うっそうとした木々を伐採し新設されたウッドデッキスペース
ペット可エリアのウッドデッキ区画を視察する松井市長(中央)
平成26年度から閉鎖していた「明ヶ島キャンプ場」が来春、「炭焼の杜 明ヶ島キャンプ場」としてリニューアルオープンします。かつて、この地でお米の替わりに炭を焼き年貢を納めていたという歴史から、この名前がつきました。
新しいキャンプ場は、これまで課題となっていた不便さを逆に売り込もうというもの。行きにくい、携帯電話が圏外、高規格ではない、フェンスがないなど、ないものずくしを逆手にとり、新しいスタイルで勝負に出ます。
コンセプトは「穏やかなることを学べ」。これまでのコテージに加え、新たに2人用テントがちょうど良いキャンプサイトを用意。また、最愛のペットとキャンプを過ごせるよう、ペット同伴スペースやドックランも設けました。
そして、今回目玉となるのが、京都の川床のように森に浮かぶ「ステージサイト」と「ウッドデッキサイト」。宙に突き出したデッキの上で、自然を感じながらゆったりと過ごしてもらおうというもので、全国的にも珍しいと言います。
今回のリニューアルを手掛けたアウトドアプロデューサーの松山拓也さんは、「夫婦や親子、一人の穏やかな時間を提供できるよう、人工物を徹底的に排除し景観を整えた。不便さを逆手に、全国的にも珍しいものを作り、首都圏から足を運んでいただけるような工夫も用意した」と話し、続けて「街灯のない星空はきれいで、川のせせらぎや鳥のさえずりなども楽しんでもらいたい」と手ごたえを口にします。
また、管理運営を行う株式会社山田の山田珠一社長も、これまであった管理等やコテージの屋根や内壁・外壁などを改装したほか、うっそうとした木々も伐採しました。市からの補助はなく、ほとんどが持ち出しで整備したと話す山田社長は、「昔から付き合いのあるこの地域への社会貢献の意味もある。限られた予算の中ですばらしいものができた。国道1号から1時間、新東名から30分で、これほどゆっくりとした時間の流れるところはない」と胸を張ります。
10月14日、現地を視察した松井三郎掛川市長も新しくなった施設に驚いた様子で、「掛川の面積の半分は山林。この資源をどう生かすかが課題だが、子どもの体験学習や渓流でフライフィッシングを楽しむなど、あれもこれもと欲が出てくるようなすばらしい場になった」と太鼓判を押します。
明ヶ島キャンプ場は、山間地の地域活性化のため昭和53年に建設された施設。オープン当初は年間1,000人を越えていましたが、次第に利用者数が減少。平成23年度に市営としてのキャンプ場は廃止となりました。平成27年度、公募により市と株式会社山田とで管理契約を締結。今回のリニューアルを向かえました。山田社長は「まずは年間利用者数700人を目標に、将来は1,000~1,500人を目指したい」と目標を掲げました。
問い合わせ先・予約先
住所 炭焼の杜 明ケ島キャンプ場(〒436-0337 静岡県掛川市炭焼33-2)
電話 0537-25-2507(管理者:株式会社山田)
2016年10月15日