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2021年1月23日 解体調査の成果披露 松ヶ岡工事現場説明会

2021年1月23日更新

京都伝統建築技術協会の浜野さんから説明を受ける参加者

▲京都伝統建築技術協会の浜野さんから説明を受ける参加者

 市は、江戸時代の豪商で掛川藩御用達の筆頭といわれた山﨑家が遺(のこ)した市指定有形文化財「松ヶ岡」で1月23日、保存活用工事の現地説明会を開催しました。工事監理を担当する京都伝統建築技術協会が、建物解体調査の成果や工事の現状を解説し、参加者を唸らせました。 
 工事は昨年9月から開始。調査の結果、主屋大屋根部分は安政3年(1856)の建設当時の状態で残っていることや、安政の大地震直後で耐震を意識した太い柱が組まれていることなどが確認されました。
 新たに棟札が見つかった玄関は明治44年(1911)の建築と確認ができ、当時の当主が磐田市の赤松家から嫁を迎え入れるため増改築したのではないかと、同協会の浜野豪さんは分析します。
 参加者は、明治天皇が泊まった表座敷の床組みや、瓦などを取り外した下屋根部分などを見学。浜野さんが、電動工具のない時代の高い技術力を力説しながら、明治中期まで使われていた四角い「和くぎ」とそれ以降の丸い「洋くぎ」の違いや、構造部の建築手法の違いから増改築の変遷を解説しました。
 参加した伊達方の鈴木伸子さんは「細かなところまで話を聞けて大変興味深かった。当時の建築技術のすばらしさや松ヶ岡の歴史を残すことはとても大事なこと。しっかり残してほしい」と話しました。
 工事は令和6年度までの5か年の計画で、総事業費は約4億円を見込んでいます。改修後は、国の重要文化財指定を目指すとともに、人づくりの拠点となる現代版「教養館」に位置づけ活用する予定です。

2021年1月23日

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