ茶エンナーレ2020につきましては、これまでの準備期間を経て、この秋10月17日から30日間、開催いたします。日本で唯一の「茶」をテーマとした地域芸術祭として、前回を上回る規模で市民の皆様に参画いただきながら、市外からお越しのお客様にも喜んでいただける内容として、掛川市の魅力を全国に向けて発信してまいります。
松ヶ岡の保存活用につきましては、修復工事が進捗し、往時の姿がよみがえってまいりました。今後5年間を目途に、屋根瓦の葺き替えや傷んだ木部の修理などの本格的な保存活用修復工事を実施し、工事完成後の「現代版教養館」としての活用を市民の皆様とともに検討してまいります。
三熊野神社大祭の祢里行事につきましては、国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」の選択による補助金を活用して、民俗文化財調査を実施してまいります。今後3年間をかけて、記録、検証、考察を加え、調査後に報告書を刊行するなど、国の重要無形民俗文化財の指定に向けて、官民協働で取り組んでまいります。

3. 東京オリンピック・パラリンピック

次に、東京オリンピック・パラリンピックについてであります。
オリンピック聖火リレー、パラリンピック聖火採火式を通し、多くの市民が大会を身近に感じ、参画意識が持てるよう、関係機関と連携を図りながら、準備を進めてまいります。
アーチェリーの台湾代表を含む複数の代表チームとビーチバレーボールのモーリシャス代表チームが、事前キャンプを予定しております。オリンピックの舞台で最高のパフォーマンスを発揮できるよう、掛川市としてできるかぎりのおもてなしをするとともに、市民との交流イベントも計画してまいります。
また、「輝くかけがわ応援大使」のソフトボールの山崎早紀選手、パラ陸上競技の山本篤選手、パラサイクリングの杉浦佳子選手は、大会への出場が期待されています。大舞台での地元出身選手の活躍は、市民に勇気と希望を与えてくれます。選手のご家族や地元支援者の協力を得ながら、壮行会やパブリックビューイングを計画し、掛川市民一丸となって応援してまいります。

2 誰もが健やかでいきいきとした暮らしをともにつくるまち

1. 家庭・地域・企業の子育て力の向上

はじめに、家庭・地域・企業の子育て力の向上についてであります。
子どもや子育て家庭を取り巻く環境は大きく変化しており、市民総ぐるみで見守り、支える取組が重要であります。
子育てコンシュルジュの家庭訪問、ゆったり子育て三世代同居応援事業等により家庭の子育て力を向上させるとともに、「スキンシップのすゝめ」により、親子のスキンシップの重要性を普及・啓発してまいります。
また、つどいの広場や子育てサロンなどの地域の子育て活動を支援し、地域ぐるみの子育てを応援してまいります。
仕事と子育ての両立につきましては、「子育てに優しい事業所」認定制度の普及を進めるとともに、企業が実施する独自の子育て支援の取組を市ホームページ等で情報発信するなど、子育てに優しい企業を応援してまいります。また、社会保険労務士との連携によるワーク・ライフ・バランスの啓発・支援や育児休業の取得促進、企業主導型保育所の設置など、各企業の状況に応じた子育てと仕事の両立を推進してまいります。

2. 安心して出産・子育てできる環境づくり

次に、安心して出産・子育てできる環境づくりについてであります。
様々な事情から多くの女性が働きたいと考えている中、幼児教育・保育の無償化もあり、保育ニーズはさらに高まっております。喫緊の課題として捉え、幼児教育・保育施設の整備を進めてまいります。
待機児童ゼロの実現では、4月に、南西郷地内に定員138人の「みなみさいごうのぞみ保育園」、本郷地内と亀の甲地内にも小規模保育事業所が開園いたします。さらなる取組として、令和3年4月の開園に向けて、宮脇地内の公私連携型保育所1園と、智光幼稚園の認定こども園化及び小規模保育事業所2園に対する助成を行うとともに、令和4年4月の開園に向けて、認可保育園1園の支援を行ってまいります。これにより、令和2年度からの3年間で、認可定員を551人増員し、3,070人とする予定であります。また、「お仕事応援相談会」の開催や、「保育士等就職応援資金貸付事業」の周知により、保育士等の人材確保に努め、教育・保育の質の向上を進めてまいります。
大東大須賀区域認定こども園化につきましては、4月に2園目となる「ちはまこども園」が開園します。さらに、令和3年4月開園予定の「(仮称)横須賀認定こども園」の建設支援、「(仮称)大渕認定こども園」、「きとうこども園」の整備も支援してまいります。また、掛川区域の公立幼稚園の今後のあり方についても、検討を重ねてまいります。
学童保育につきましては、今年度から2クラブ増の37クラブが市内全小学校で開設されます。放課後の子どもの居場所を確保し、安全・安心な環境で子どもたちが過ごせるよう、受入施設の拡充に努めてまいります。
子どもの貧困対策につきましては、「子どもの未来応援コーディネーター」を中心に、相談体制の充実を図るとともに、子育て世帯の経済的負担が軽減されるよう、子ども医療費の助成やひとり親家庭に対する支援を行ってまいります。

