市議会6月定例会の開会に際し、行政報告を申し上げます。
「学校再編計画」について
はじめに、「学校再編計画」について、申し上げます。
昨年8月に策定した学校再編計画に基づき、原野谷学園では小中一貫校の整備に向けて、地域の皆様とともに検討を進めております。本年7月末までに基本構想・基本計画をまとめ、学校の基本的な仕様を決める基本設計に移行してまいります。また、原谷小学校と原田小学校の統合に向けた準備を進めてまいります。
城東学園につきましては、新たな学校づくりに向けた検討委員会の開催準備を進めており、今年度末までに基本構想・基本計画の策定に向けた検討を重ねてまいります。
空き家対策事業について
次に、空き家対策事業について、申し上げます。
令和6年度当初予算において、昭和56年5月31日以前に建築された木造住宅で空き家となっている物件については、除却にかかる費用を最大50万円補助する制度を新設しました。この補助制度については、大変反響があり、4月上旬には予算枠を超える相談を受けているため、本6月定例会に増額の補正予算案を提出いたしました。
今年1月に発生した能登半島地震では、相続登記がなされていない家屋が倒壊し、公費解体もできず問題となっております。耐震性がない老朽空き家も同様の問題をかかえる恐れがあり、景観や防犯上の問題を抱えるケースも多いため、補助金を活用し、自ら解体してくださることは安全で安心な住環境の確保にも寄与すると考えております。
また、昭和56年6月1日以降に建築された木造住宅で空き家となっている物件の活用を促進するため、家財道具等のお片付けにかかる費用の3分の2以内、最大20万円を補助する制度も新設しましたので、併せて活用していだけるよう周知してまいります。
「製品プラスチック資源循環実証実験」について
次に、「製品プラスチック資源循環実証実験」について、申し上げます。
掛川SDGsプラットフォーム共創事業として、株式会社カインズ、株式会社太洋サービス、株式会社プラニックと連携し、4月20日から 9月30日までの予定で、カインズ掛川店で製品プラスチックの拠点回収の実証実験を行っております。1ヶ月間で回収した量は延べ回収コンテナ160杯分、約12トンで、主なものは、衣装ケースやバケツでした。
多くの量が回収できていることから、市民の利便性の向上に繋がっていると考えております。一方で、回収できない物や事業系廃棄物がコンテナに投入されるなどの課題も見えてきましたので、引き続き、事業の経済性や持続性、リサイクルの方法などについての検証を進め、製品プラスチックの拠点回収による資源循環モデルの構築を目指した取り組みを進めてまいります。
環境資源ギャラリー可燃ごみ積替設備設置工事について
次に、環境資源ギャラリー可燃ごみ積替設備設置工事について、申し上げます。
5月22日に開催された掛川市・菊川市衛生施設組合議会臨時会において、令和7年度から新施設供用開始までの5年間、可燃ごみを安定的かつ適正に外部搬出するための「可燃ごみ積替設備設置工事」の請負業者が決定されました。
契約金額は2億1,989万円、契約の相手方は、兵庫県神戸市に本部を置く「大栄環境株式会社」で、施工は、令和7年1月上旬から令和7年2月28日を予定しております。
掛川市としましては、令和7年4月1日から開始する全量外部搬出に向けて、掛川市・菊川市衛生施設組合と連携し、更なるごみ減量と資源化促進を進めてまいります。
掛川茶フェアトレードについて
次に、掛川茶フェアトレードについて、申し上げます。
まず、本年の一番茶状況についてですが、掛川茶市場の取扱量は、前年比106.8%の366.7t、平均単価は、前年比88.1%の2,130円となりました。数量は、過去最も少なかった昨年度を上回ったものの、平均単価は、過去最低となり、非常に厳しい取引となりました。
フェアトレードの取組状況についてですが、これまでに生産者47者、茶商社30者、合計77者の参加の意思表示があり、生産者34者、茶商社21者からなる延べ124組のパートナーシップに基づく計画生産の取組みの表明、いわゆる、掛川茶フェアトレード宣言が行われました。現在、生産者、茶商社へ取組状況に関するアンケート調査を行っております。アンケートの回収はまだ一部ですが、回答から効果的な取組が行われたケースもある一方で、準備期間の短さや初めての取組のため、仕様条件を決めることができず、一番茶においてフェアトレードの取組を行うことができなかったケースも見受けられました。
この掛川茶フェアトレードは、多方面からも注目されておりますので、農林水産省農産局へ直接、御協力のお願いもしてまいりました。持続可能な茶業の実現に向けてしっかりと効果分析を行い、検討会を継続開催し、生産者、茶商社、農協など関係者一丸となって取り組んでまいります。
外部人材の活動状況について
はじめに、地域おこし協力隊につきましては、令和3年8月から活動されている芳川翠(よしかわ みどり)さんに続く2人目として、令和6年2月、喜多村純(きたむら じゅん)さんを委嘱しました。
