市議会11月定例会の開会に際し、行政報告を申し上げます。
第2次掛川市総合計画基本計画の改定について
はじめに、第2次掛川市総合計画基本計画の改定について、申し上げます。
令和の時代に入り、AIをはじめとする技術革新が本格化する中での総合計画の改定は、これからの社会の大きな変化や少子高齢化の進行を見据えた計画内容にする必要があると考えています。
このため、新しい時代にふさわしい掛川市のビジョンを、庁内に設置した「将来ビジョン検討会」において、20年後の掛川市の状況を想像しつつ、調査、検討を重ねています。
同時に、将来を担っていく世代である高校生による検討も行い、今月6日には「高校生の考える20年後の掛川市」と題して発表をしていただき、関係人口や交流人口を増加させるには「ホスピタリティ(おもてなし)」というキーワードが重要との意見をいただきました。
今後、さらに重要となる、温室効果ガス削減などの地球環境政策、国際交流や多文化共生、安全・安心で持続可能なまちづくりなどの視点を踏まえながら、掛川市の将来像を描き、これからの掛川市の方向性を定め、総合計画の改定を進めてまいります。
公共施設マネジメントについて
次に、公共施設マネジメントについて、申し上げます。
公共施設マネジメントの推進については、公共施設の使用の安全・安心を確保しつつ、公共サービスを最適かつ持続可能なものとするため、公共施設の縮減目標や再配置の方向性を示す「公共施設再配置方針」を策定し、「個別施設の再配置案」の検討を開始したところです。
この再配置方針と再配置案などの市民説明を、先月下旬から12月にかけて、各中学校区単位で行っており、市民の理解促進と意見収集に努めています。
今後、いただいた意見や公共施設再配置方針に基づいて、老朽化した施設や機能と利用圏域の重複する施設の複合化、多機能化、統廃合などの検討を進め、来年の秋を目途に「公共施設再配置計画」を策定してまいります。
縁結びプロジェクトについて
次に、縁結びプロジェクトについて、申し上げます。
少子化の主たる要因である未婚化、晩婚化に対応するため、先月から、出会いや婚活支援を目的とした「縁結びプロジェクト」を開始いたしました。
先月から今月にかけて2回の婚活サポーター養成講座を開催し、今月7日の認定式では、市内外の9人の方を「おせっかい婚活サポーター」として認定させていただきました。今後、婚活サポーターの皆様には、若い世代の結婚への後押しとなる結婚相談や仲介などの活動を行っていただく予定です。
また、今月からは、結婚を望みながらも出会いの機会が少ない方や未婚のお子さんを持つ親御さん向けにセミナーや交流会を開催いたします。このセミナーや交流会には、婚活サポーターも一緒に参加いただき、参加者同士の交流を深めるよう、サポートをお願いしてまいります。
これらの事業によって、少しでも多くの方々のご縁が結ばれるよう、地域とのつながりを含めた総合的な婚活支援に取り組んでまいります。
上西郷工業用地事業について
次に、上西郷工業用地事業について、申し上げます。
開発面積38ヘクタールを超える上西郷工業用地については、オーダーメイド方式により、進出企業を誘致した上で、掛川市土地開発公社が造成工事を行う計画としていましたが、この度、事業の推進を図るため、新たに全国から広く造成工事と企業誘致を合わせて行う事業協力者の公募を行うこととし、来月から地元説明会を開催し、来年1月から事業協力者の公募を行ってまいります。
総合計画、国土利用計画に位置付けられ、静岡県ふじのくにフロンティア推進区域にも指定されている上西郷工業用地を整備することにより、企業誘致を推進し、新たな雇用の創出と定住人口の増加につなげていきたいと考えています。
中小企業振興計画の策定について
次に、中小企業振興計画の策定について、申し上げます。
今年度末の策定を予定している中小企業振興計画については、9月にプロポーザルを行い、策定支援コンサルタントを選定いたしました。現在、中小企業を取り巻く現状把握のため、産業分類別の事業者数、開廃業率の推移などの各種データや先進事例の情報収集を行うとともに、今月から事業者へのアンケートやヒアリング調査を実施しています。
アンケートについては、市内の中小企業1,000社を抽出し、個別郵送により調査を実施しており、事業者の考える経営課題、掛川市における事業環境、期待する施策展開などの調査により、中小企業の実態把握に努めています。
今後、これらの調査結果を分析するとともに、経営革新支援や人材育成・確保支援など10項目にまとめた基本的施策ごとの課題を整理してまいります。あわせて、得られた掛川市の特性や強みを基盤とし、中小企業振興会議において、振興計画の内容、具体的施策等を検討してまいります。
下垂木地区まちづくり事業の進捗状況について
次に、下垂木地区まちづくり事業の進捗状況について、申し上げます。
下垂木地区まちづくり事業は、開発面積4.9ヘクタールに約60戸の宅地造成と商業施設を誘致する個人施行による土地区画整理事業と併せて、掛川市の道路整備、河川改修、公園整備を含む、総合的な生活基盤の整備を図るもので、下垂木地区まちづくり委員会と合意形成を図りながら進めています。
掛川市の事業として、現在、都市計画道路桜が丘通り線と市道神田一丁田線の2路線595メートルの整備を進めており、普通河川一色川の改修とゆうゆうパークの整備については、来年度末の完成を目指して工事を進めています。また、土地区画整理事業については、8月から住居エリアの分譲が始まり、その中核施設となる商業施設についても来年夏のオープンを目指して建設が進められています。
この下垂木地区まちづくり事業が、掛川市への定住促進につながり、下垂木地区の生活利便性の向上と快適で活気あふれるまちづくりとなるよう、掛川市としても協力して事業を進めてまいります。
ラグビーワールドカップについて
次に、ラグビーワールドカップについて、申し上げます。