3. 健康づくりの推進

次に、健康づくりの推進についてであります。
「掛川市人生100年時代構想」を踏まえ、人生100年時代の意義や、健康・学びなどの大切さを呼びかけてまいります。さらに、市民の健康増進と食育推進のため、「生涯お達者市民推進プラン」に基づき、食事・運動・健康診断・社会参加を市民に呼びかけるとともに、家庭・職場・地域での健康づくりの環境を整え、みんなの健康はみんなで、自らの健康は自らで守ることができるよう、市民総ぐるみで進めてまいります。
また、若年がん患者等支援として、昨年11月から開始した2事業に加え、「小児・若年がん患者在宅療養生活支援事業」を開始し、がんに罹っても充実した生活が送れるように支援してまいります。
地域包括ケアシステムにつきましては、その中核となる「ふくしあ」により、在宅における総合支援をさらに推進するとともに、地域の特性に合わせた「ふくしあ健康相談・講座」などを開催し、いきいきとした生活が送れる地域づくりを進めてまいります。
さらに、医師不足や偏在問題を克服し、地域の医療体制を充実するため、開業医の少ない地域へ開業する医師への支援として新たな補助金を創設します。東京女子医科大学掛川キャンパスとの連携につきましては、これまでの看護学部だけでなく、医学部の実習体制支援や診療施設の開設についても協議を進めてまいります。特に、エンドオブライフケア領域について、専門職のリカレント教育や市民教育にも取り組み、地域に必要な人材の育成と総合支援体制の強化に繋げてまいります。

4. 高齢者や社会的弱者への支援

次に、高齢者や社会的弱者への支援についてであります。
高齢者施策につきましては、高齢者ができる限り要介護状態に陥ることなく、介護する人もされる人もいきいきと暮らせる掛川市を目指して第8期介護保険事業計画・高齢者福祉計画を策定してまいります。
高齢者の介護予防や認知症対策については、多様な世代の交流が重要でありますので、地域での世代間を超えた交流を図るため、「ふれあい・いきいきサロン」の全世代対応化を進めてまいります。
また、昨年6月に政府がまとめた「認知症施策推進大綱」に基づき、「共生」と「予防」を両輪として、認知症の普及啓発や支援体制を強化するとともに、認知症予防の運動教室や自主グループ活動への支援を充実してまいります。
社会的弱者への支援につきましても、新たな「東遠地域広域障害福祉計画・障害児福祉計画」を策定し、着実な推進を図ってまいります。また、社会的弱者が地域で希望に満ちた生活を送ることができるよう、「地域福祉計画・地域福祉活動計画」を策定し、包括的な支援体制の充実を目指してまいります。
障がい者の就労支援につきましては、定着率の向上に重点をおき、相談事業及び事業所訪問の強化などにより、さらなる就労の場を創出してまいります。
ひきこもり対策につきましては、子ども・若者育成支援推進法の趣旨に鑑み、関連する庁内部局及び関係機関等による「(仮称)ひきこもり対策協議会」を設立し、多職種による連携体制を強化し、周知・啓発・支援の充実を図ってまいります。

