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第452回 緑の精神回廊と彼岸花

2013年11月15日更新

掛川市都市政策課長 榛葉 孝男

道の横の斜面に彼岸花が咲いている様子

掛川市では、平成9年度から「生涯学習実践空間」として地域に対する、より深い愛着と誇りを持つための有効な手段は、地域を知ることは地域を見ることから始まるというコンセプトにより、誰しもが安全に、心地好くかつ刺激を感じながら地域を回廊できる舞台装置として、防災と美観の公共空間を兼ね備えた緑あふれる歩道のネットワーク「緑の精神回廊」事業を実施してきました。
この回廊は、多くの市民が気軽に散策しながら健康増進、あるいは沿道の神社・仏閣、史跡、古木に思いを深める。街中においては賑わいの創出の空間となることを願い、2年間かけて全体構想をまとめ平成10年度には、この回廊の「使い手」となる市民の皆様に「作り手」として計画段階から参画する「緑と心の散歩みち研究会」が結成され、具体的な計画づくりが進められました。この回廊は、逆川の堤防を利用した水辺コースを中心に、掛川駅から掛川城天守閣、生涯学習センター、龍尾神社、さんりーな、市役所、資生堂アートハウス、等を巡るコースです。具体的な施設整備は掛川城から市役所までの逆川の堤防を利用したコースでカラー舗装、休憩スポット、将門橋(血洗川)、新知出会橋(新知川)の架橋、また主要な幹線道路の横断を安全に通行するため、城下橋、逆川橋の左右岸に橋下歩道を設置し、歩行空間を確保しています。この区間には十九首の市民の皆様がワークショップにより計画した十九首水源地公園、将門十九首塚、江戸末期の豪商邸宅、松が岡屋敷が沿線にあります。また、逆川左岸の西町区から十九首区においては、河川美化の観点から川法面の草刈りをボランティア行っており、この作業が楽しく行えるよう「使い手」となる沿道の市民の皆様に「作り手」として参加していただき、彼岸花を川法面(のりめん)に植えることを推進してきました。
これは草刈りをするだけで、花を見る。花を見せるということです。彼岸花は市内に広く分布しており、特性は、「葉は花を見ず花は葉を見ず」というように秋の彼岸(毎年9月20日頃)には花茎を伸ばして花を咲かせ、花が終わると、細長い葉が何本も伸びてくる。そして翌年の5月頃には、葉も枯れていく。花と葉は決して一緒には見られない。また、極めて丈夫で、やせ地を好み8月の末から9月初旬に草刈りを行えば華やかな赤い花(白もある)を見ることができる。このように草刈りを行うだけという管理が非常に簡単であります。今年も草刈りをした後、夏の終幕を告げる最後の打ち上げ花火のように真っ赤な花が咲きました。皆様も一度、彼岸花の咲く時期に、この「緑の精神回廊」を散策してみてください。

 

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