作品「山歩き‐五月(からす森)」を来場者に説明する本田さん(右)
昨年製作した「家ねずみ」(左端)を解説する本田さん(右から2番目)
民話のふるさととして知られる岩手県遠野市の古民家を拠点に、同市の原風景や暮らしのひとコマを描き続けている本田健(たけし)さんの「本田健展 遠野のくらし 1987‐2016」が、二の丸美術館で2月4 日から始まります。3月20日まで。
本田さんは、20代の終わりに遠野市の自然や人に魅了され移住。そこで本格的な創作活動を始めました。チャコールペンシルで線をいくつも重ねて写実的に表現するドローイングは、本田さんの代表作。移りゆく山里の一瞬をモノクロ写真のように絵の中にとどめていて、見るものを圧倒します。また、昨年完成したばかりという、花や草木、日常の暮らしを切り取った油彩画も出展。全55点が展示されています。
開幕前日となる3日には本田さんを同館に招き、開会式が行われました。30人ほどの招待客を前に、本田さんはあいさつで「4年前、掛川市のアートプロジェクトで茶道具を製作し、以来縁を感じていた」と話し、続いて「美術館での初めての個展が遠野市ではなく掛川市となり驚いている。展示準備中も楽しくてしかたがなかった」と笑顔を見せるなど、充実感を漂わせていました。
注 遠野市の県無形民俗文化財『駒木鹿子(しし)踊り』は、江戸時代に掛川から伝えられたと言われており、平成24年に掛川市で開かれた全国獅子舞フェスティバルにも出演しています。
2017年2月3日