3 美しい自然環境と共生し、エネルギーの地産地消と資源循環を実現した持続可能な まち

1. 再生可能エネルギーの普及促進と自然環境の保全

はじめに、再生可能エネルギーの普及促進についてであります。
太陽光発電施設の普及促進につきましては、かけがわ版シュタットベルケの中で、防災面での機能向上も含め、公共施設及び戸建住宅向けに導入可能な仕組みを検討してまいります。また、山間地及び洋上への風力発電施設については、法令やガイドライン等に基づき、自然環境に配慮した適正事業となるよう指導してまいります。
プラスチックごみ問題につきましては、豊かな自然環境を継承していくために、市民、事業者、行政の各々が自分事として認識し、具体的な行動に繋げていくよう「プラごみアクションプラン」を策定し、資源循環をさらに進めてまいります。
森林環境譲与税を財源とした森林の保全や活用につきましては、市に設置した協議会からの提言を踏まえ、森林経営管理制度による森林整備をモデル地域において実施するとともに、森林所有者への経営管理の意向調査を進めてまいります。また、林道、作業道の整備を積極的に推進し、都市との交流事業を行うなど木材利用の促進を図ってまいります。

2. 安全、安心、効率的な上下水道

次に、安全、安心、効率的な上下水道についてであります。
市民生活に不可欠なライフラインである水道事業につきましては、老朽化対策や有収率向上を図るため、一般配水管改良事業を行うとともに、基幹管路の耐震化対策及び非常用電源の設置を含めた原里配水池改修工事を行ってまいります。また、業務の共同化を目指した協議を、近隣市と進めてまいります。
下水道事業につきましては、生活排水処理実施計画に基づき、公共下水道の整備や合併浄化槽個人設置の促進を図り、市内全域での汚水処理施設整備を推進してまいります。また、公共下水道事業、農業集落排水事業及び浄化槽市町村設置推進事業は、企業会計を開始し、あわせて、適切な維持管理と更新のため、ストックマネジメントを実施してまいります。
リニア工事に伴う水問題につきましては、水の大部分を大井川に依存している掛川市にとって、市民生活や産業の根幹に関わる重要な問題でありますので、静岡県や流域市町と連携し、事業主体であるJR東海に対して、真摯な対応と水資源の確保や環境保全に万全を期すよう求めてまいります。

4 ホスピタリティによる賑わいと活力ある産業を生み出す、世界に誇れるお茶のまち

1. 観光戦略とシティプロモーション

はじめに、観光戦略とシティプロモーションについてであります。
観光戦略につきましては、令和7年度の観光交流客数400万人に向け、観光事業者と連携を強化して、様々な観光誘客事業に取り組んでまいります。
昨年5月にオープンした粟ヶ岳世界農業遺産茶草場テラスは大変好評で、昨年末までに約4万人の方にお越しいただきました。こうした地域資源をさらに磨き上げるとともに、市民や掛川ファン、事業者、関係団体と連携した取組を積極的に推進してまいります。
シティプロモーションの推進につきましては、「あなたの夢、描いたつづきは掛川で。」のブランドメッセージを全市民で共有し、掛川流協働力によるシティプロモーションを充実させてまいります。また、掛川市の魅力発信力を高めるため、ホームページの全面的なリニューアルを行ってまいります。
移住・定住の促進につきましては、大都市圏での移住相談会の開催や移住・就業支援金制度の活用を継続的に行うほか、新たに地域力強化の担い手として「地域おこし協力隊」を導入してまいります。

2. 産業の振興

次に、産業の振興についてであります。
産業基盤の強化の取組として、大坂・土方工業用地については、興国インテック株式会社との契約手続きを進め、令和2年度早々の造成工事の着手を目指し、事業を進めてまいります。上西郷工業用地については、全国から造成工事と企業誘致を合わせて行う事業協力者を募り、令和2年度中の事業開始を目指してまいります。また、新エコポリス第3期工業用地については、用途地域指定手続きを進めるとともに、東山口地区まちづくり委員会と連携し、民間活力の導入による工業用地の開発を目指してまいります。倉真第2PAについては、ネクスコ中日本と現PAとの連結協議を進め、民間事業者と協力して事業の進捗を図ってまいります。
中小企業の支援につきましては、企業の経営力や生産性向上のため、人材の確保や育成、経営革新を支援するとともに、中東遠タスクフォースセンターによる事業拡大や新規事業進出に対する実務支援を行ってまいります。同時に、商工団体や金融機関などの支援機関と連携し、相談窓口の開設や創業支援セミナーを開催するなど、創業者への支援体制を充実してまいります。
地場産品の振興につきましては、掛川市の伝統産業である「葛布産業」の活性化に向けて、掛川葛布事業協同組合が行う後継者育成や伝統的工芸品指定に向けての取組を支援していくとともに、葛の多方面の利活用について、調査・研究を進めてまいります。