喜多村さんには、特に市南部を中心に農業による賑わい創出に向け、地域資源の活用や課題解決の提案、地域の魅力を情報発信するなど、地域の方々と連携してまちづくりに取り組んでいただきます。現在、地元直売所、とうもんの里の会議に参画しながら、現地調査や情報収集を行っております。
次に、国の「地域活性化企業人」制度を活用した2人目の専門人材派遣による農畜産物活用専門官について申し上げます。
掛川市内には、お茶をはじめ、お米、栗、イチゴ、メロン、掛川牛など、魅力ある農畜産物があります。これらの地域食材を活用した商品開発や情報発信を行うことができる人材を求めていたところ、JA掛川市を通じてABC Cooking studio株式会社から派遣希望の打診をいただいたことから、4月から、宮崎香(みやざき かおり)さんを派遣していただいております。
宮崎さんは、既に、掛川城天守閣開門30周年のイベントに合わせた掛川茶や掛川抹茶、米粉などを使った商品開発に取り掛かっていただいているほか、健康づくり推進課とも連携し、働き世代の食育やレシピの開発にも取り組み始めているところです。
また、地域おこし協力隊と連携した情報発信や料理教室の開催などを進めていく予定でおります。
掛川市地域公共交通計画の策定について
次に、「掛川市地域公共交通計画の策定」について、申し上げます。
市民の移動手段を維持・確保し、公共交通を持続可能なものとしていくため、「掛川市
地域公共交通計画(案)」を取りまとめました。
本計画は、市民の移動ニーズに対応し、地域の実情に合わせた効果的、効率的な交通体
系を構築するため、3つの基本方針、5つの計画目標を設定し、目標を達成するための
12の事業に取り組んでいく内容となっております。
現在、ホームページや市役所、図書館等でパブリックコメントを行っており、来年1月
の地域公共交通会議で最終計画案を協議し、3月に策定を予定しております。
地域公共交通計画関連助成事業について
次に、地域公共交通計画関連助成事業について、申し上げます。
「掛川市地域公共交通計画」は、地域の移動ニーズに対応した交通形態の改善を行いながら、持続可能かつ効果的な地域公共交通ネットワークの構築を図ることを目的に、令和6年3月に策定いたしました。
本計画の実施事業として、交通弱者である高齢者ニーズへの対応が急務であることから、今年度から運転免許証自主返納者公共交通利用料金助成事業を拡充し、高齢者公共交通外出助成事業を実施しております。
実施から2か月で、昨年度を上回る500件以上の申請がございましたので、今後、高齢者の公共交通利用が増えるのではないかと期待しております。
また、本計画の計画期間は、令和6年度から令和10年度の5年間としており、計画に従い地域公共交通の維持・確保に努めると共に、地域の移動ニーズに柔軟に対応していくため、自動運転やAIオンデマンド交通、MaaSといった新しいモビリティサービスの導入についても調査、研究を進めてまいります。
多死社会のまちづくりを考える会議の設置について
次に、多死社会のまちづくりを考える会議の設置について、申し上げます。
昨年の12月に国立社会保障・人口問題研究所から公表された2050年までの人口推計では、掛川市の65歳以上の人口のピークは2045年ごろと予想されております。さらに、掛川市の令和3年度までの死亡者数は1,200人前後でしたが、令和4年度には1,400人を超えたことから、本格的な多死社会の到来に対して事前の対策を検討するため、外部有識者を交えた会議を設置いたします。
会議の体制として、庁内に負動産部会、産業部会、介護・健康・医療部会、地域コミュニティ部会、終活部会の5つの部会を設け、これら5つの分野から、司法書士や不動産業者、ファイナンシャルプランナーなど15名程度の委員を予定しております。
会議では、空き家の増加や介護施設等の不足、労働者や担い手不足、火葬処理の問題などを検討し、人口が減少する厳しい社会情勢の中でも、何歳になっても安心して生活し続けられるまちづくりを進めてまいります。
会議で検討した施策は、令和7年度から多死社会対策の重点的な取り組みとして早期に実施していくとともに、令和8年度からの第3次総合計画の策定にも反映してまいります。
協働によるまちづくり地区集会について
次に、協働によるまちづくり地区集会について、申し上げます。
4月の全員協議会で報告させていただいたとおり、令和6、7年度は、全地区を2グループに分け、隔年で開催いたします。今年度の日程は、8月19日から11月28日にかけて、14会場での開催を予定しております。今年度の開催時間帯は、午前中が1会場、夜間が13会場となります。
協働によるまちづくり地区集会は、市政の課題や地区の課題を自治区役員やまちづくり協議会役員と行政が情報共有し、課題解決に向けて対話することが主たる目的であります。
お互いが連携することにより誰もが支え合い役立ちあう協働によるまちづくりの推進につながるよう、今年度も本音で対話する場を作ってまいります。
以上、行政報告とさせていただきます。
令和6年6月6日