覚書を締結した(左から)松浦保全会会長、杉本協議会会長、松井市長
徳川家康が高天神城を攻略するために築いた中村砦(とりで)跡地の保全管理のため、市は3月31日、地元住民を中心に組織する市民グループ「中村砦城山保全会」(松浦富夫会長)と地元の中地区まちづくり協議会(杉本光繁会長)と掛川市役所で覚書を締結しました。協定発効は4月1日から。
中村砦は高天神城から南東約3キロメートルの丘に設けられています。1590年ころ、武田方が拠点とした高天神城を徳川方が奪還するため城を包囲した6つの砦のうちの一つで、当時は砦南側が入り江となっていたことから、海運を利用した兵糧運搬の重要拠点だったと言われています。
約8,000平方メートルの小高い丘の砦跡は市外に住む方の私有地で、雑木や竹が生い茂った状態だったことから、地域住民から砦跡の保全が要望されていました。市は所有者と協議を重ね、進入路部分の土地を購入。平成28年2月に残りの砦跡地が寄付されました。
すでに、保全会メンバーにより竹や樹木の伐採が進められており、会長の松浦さんは「念願がかなった。この砦はみがけば光る宝物。地域一丸となって輝かせてたい」と喜びを語りました。地域も津波避難地としての役割に期待をしており、協議会の杉本会長は「地域ボランティアで協力させていただく。砦を有効に活用してほしい」と話しました。
2017年3月31日