3. 掛川茶の振興

次に、掛川茶の振興についてであります。
消費者の嗜好の変化や、生産者の高齢化など、茶業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いていますが、掛川市が日本一の深蒸し煎茶の産地であり続けるため、掛川市茶振興計画に基づく、様々な施策を展開してまいります。
掛川茶の消費拡大につきましては、従来のブランド力に頼るだけではなく、消費者意識の分析や、効果的な情報発信の研究を進め、生産者、茶商、農協及び掛川市が協力して、統一的なブランドイメージの確立を検討してまいります。また、これまで東北地方を中心に実施してきた「掛川茶ひろめ隊」の活動範囲を、大消費地である首都圏にも広め、新たな販路拡大に努めてまいります。
掛川茶の輸出戦略につきましては、輸出戦略事業により構築した米国、英国等の茶業教育機関とのネットワークを活用し、世界への情報発信を行うとともに、海外で需要の高い有機茶及び被覆茶栽培への支援を引き続き実施してまいります。
緑茶の健康効能につきましては、緑茶効能試験「掛川スタディ」の成果を活用したPR活動は元より、静岡県立大学が進めている「テアニンの人に与える影響の研究」にも、積極的に協力してまいります。

4. 力強い農業の確立

次に、力強い農業の確立についてであります。
攻めの農業、儲かる農業への支援につきましては、基盤整備事業実施区域を中心に「人・農地プラン」推進に向けた地域の話し合いを進め、農地利用状況の把握、企業参入など新たな担い手の創出や地域農業者の組織化・法人化の支援、農地の集積・集約及び複合経営の導入支援を進めてまいります。
イチゴやトマトなどの施設園芸につきましては、農協等の関係機関と連携し、ICTなどを活用したスマート農業による生産拡大・高付加価値化・生産コストの低減を図り、収益力の強化を推進してまいります。
オリーブにつきましては、新たな主要作物として栽培を拡大し、荒廃農地の解消や農家所得の増加、さらには、お茶とオリーブの食生活による健康寿命の延伸を目指し、多様な主体を巻き込みながら、産地化・消費地化を推進してまいります。
互産互消の推進につきましては、「合同会社互産互生機構」と連携し、小売事業者の掘り起こしや業務用の流通を開拓するとともに、二宮尊徳ゆかりの北海道豊頃町を足がかりとした北海道の優良食材の調達や、冬期に北海道で不足する葉物野菜や果物の販路拡大を進めてまいります。

5 災害に強く安全で安心な暮らしを支える基盤を整えたまち

1. 防災体制の強化

はじめに、防災体制の強化についてであります。
自然災害による死亡者ゼロを目指す「掛川市国土強靱化地域計画」に基づき、いかなる災害にも負けない強靱な地域づくりに取り組んでまいります。
地震災害の備えにつきましては、自助としての住宅の耐震化や危険ブロック塀の撤去、家庭内では家具の固定化などを促進してまいります。
台風や大雨による風水害、土砂災害などに対しては、防災ラジオの設置、防災メールの登録、「家庭の避難計画」の作成などの啓発に努め、家庭の防災力が向上するよう取り組んでまいります。また、地域防災力の底上げを図るため、地区防災計画の作成を積極的に支援してまいります。
平成27年度に全戸配布した「防災ガイドブック」は5年が経過し、広域避難所の対象地区の見直しや、国や県から「想定される最大規模の浸水想定図」、「水害危険想定図」が示されることを受け、改訂作業に着手してまいります。
原子力災害への備えにつきましては、これまで広域避難計画の避難先となる富山県や愛知県の市町村と受け入れの調整を重ね、富山県の11市町村すべてと「広域避難に関する協定」の締結をいたしました。愛知県の16市町村についても、協定締結に向けた協議を進めてまいります。また、避難先や要支援者の対応等について、細部の検討を重ね、放射線の防護を含め各地域で説明会を開催するなど、周知に努めてまいります。

