データに基づいた事実を確認しながら講義する日本総研の藻谷さん
参加者と意見を深める東京大学の尾﨑さん(左)と藻谷さん
中心市街地をはじめとした市のあり方を考える「まちづくりシンポジウム」が2月4日、中央図書館で開催され、市民ら約100人が参加しました。
主催は掛川市。人口減少や移住・定住がキーワードとなっている昨今、まちづくりに何が求められているのかを市民と専門家で議論を深めようと企画されました。
第1部は、報道番組のコメンテーターとしても活躍する日本総研主任研究員の藻谷浩介さんが「魅力あるまち、とは何なのか 掛川を輝かせるまちづくりのヒント」と題して講演。藻谷さんは、地域活性化とは人口が減らなくなることと訴え、「若者が戻り子どもが生まれ続けるためには、誇りを持って地域を残すこと。このまちはいいぞと思えることが大切」と力を込めました。
また、常に事実を数字で確認しイメージに惑わされないことが大切だと話し、データを基に首都圏や近隣市の人口比率と現状を解説。住宅造成して急激に人口を増やすことに警鐘を鳴らし、「掛川は高度経済成長期に無理な開発をしなかったため、高齢者7%増で済んでいる『いぶし銀のまち』と言える。派手さはないものの、バランスの取れた住みよいまち」と参加者に説明しました。
最後に、若者が戻らない地域の共通点として紹介したのは「うちには何もない」「そんなの当たり前」という言葉。藻谷さんは「当たり前ではなく『ありがたい』が口ぐせの地域が残っていく。住んでいる人が掛川の『ありがたさ』を発信することが大切」と強調しました。
第2部では、東京大学大学院社会基盤学助教の尾﨑信さんを加え、参加者と活発な意見交換が行われました。尾﨑さんは「行政に頼らず、地域に誇りを持って自ら動くことが大切」と訴えました。
2017年2月4日