9月20日に開幕したラグビーワールドカップは、今月2日の決勝戦で南アフリカ代表が優勝し、44日間の大会の幕が下りました。今大会は、日本代表が史上初のベスト8に入ったこともあり、日本中がラグビーの魅力や、選手たちの熱い戦いに魅せられ、全国12会場では128万人、エコパスタジアムで行われた4試合には17万5千人を超える来場者があり、大盛況となりました。
シャトルバスの発着所となった掛川駅周辺は、毎試合、国内外の多くの観戦客で賑わい、特に9月28日のおもてなしゾーンでは、掛川らしいおもてなしを世界各国のラグビーファンと市民約1万6千人が一緒に楽しみ、素晴らしい交流の機会になったと感じております。
大会期間中は、呈茶サービスや通訳ボランティアなどによる観光案内が行われ、掛川の食や文化などの魅力を、おもてなしによって多くの方に伝えることができ、掛川市のPRと市民の思い出に残る十分な成果を得たと考えております。
来年度に向けた待機児童対策について
次に、来年度に向けた待機児童対策について、申し上げます。
来年4月の保育所の申し込みが先月末に締め切られ、申込者数は、2歳児、3歳児の申込みが増えたため、昨年度を若干上回る状況になっています。
現在、待機児童対策として、みなみさいごうのぞみ保育園や、ちはまこども園、あんり小規模保育所など、来年度に向けた施設整備が行われています。さらに、入所保留者が多い、1歳児、2歳児が入園できるよう、私立保育園の定員変更などにより、本年度中に合わせて195人の定員を増員する予定です。
今後は、年度末に向け、引き続き丁寧な入所調整を行うとともに、本年度創設した「保育士等就職応援資金貸付制度」の活用による保育士確保に努めるなど、待機児童ゼロを目指してまいります。
敬老会事業について
次に、敬老会事業について、申し上げます。
平均寿命が年々伸びていることや、敬老会対象者の増加により開催会場が手狭になっていることなどから、本年度は、敬老会の対象年齢を1歳引き上げ79歳以上として開催いたしました。
この結果、本年度の敬老会対象者は1万1,802名となり、昨年度と比較して891名の減となりました。このうち、43名の方が新たに100歳となられ、108歳の方を最高齢として、合わせて90名の方が100歳以上の御長寿を迎えられております。
人生100年時代を迎える中、来年度は、敬老会対象年齢をさらに1歳引き上げて80歳以上なるよう計画を進めております。敬老会が、ひとつの節目となる年齢の皆様への感謝の場となるよう、引き続き地域との協働で取り組んでまいります。
掛川の水について考えるシンポジウムについて
次に、今後開催する事業について、2点申し上げます。
1点目は、12月3日に掛川市生涯学習センターで開催する「掛川の水について考えるシンポジウム」について、申し上げます。
地理的に大きな河川がなく、昔から水に苦労してきた掛川市では、現在、生活用水の約9割、農業・工業用水もその多くを大井川の水に頼っており、リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少は、市民生活、産業などの根幹に関わる問題となっております。
このことから、市民の皆様に、改めて掛川の水の現状や、リニア建設に係る大井川の水問題について考えてもらうシンポジウムを開催することといたしました。
シンポジウムでは、第1部として、静岡県の難波副知事をお招きし、リニア建設に係る大井川の水問題について、これまでの経緯や内容、最新事情についてご講演をいただくとともに、第2部では、水の利用者を中心とした方々によりパネルディスカッションを予定しております。
多くの市民の皆様にご来場いただき、この機会に掛川の水についての理解を深めていただきたいと考えています。
全国軽トラ市in(イン)かけがわについて
2点目は、12月8日に開催する「全国軽トラ市in(イン)かけがわ」について、申し上げます。
全国軽トラ市は、軽トラ市を核として地域の活性化に取り組む団体の交流や連携を目的に開催されており、6回目となる今回は、東は青森県から西は宮崎県と、全国の農産物、特産品を積んだ軽トラ100台以上が、掛川市に大集結いたします。
開催エリアも、通常の「かけがわけっトラ市」エリアである掛川駅前通りに加えて、旧東海道の連雀、中町の商店街に拡大をいたします。
また、前日には、軽トラ市の開催団体を中心としたシンポジウムや交流会も開催いたします。
掛川市では、この全国軽トラ市を契機に、多くの自治体との交流・連携をさらに深め、掛川市が推進している互産互消のさらなる取組につなげていきたいと考えております。
姉妹都市ペーザロ市訪問について
最後に、今月14日から18日の日程でイタリアの姉妹都市ペーザロ市を訪問しましたので、ご報告いたします。
ペーザロ市の訪問は、私としても初めてのことであり、これまで音楽芸術と食文化のまちと聞いてはおりましたが、実際に訪れてみると音楽文化の創造や伝統的な建物を残す大変素晴らしいまちで、これからの掛川市のまちづくりにも大変参考となるお知恵をいただいたものと感じております。
その後お訪れたローマ、バチカンでは、掛川市の名誉大使であるモンテリーズィ枢機卿からお住まいを案内していただきました。バチカンの中に入ることさえ難しい中で、モンテリーズィ枢機卿からお住まいの案内、お茶のサービスをいただきました。このような関係が築かれていることは、掛川市にとって大変素晴らしいことだと感じております。モンテリーズィ枢機卿は、先日の天皇陛下の即位の礼にローマ法王の名代としてご出席され、天皇陛下にお祝いを申し上げたことがありましたので、日本国民の一人としてそれに対するお礼を申し上げさせてもらいました。
これらの詳細については、報告書を整理しておりますので、改めて報告をさせていただきたいと思います。
以上、行政報告とさせていただきます。
令和元年11月20日