2. 災害対策の強化

次に災害対策の強化についてであります。
海岸防災林強化事業「掛川潮騒の杜」の整備につきましては、国や県、さらには民間からの土砂の提供により盛土材の確保に努め、令和8年度の完成を目指して全力で推進してまいります。合わせて、市民、企業等との協働により推進しております「希望の森づくり事業」による植樹・育樹活動を、引き続き推進してまいります。
災害に強い社会基盤の整備につきましては、有事の際の輸送路及び避難路を確保するため、耐震補強や修繕が必要な橋梁について、耐震化、長寿命化を計画的に推進してまいります。
また、近年の異常気象による浸水被害を防ぐため、河川改修、浚渫、水路整備を、国や県と連携して進めるとともに、内水氾濫を軽減するための洪水調整機能を持つ施設整備を検討するなど、災害に強いまちづくりを進めてまいります。

3. 消防救急の迅速化・高度化

次に、消防救急の迅速化・高度化についてであります。
昨年中に発生した火災は44件で前年より5件増加しましたが、10年以上連続していた火災による死者は「ゼロ」となりました。一方で救急出動は4,145件と、過去10年間で600件以上増加しています。増加する救急需要への対応として、中央消防署専従救急隊を増隊し、救急体制の充実を図るとともに、市内に200棟以上ある中高層建築物の火災や救助への対応として、「はしご付き消防車」を新たに配備し、災害対応力の強化を進めてまいります。
消防の広域化につきましては、消防救急体制のあり方と、近隣消防本部との一部消防業務の応援など、柔軟な連携・協力体制の構築について、検討を進めてまいります。
また、地域防災力の中核を担う消防団は、地域や企業のご理解とご協力をいただき、今年度、新市発足以来初めて定数803人を確保することができました。引き続き、地域から感謝され、尊敬され、魅力ある消防団を目指し、常備消防や自主防災会と連携した地域防災力の強化に資する教育訓練を実践し、地域防災のエキスパートとしての育成を行ってまいります。

4. 交通事故と犯罪の防止

次に、交通事故と犯罪の防止についてであります。
昨年の市内における交通事故発生状況は、件数や負傷者数は前年に比べて減りましたが、死者数は3人と増加し、このうち2件は高齢者の事故でありました。新たな取組として、高齢運転者が、身体機能の低下を自覚し、慎重な運転を心掛ける「高齢者安全運転自主宣言」を勧めてまいります。
犯罪の防止につきましては、防災メールマガジンによる不審者や振り込め詐欺等の情報提供と、警察や防犯協会、地域自主防犯活動団体との連携による啓発やパトロール活動により、身近な犯罪の防止に取り組んでまいります。また、犯罪被害者等への支援に向けて、条例制定の取組を進めてまいります。

5. 多極ネットワーク型コンパクトシティのまちづくり

次に、多極ネットワーク型コンパクトシティのまちづくりについてであります。
都市計画マスタープランと立地適正化計画に基づき、住み慣れた地域で安全・安心に暮らし続けることができるよう、地域の拠点への都市機能の集約や、拠点同士を繋ぐ交通ネットワークの充実を進めてまいります。
中心市街地の活性化につきましては、まちなかの賑わい創出、交流人口の増加、居住の促進を目標に掲げ、中心市街地活性化基本計画に基づく58事業を積極的に推進してまいります。また、駅前西街区については、島田掛川信用金庫が計画している複合ビルの効果がまちなか全体に波及していくよう協議を進めてまいります。
ウォーカブル推進都市への対応につきましては、これまでの車中心のまちづくりから、道路などの公共空間の再生により、誰もが居心地が良く、歩きたくなるようなまちづくりに向けて取り組んでまいります。
公共交通の充実につきましては、地域公共交通網形成計画に基づき、様々な主体の協働により、地域公共交通を「守り・育てる」取り組みを推進し、各地域間の交通ネットワーク強化を図ってまいります。

