市学芸員(左)から鏡の説明を受ける鈴木さん(中央)と山田教育長
直径16.5センチメートルの変形獣文鏡
市内在住の鈴木嘉弘さん(掛川・86)が、所蔵していた西岡津古墳出土の変形獣文鏡を市教育委員会へ寄贈しました。
鏡は青銅製で、古墳時代中期(約1,500年前)のもの。直径が16.5センチメートルで、変形した獣が表現されています。鈴木さんによると、約100年ほど前の明治時代末から大正時代の開墾によって出土したといい、鈴木家で大切に保管されてきたそうです。
市教委で11月9日に行われた寄贈式へは、山田教育長や関係課職員が出席。鈴木さんは「以前から寄贈を考えていた。個人で持っているようなものではない」と話し、「先人が知恵をしぼり、今の文化や暮らしをつくってきた。鏡もその一つ。大切にして欲しい」と思いを述べました。
鏡は、11月30日から12月4日まで大須賀図書館で開催される「掛川考古展」に特別展示されます。山田教育長は「子どもたちは本物に触れることが大事。貴重な鏡を見せられることは本当にうれしい」とよろこびを語りました。
西岡津古墳は、直径約13メートルの円墳で、昭和41年、東名高速道路建設の際の発掘調査では、ガラス小玉や鉄おのなどが出土。これらの遺物から、古墳時代中期から終わりころに造られたと考えられています。
2016年11月9日