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第433回 ほんわか(本輪架)プランをご存知ですか?

2013年7月26日更新

掛川市図書館長 大石 弘美

みなさんは、「掛川ほんわか(本輪架)プラン」をご存知でしょうか。
これは、平成17年9月に策定された「掛川市子ども読書活動推進計画」の通称です。平成24年3月には、第二次計画が策定され、掛川市の子ども読書活動推進のよりどころとなっています。

ほんわかプランのパンフレット画像

「そもそも『子ども読書活動推進計画』って、どういうものなの?」と思われる方に、簡単に説明すると、子どもたちの身近なところにできるだけたくさんの本を用意して、子どもたちが読書に親しめる環境作りに市全体で取り組む計画です。
読書は、子どもが言語を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で、欠くことのできないものです。生涯にわたって読書に親しむためには、乳幼児期から多くの本に出会い読書習慣を身につけることが大切です。

本棚に並んでいる絵本の画像

平成13年の「子どもの読書活動の推進に関する法律」に基づき、国の姿勢を明確にした「子どもの読書活動推進に関する基本的な計画」が平成14年に策定され、その後各県、各市町村ごとの「推進計画」策定が始まりました。

「掛川ほんわかプラン」の主な特徴を挙げてみますと、次のようになります。

  1. 対象者を「胎児期」から「青年期」までの年齢層と、「子どもたちの読書活動に関わるすべてのおとな」としたこと
  2. 学校図書館支援室の役割を明記したこと
  3. 「高等学校における読書活動の推進」を別立てにしたこと
  4. 障害のある子どもへの読書活動支援について明記したこと
  5. 在住外国人の子どもの読書活動支援について明記したこと

子どもの読書活動の推進において、図書館は大きな役割を担っています。「推進計画」をもとにした図書館事業の一例を紹介します。

妊婦さんたちに絵本を紹介している画像
「おなかの赤ちゃんとはじめての絵本」講座

 1.「おなかの赤ちゃんとはじめての絵本」
(保健予防課との連携事業)
妊婦さんを対象に、絵本のよみきかせ、子守歌の実演などを交えながら絵本を紹介し、赤ちゃんがおなかにいるうちからの、よみきかせをすすめる講座です。

 

赤ちゃんに絵本のよみきかせをしている様子の写真
「こんにちはえほん」のよみきかせ

2.「こんにちはえほん」
(保健予防課との連携事業)
一般には「ブックスタート」と呼ばれています。6ヶ月児健康相談の際、絵本についてのおはなし、よみきかせの実演の後、絵本をプレゼントしています。また、図書館からのおすすめ絵本のリストもお渡ししています。

 

こどもたちとてあそびをしている様子の画像
ボランティア団体「ひまわり」さんによるてあそび

3.「館内おはなし会」
市立図書館3館で、それぞれおはなし会を定期的に開催しています。
絵本のよみきかせや、手あそび、かんたんな工作など、親子で楽しめるおはなし会です。

 

小学生たちによみきかせをしている様子の画像
図書館司書による小学校でのよみきかせ

4.「出前講座」
幼稚園、保育園、学校、子育て支援センターなどに出向いて、おはなし会やブックトーク、 よみきかせ講座、親子読書講座などを開いています。

 

特に、保護者やよみきかせボランティアの方々への働きかけは、子どもの読書活動を推進する上で、大きな効果があると考えています。
そのほか、市内の県立高校のご協力により、「高校生によるおはなし会」や「夏休み工作教室」を開催しています。高校生の図書館利用につながっていくことを願っています。

高校生がこどもたちに本のよみきかせをしている様子の画像
高校生によるおはなし会

高校生が子供たちに工作を教えている様子の画像
高校生による夏休み工作教室

 

移動図書館車に並んだ本を選んでいる子供たちの画像
小学校での移動図書館車

読書は、すぐに目に見える効果が期待できるものではありません。けれども、長い目で見て続けることで、ことばや感情の豊かな子に育つなど、得られる効果は絶大なものがあります。

 

今後も、「推進計画」のもと、家庭・地域・学校・図書館等が連携を深めながら、子どもたちと読書を結びつけて行きたいと思います。

図書館で子供たちが本を読んでいる様子の画像

子どもたちは、多くの本と出会い、豊かな心や知恵を身につけて、様々な問題を乗り越えられるしたたかで柔軟な頭と心、人に思いを伝える適切で思いやりのある言葉が育まれることを願うとともに、これからの掛川市を担う市民となりますよう大いに期待するものです。

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