6. 幹線道路の整備

次に、幹線道路の整備についてであります。
南北幹線道路大東ルートの市道掛川高瀬線改良事業につきましては、今年度、すべての用地買収が完了しましたので、早期の完成を目指し事業推進を図ってまいります。大須賀ルートの西大谷トンネル周辺区間についても、県事業として着実に進捗するよう、早期完成を県に強く要望してまいります。
公共道路事業である市道郡道坂線、市道桜木中横断線、市道掛川駅梅橋線の3路線につきましては、地域間を結ぶ重要路線であり、歩行者のより一層の安全を早急に確保するためにも、重点的に事業推進を図ってまいります。
国道1号バイパスにつきましては、朝夕の通勤時を中心とした渋滞解消のため、掛川・日坂バイパスの早期4車線化について「島田・磐田間バイパス建設促進期成同盟会」による要望活動に加え、市議会のご協力もいただきながら国に強く要望してまいります。
また、東名高速道路の掛川と袋井のインターチェンジ間へのスマートインターチェンジの設置についても、引き続き検討を進めてまいります。

6 協働と連携によりふれあい豊かな地域社会を創造し、世界と繋がるまち

1. 多文化共生のまちづくりの推進

はじめに、多文化共生のまちづくりの推進についてであります。
昨年末現在、掛川市に在住する外国人は4,685人と、市の人口の4.0%を占めており、企業の人手不足や改正入管法により、今後もさらなる増加が予想されています。
住みやすい、働きやすいまちとして選ばれる「掛川市」となっていくためには、外国人を地域の一員として受け入れていく視点がより重要となります。
日本語教室の充実や多言語による生活相談への対応など、企業、地域、学校などとも連携し、外国人も地域を支え合う仲間として迎える取組を進め、真の多文化共生社会を目指してまいります。

2. 協働のまちづくりの推進

次に、協働のまちづくりの推進についてであります。
地区まちづくり協議会が発足して5年目となりますので、協働のまちづくりのさらなる進展に向け、各地区のまちづくり計画の見直し作業の支援を進めてまいります。並行して、地区まちづくり協議会交付金や事務局体制の支援のあり方についても検討を行ってまいります。
また、「協働によるまちづくり地区集会」につきましては、開催方法を見直すなど、令和の時代にふさわしい形式にステップアップさせ、これまで以上に、女性をはじめ、多様な世代に参加していただける内容となるよう努めてまいります。

3. 働き方改革の推進と庁内環境の整備

次に、働き方改革の推進と庁内環境の整備についてであります。
社会情勢が大きく変化する時代にあって、市民の多様なニーズにスピード感を持って対応していくため、職員一人ひとりの意欲と生産性の向上が求められます。
働き方改革につきましては、職員の意識改革を進めるとともに、業務の効率化を図ってまいります。業務フロー全体を見直し、定型業務を自動化するRPAやAIの技術を活用して業務改善に繋げてまいります。
さらに、職員がどこでも業務が行えるテレワークを実現するための環境整備や、大規模災害時の安全性の確保等のため、庁内情報システムのクラウド化をスピード感を持って進めてまいります。

おわりに

今、私たちの社会は、AIなどのテクノロジーの進化を中心とした第4次産業革命ともいわれる転換期を迎えています。
このような中、トヨタ自動車は、あらゆるモノとサービスがつながる「コネクテッドシティ」を建設し、実際に人が住む環境で、ロボットや自動運転などを検証していくことを発表しました。日本最大企業のトヨタであっても、これまでの延長線上ではない、新たな挑戦を始めています。
令和の時代の日本は、今まで世界が経験したことのない人口減少、超高齢社会に突入し、地球温暖化への対応も喫緊の課題となっています。
私は、このような時こそ、これまで市民と培ってきた協働の力を発揮し、将来に向けた取組を実践すべきであると考えています。
人口減少に真正面から向き合い、先端技術を活用した未来のまちづくりを探求し、これからの「掛川市のあり方」に繋がる地域循環共生圏づくりや公共施設マネジメントを、今こそ市民や企業とともに進めていけば、必ずや、令和の時代に「希望が見えるまち、誰もが住みたくなるまち掛川」が実現していくはずです。
私は、確固たる決意を持って、高い市民力を有する掛川市民とともに、新たな時代に対応した掛川市を、「協働」という確かな理念によって創ってまいります。

以上、新年度の予算等についてご審議いただくこの議会の冒頭に、改めて、令和2年度の市政運営に対する私の思いを述べさせていただきました。着実な事業実施に向け、議員各位のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げます。

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